ジェラードンかみちぃ「いつものコントの延長線上の感じ」舞台『天才バカボンのパパなのだ』開幕

2024.2.22
『天才バカボンのパパなのだ』

文・撮影=ナカニシキュウ 編集=梅山織愛


芸人と舞台役者による舞台『天才バカボンのパパなのだ』が2月21日、東京・本多劇場にて開幕。その初回公演に先駆けてメディア取材会が行われ、ゲネプロ公演を終えたばかりの出演者9名と演出の玉田真也が登壇した。

ドリフのようなコントに

これは別役実の戯曲を玉田が演出した舞台演劇で、芸人勢として男性ブランコ浦井のりひろ、うるとらブギーズ佐々木崇博、ジェラードンかみちぃ、エルフはるのほか、メトロンズのメンバーが日替わりで出演。この日はサルゴリラ児玉智洋が参加した。彼らに加え、浅野千鶴、市川しんぺー、川面千晶、西出結といった実力派俳優が顔をそろえている。

本番へ向け、浦井は「早くお客さんの前でやってみたい」、佐々木は「みなさんに体重を預けたくなる。みんなについていけば大丈夫だなと思いました。大丈夫です!」と力強くコメント。玉田は「古い戯曲なんですけど、完成形がドリフ(ザ・ドリフターズ)のコントみたいになればいいなと思って演出しました。ひとり真ん中にいる人がどんどんひどい目にあわされて、でもそのさまが笑いになるみたいな。浦井さんがいかりや長介のポジションです」と演出方針を明かした。

『天才バカボンのパパなのだ』
浦井のりひろ(左)、佐々木崇博(右)

かみちぃは「お芝居をやっている感覚がまったくなくて」と切り出すと、「玉田さんからもなんの指導もなく、本読みの段階から自由にやらせていただいて、いつものコントの延長線上の感じ。まわりの方がすごく熱演をしているなかに紛れ込んでいる感じなので、贅沢な空間にいさせてもらってる」と感慨を述べる。はるは「私は逆に、本読みの段階から自分なりの演技を出しすぎて『はるさんはそのままで』と最初から指導いただいた」と述懐。さらに劇中のシーンについても触れ、「芝居上、堂々と喫煙シーンができるのはすごくうれしいです」と顔をほころばせた。

児玉は演劇の聖地・本多劇場の舞台に立てることに関して「うれしい。いつかメトロンズでも立ちたいなと思いました」と率直な思いを述べ、はるから「ホンマの俳優さんみたいなしゃべり方やな」とのツッコミを食らう結果に。そのはる自身も稽古では「リアクションがアメリカンすぎる」とかみちぃらから頻繁にイジられていたことを明かし、「言われすぎて、今日のゲネで(芝居を)変えたんですよ。そしたら西出さんが『変えましたね? あれ楽しみなのに』って(笑)。もしかしたら本番でまた変わるかもしれないです」と揺れる思いを口にした。

『天才バカボンのパパなのだ』
川面千晶、はる、西出結

芸人との共演で感じたことを問われた浅野は「佐々木さんはちょっとした返し稽古でも常に大声でやって、声をガラガラにするくらいまじめに100%でやる方。普段から自分ももっとがんばらないとなと思わされました」と証言する。市川も「一人ひとりまじめに玉田さんの言うことを100聞いて……。僕らは100は聞いてないので」と笑わせながらも、「みんな素直でまじめ」と芸人勢の稽古に臨む姿勢を高く評価。これには思わず浦井も「(芸人が素直でまじめと言われたら)商売あがったりですけど」と照れ笑いを浮かべていた。

舞台『天才バカボンのパパなのだ』は2月21日より3月3日まで本多劇場にて上演中。3月3日19時からは配信でも楽しむことができる。

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  • 舞台『天才バカボンのパパなのだ』

    2024年2月21日(水)~3月3日(日)
    会場:下北沢・本多劇場(世田谷区北沢2-10-5)
    脚本:別役実『天才バカボンのパパなのだ』
    演出:玉田真也(玉田企画)
    出演(※登場順):男性ブランコ浦井、うるとらブギーズ佐々木、ジェラードンかみちぃ、浅野千鶴、市川しんぺー、
    川面千晶、エルフはる、西出結、メトロンズ(日替わり出演)

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ナカニシキュウ

ライター/カメラマン/ギタリスト/作曲家。2007年よりポップカルチャーのニュースサイト『ナタリー』でデザイナー兼カメラマンとして約10年間勤務したのち、フリーランスに。座右の銘は「そのうちなんとかなるだろう」。

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