福井俊太郎(GAG)連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」第6回【高円寺×あげもんや×悲劇のオジサン(悲劇のヒロインの発音で)】

文・撮影=福井俊太郎(GAG) 編集=福田 駿


昨年8月に始まった福井俊太郎(GAG)による新連載「指が輝いてる人はピザ食べた人」。総武線沿線の旨いグルメを、福井お得意の“決めつけ”を挟み込みながら紹介していく決めつけグルメ連載だ。今回降り立つのは、福井のホームタウン・高円寺。高円寺から高円寺に引っ越すほどの高円寺LOVER・福井が高円寺で気づいた「悲劇のオジサン現象」とはいったい?

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高円寺のBLACK&PINK

どうもぉこの冬、、高円寺駅のホームで電車を待っていたら、、急にサーティワンアイスクリームのカップを口に咥えながら飛んでいるカラスが目の前を通り過ぎていったんですね、、「今の夢?」と勘違いするぐらいのファンタジーな光景だったのに「あれ?でも、、真っ黒いカラスがピンクのカップを咥えている、、なんかあの構図は既視感あったな、、ブラックとピンク、、ん?なんだったかな?」と脳に尋ねると「あれしかないでしょ!」とすぐにアンサーがありました、、ブラックとピンクと言えば、、確かにあれしかないですよね、、

尼神インター氏の宣材写真ですよねぇぇ(低くねっとりした声で)

ピンクとブラックのヒントで韓国4人組ガールズグループBLACKPINKさんではなく、、尼神インターに辿り着いた自分に誇りを持って総武線へ、、

それでは、、恒例の、、OPV(オープニングVTR)の代わりとなるOGP(オープニンググルメピクチャー)を石井食品さんのCMソング「イシイのおべんとクン ミートボール」が流れているイメージでどうぞ!

♪買って嬉しいミートボール 食べて美味しいミートボール イシイ君が欲しい♪

NOSTALGIA CAFE様

高円寺駅から徒歩15分強、、早稲田通り沿いにある、、NOSTALGIA CAFEさん、、少し駅から離れているのでお店の探し方のコツをお教えしますね、、え?この一角だけ急にニューヨーク・マンハッタンじゃない?と思ったら、、そこがNOSTALGIA CAFEさんです、、ここは日本だなと思ったら違うお店なので皆様のニューヨーク・マンハッタン観を信じて辿り着いてもらいたいです、、お店さえ見つけれたらもう勝ち確、、だってこのカフェは全メニューが魅力的ですからね、、その中でも私が一番好きなメニューがこちら、、

ミートボール オーバーライス クラシックトマトォォォォ!!!ちなみにNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの言い方で発音するとしっくりきますのでお試しを、、

これは激激旨ですよ、、もし、、口の中の、、旨味最大瞬間風速、、という表現があるなら歴代トップクラスですね、、お皿の中で、、ミートボールと白米とトマトソース、、が三位一体になっていてお互いの良さを引き出し合っているんですよね、、もう私は今後、、雑誌の取材中にライターさんから「GAGさんはどんなトリオを目指されてますか?」と質問されたら即レスで

「NOSTALGIA CAFEさんのミートボールオーバーライスクラシックトマトみたいな三位一体のグループですね!」

と答える気でいます、、ただその返答のせいでライターさん側に「え?今のってボケ?真剣なやつ?どっちどっち?いやむずいむずい」という社会人あるある【仕事の取引先の人間が冗談で言ったのか本気で言ったのか判断つきにくくて一瞬フリーズする】を体感させてしまう可能性がある事には先に謝罪させて頂きます、、すいません、、後、、もう一つお伝えしたいのは、、こちらの情報、、

ノーベイクチョコレートチーズケーキ チェリーソース

このお店はデザートも絶品だという事ぉぉ、、品のある甘さに自然と両膝を揃えて食べちゃいます、、お笑いにおける最上級の賛辞は「腹ちぎれるくらい笑ったわ」ですが、、デザートにおける最上級の賛辞「これで太るなら本望やわ」を引き出してくれるプロのお仕事です、、

♪ イシイのおべんとくん ミートボール♪

おじさんの「油もんきつくなってきてぇ」には疑いの目を

実は私、、高円寺に5年ほど住んでおりまして、、さらに最近になって高円寺から高円寺に引越しし、、この地で根を張って生活する決意を固めたばかりなんですよね、、とてもいい街ですよ、、物価も安いし活気もあるし人も優しいし去年10月にコメダ珈琲もできたし(コメダ珈琲さんが進出してるかしてないかでその街の坪単価が変わってくる説を唱えている人間なので、コメダさんの高円寺北口出店を知った際はすぐに家族に電話して人生初の「号外ですっ!」を使いました)、、

ただこの街に住み始めた頃はちょっと気後れしていて、、古着、、音楽、、飲み屋、、阿波踊り、、のように様々なカルチャーが融合したお洒落サブカル街に、、関西から出てきた田舎者の中年がどう馴染んでいいのか、、ここは自分の居場所ではないのかもしれないと引け目のようなものがあったんですね、、ただそんな私が今は骨を埋める覚悟を持てた理由、、それは、、

高円寺に実家を持ち44歳まで実家暮らしを続けておられた、、

バイク事故に遭ってアスファルトに叩きつけられその衝撃で赤ちゃん言葉になり生死を彷徨った、、

『M-1』の予選会場で挨拶しなかった後輩に礼儀を教えようとその後輩の『M-1』出番直前に楽屋で「挨拶しろよ」と注意した、、

サルゴリラ赤羽(健壱)さん、、

に手ほどきを受けたからなんですね、、「今度あの古着屋を紹介するよ!あそこの服似合うと思うから!」「ここのタイ料理屋さん知ってたら一人前だよ」「杉並の不良で一番有名なのは○○君なんだけどぉ」など、、外見から知識と教養まで高円寺を叩き込んでくださり、、気づけば赤羽さんによって洗練された自分へ、、もう高円寺版のプリティウーマンやんぅぅ(低くねっとりした声で)、、とツッコミを入れたところで、、赤羽さんに教えてもらってから激ハマりしているお店をご紹介、、

あげもんや様

その名も、、あげもんや、、さん、、もう名前の時点で期待は高まりますよね、、私も初来店の日はドキドキしましたから、、この扉の向こうで提供されているぅぅぅぅぅ

揚げものにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ(低くねっとりした声で)

バカ旨確定ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ7を揃えよぉぉぉ(低くねっとりした声で)

すいません、、興奮してパチスロ機の「ボーナス確定」の後によく出てくる文字「7を揃えよ」まで書いちゃいました、、

これが個人的あげもんメニューの風神(からあげ定食)雷神(カツ丼)、、からあげは衣がパリッと揚がってるタイプで一口噛めば中は超絶ジューシーなので肉汁を飲む覚悟で挑んでください、、あと、、マヨネーズとの相性は大学のキャンパスと青芝くらい良いですよ、、カツ丼はつゆが濃ゆすぎず上品すぎず、、個人的には理想形、、驚くべきはカツの分厚さがジョージコックスのラバーソールの厚底くらいはあるのでしっかり顎のストレッチをしてから挑んでくださいね、、あげもんやさんのメニューは満腹感と心の満足感がすごいですからね、、

少し話が変わりますが、、私は現在43歳なんですね、、で、、最近周りの近しい人間が「いやぁちょっと最近油もんきつくなってきてぇ」のような発言をしてるのを耳にするのですが、、その度に心の中で、、いやそれ言いたいだけじゃないぃ?、、って呟いてしまうんですよ、、もちろん個人差があるだろうし40代っておじさんド真ん中だから世間のイメージも油ものがキツくなってそうな頃合いだとは思うんですが、、私がまだ全然食べれるので共感できないだけという可能性も大いにあるのは承知の上で、、それでも「油もんきつくなってきてぇ」発信者の中に全員ではないですが確実に、、悲劇のオジサン(悲劇のヒロインの発音で)、、を演じ、、油もんを食べれない自分は、、か弱くて可哀想でしょもっと優しくしてぇ、、ってアピールしてるだけの被害者ヅラおっさんがいる事は知っておいて頂きたいです、、そしてこの中年は悲劇のオジサン系だなと感じたら一言、、じゃあ何で腹出てんだよ(笑)、、と辛辣な言葉でケツを叩いて目を覚まさせてあげてください、、ハハッ、、と苦笑いするはずです、、その後にフォローで「油ものキツイなら、ここいきません?」と誘ってあげてください、、

ともちんラーメン様

高円寺の旨しょっぱ旨ラーメン屋、、ともちんラーメンさんヘぇぇぇ(低くねっとりした声で)

全おじさんが好きな味なのに女性のお客さんも多い奇跡の客層ぅぅ(低くねっとりした声で)

ここのチャーシューは旨すぎて一切れ食べたら、、チャーシューメンにしとくべきだったぁ、、と後悔させてくれますよ、、悲劇のオジサンも喜んで白飯おかわりすると思います、、

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福井俊太郎(GAG)

(ふくい・しゅんたろう)お笑いトリオ・GAGのネタ作り担当。『キングオブコント』では過去4度決勝進出を果たす。2023年から「福井俊太郎(GAG)プロジェクト」始動。GAG活動は「GAG福井」、個人としての脚本・執筆活動などは「福井俊太郎(GAG)」として活動する。低くねっとりとしたボイスが持ち味。

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