ワンダーペイ、トークボックス…多種多様なネタが飛び出した『ラヴィット!』のスピンオフ的賞レース『耳心地いい-1グランプリ』

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『耳心地いい‐1グランプリ』(8月23日放送)

審査員はもちろん、観客もヘッドフォンで聴き、出囃子なども生演奏。耳心地のよさにこだわった『ラヴィット!』のスピンオフ的賞レース。「なんでこんなおじさんたちのバチェラー・ジャパンみたいなVTRなんでしょう」とMCの川島がツッコむオープニングのVTRから、いわゆる「賞レース」の緊張感は徹底的に排されている。審査員は芸人だけでなく坂本冬美やヒャダインらも。お祭り感満載。

第2回王者の「メンバー」から始まり、第1回王者シオマリアッチがつづく出し惜しみないラインナップ。ゆんぼだんぷは「清少納言の接吻」など、これまで以上に奥行きのある繊細な「音」を奏でる。「自分で聴きました? すごいことやってるぞ!」と審査員のおいでやす小田。やはりヘッドフォンで聴くとよりすごさが際立つよう。

強烈なインパクトがあったのは、ザ・マミィ。『ガキの使い』の「七変化」や『相席食堂』などでも見せた謎の楽器「トークボックス」を使ったネタ。2本使ってハモるという進化も。「お笑い界で初めて(トークボックスを)持ち込んだ」と川島。爆発的な笑いが起こる。伊達「『キングオブコント』でも行けそう」。

つづくラブレターズの「バーコード決済」もくだらなくて最高だった。「ワンダーペイ」なるアプリの決済音がひたすらつづく。川島「ラブレターズは忘れてもワンダーペイは忘れないでしょうね」。

ほかにも、かわいらしい曲をまさかの録音済みで流す「いちばんかわいい」やMOROHA風に漫才師の“本音”を叫ぶ三拍子など、「耳心地」というキーワードで多種多様なネタがつづく。バカリズム「三拍子はいちばんかわいいのこと、どう思ってるんだろう(笑)」。

点数は都度ではなく、最後に10位から順に発表されるシステム。ザ・マミィが6位に沈んだことから、「耳心地のよさ」が特に重視されていたことがわかる(バカリズムは98点で、番組中未発表だった1位・2位を除くと最高点)。

最後に残ったのは、ゆんぼだんぷとラブレターズ。ラブレターズに川島「(優勝したら)335万、ワンダーペイでお支払いします(笑)」。

優勝はゆんぼだんぷ。「耳心地いい」に特化した彼らが優勝するという大団円。「日本でいちばん明るい賞レース」と銘打たれていたが、それそのもので最高に心地よくてずっと楽しかった。

『有吉ぃぃeeeee!』(8月20日放送)

トシの47歳の誕生日をサプライズでお祝い。「UWFになりたかった男の夢」を叶えるために、会場にはリングが。家から持ってくるようにいわれた私物のUWFのコスチュームを身にまとい、UWFのテーマに乗って“入場”してリングイン。

そして、本物の前田日明が登場。前田から蹴りを伝授され、三浦敏和(トシ)vs前田日明のスパーリング対決が実現。足関節の取り合いからクロスヒールホールドを極められギブアップ。客席からうれしそうにスマホで写真を撮っている有吉が印象的だった。

最後はハッピーバースデーのテンカウントゴング。引退式かのよう。有吉の「来年の罰ゲームも楽しみだな!」というコメントに、トシ「誕生日、誕生日!(笑)」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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