ニューヨーク嶋佐和也が『ラヴィット!』で叶えた夢。千鳥ノブも「最高のエンタテインメントや」と絶賛

ニューヨーク嶋佐

文=天野史彬 撮影=長野竜成 編集=梅山織愛


2022年6月30日の放送の『ラヴィット!』(TBS)で、生バンドの演奏をバックに世界的バンド・Oasis(オアシス)の代表曲「Don’t Look Back in Anger」を披露したニューヨーク嶋佐和也。

もともとこのパフォーマンスはこの日、誕生日だった横田真悠に向けて行ったものだったが、多くの視聴者にとっても忘れられない放送となり、2022年の年間名場面大賞「MWL」(もっとも忘れられないラヴィット!)で3位に選ばれた。

改めてこの名場面を振り返りながら、嶋佐にとって憧れの“ロックンローラー”だというオアシスへの想いを聞いた。

こちらのインタビューの一部は8月29日(火)発売の『Quick Japan Special「ラヴィット!」』にも一部掲載されます。

嶋佐Oasisの想像以上の反響

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──嶋佐さんはこれまで2度もオアシスの楽曲を『ラヴィット!』で披露されていますが、歌われたときのことを振り返って、いかがですか?

嶋佐和也(以下、嶋佐) なかなかの反響があって、それにまずはビックリしました。最初は、本当にノリだったんですよ。横田真悠ちゃんの誕生日をみんなでお祝いするオープニングだったんですけど、無理やりというか(笑)、僕はノリでオアシスを歌うことになって。しかも、本番では生バンドも用意してくれて。放送のあとにSNSも見たんですけど、思った以上に「よかった」という反応が多かったんですよね。おもしろくなればいいなと思っていたのに、まさかそんなかたちのリアクションがあるなんて思わなかった(笑)。

──1度目は「Don’t Look Back in Anger」を歌われて、2度目は「Whatever」を、『ゴールデンラヴィット!』内でまさかのオーケストラをバックに歌われて。

嶋佐 あれは、ムダにここ何年かで一番緊張しました(笑)。やっぱりゴールデンなので反響も大きかったし、ほかの現場でもスタッフさんとか、芸人さんとか、いろんな人に言われました。千鳥のノブさんも「オアシス、めっちゃよかったで。あれは最高のエンタテインメントや」みたいに言ってくれて。ビックリでした。あと、音楽を好きな人間として冷静に考えてみれば、なかなかの経験をさせてもらったなと思うんです。朝の生放送とゴールデンの番組で、生演奏をバックにフルコーラスで歌えるなんて、本物のアーティストでもなかなかできないようなことですよね(笑)。

──嶋佐さんの歌声が素晴らしい、という反響も多かったですよね。真剣に歌っていることが伝わると。それに、ノエル・ギャラガーやリアム・ギャラガーが憑依しているんじゃないかと思うくらいに、見事に歌い方をトレースされていると。

嶋佐 (笑)。単純にオアシスが好きっていうのが大きいです。あと、カラオケでほかの曲を歌うときも、僕はものまねっぽくなっちゃうんですよね。あまり、自分の素の声をよくわかっていないのかな。

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オアシスは最後のロックンローラー

──オアシスの作品には、これまでたくさん触れてこられましたか?

嶋佐 そうですね、よく聴いてきました。洋楽の中じゃ一番聴いてきたかもしれないです。生でも1回観たことありますよ。解散寸前の、最後のジャパンツアーに行きました。やっぱり、いい曲がいっぱいあるし、ロックンローラー像としてカッコいいし……オアシスは、最後のロックンローラーという感じがしますよね。ずっと兄弟ゲンカをずっとしている感じも、たまらない。

──オアシスの中で一番好きなアルバムを選ぶとすると?

嶋佐 えーっ!……(かなり考えながら)もちろん、『(What’s the Story) Morning Glory?』とか1stの『Definitely Maybe』もいいんですけど、アルバムという括りで選ぶと、僕はマジで4枚目の『Standing on the Shoulder of Giants』が好きなんですよね。あれ、すっごいいいアルバムだと思うんですよ。でも、オアシスのアルバムの中ではあんまり評判よくないんですよね、よくわかんないですけど。僕はあのアルバム好きなんです。あと、『Don’t Believe The Truth』も好きでした。大学生のころに一番聴きましたね。

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学生時代に買ったギターは番組で売却

──『ラヴィット!』でオアシスを歌う際にギターも弾かれていましたが、普段、家でギターを弾かれたりもしますか?

嶋佐 いや、もう全然。コード弾きくらいしかできない、ほぼほぼ素人。難しい演奏はできないです。昔は家にギター、あったんですけどね。大学生のころに水道橋で買ったSG。僕らは世代的にみんなバンドをやっていたので、僕も中学のころからバンドはやっていて。最初は友達とコピーバンドをやっていたんですけど、大学のときにバンドのサークルに入ろうと思って、水道橋まで行ってSGを買ったんです。たしか、十数万円はしたんじゃないかな。でも結局、いろいろあってバンドサークルには入らず。

──いろいろというのは?

嶋佐 みんな俺より楽器全然うまいし、イキってるやつが多くて(笑)。

──(笑)。

嶋佐 「なんか、ここの雰囲気イヤだな」と思って、普通のテニスサークルに入りました。それこそ、『ラヴィット!』で引っ越しをしたときに、その水道橋で買ったSGを売りましたよ。いらないものを買い取り業者に出すときに一緒に出したんですけど、3、4万円くらいで売れました(笑)。

──では、今はご自宅にギターはないんですね。

嶋佐 変なギターだけあります。僕、プロレスも好きなんですけど、プロレスショップで見つけた、武藤敬司のサイン入りエレキギター。衝動買いしたんですけど、まさかの9,800円でした(笑)。

──(笑)。武藤さんはなんでサインされたんですかね?

嶋佐 わかんないです。でもソッコー買っちゃいました(笑)。弾いていないですけど、飾ってます。武藤さんはずっと憧れている人なんで。

青春の思い出を呼び起こしてくれる『ラヴィット!』

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──ニューヨークは、活動の中で音楽やバンドとの絡みが多い印象もあります。今、自身のYouTubeチャンネルでもバンド企画をやられていますよね。THE BLUE HEARTSやHi-STANDARDを練習するという、本当に学生時代のバンドの雰囲気で。

嶋佐 あれもただのノリですけどね(笑)。でも、確かに、配信番組やイベントとかでもバンドマンの方とご一緒させていただく機会は多かったりしますね。それこそ『ラヴィット!』でも、好きなバンドがサプライズでスタジオに来てくれたりもして、うれしいです。この間もDo As Infinityさんが来てくれたし、ほかにもロードオブメジャーさんとか、レミオロメンの藤巻(亮太)さんとか、いろんな方が来て、目の前で生ライブをしてくれて。青春時代に戻ったような気持ちになります。

──ミュージシャンとの共演というと、2月には豊洲PITで、クリープハイプとのツーマンライブ『ニューヨークリープハイプ』も開催されてましたね。

嶋佐 それこそ『ラヴィット!』でオアシスを披露させてもらったことをきっかけに、このライブでもオアシスを歌わせてもらったんです。クリープハイプさんから提案してくださったんですよ。「最後に、僕らの演奏でオアシスどうですか?」って。あれは気持ちよかったですね。豊洲PITなので、お客さん2,000人くらいいたんじゃないですかね。ライブハウスでお客さんの前で生演奏。あれは正直、『ラヴィット!』の本番よりも気持ちよかった(笑)。まさかこの歳になって、バンドで歌うことになるなんて思ってもいなかったので、学生時代に戻った気分でした。あと、今年の4月に僕がオアシスをカラオケで歌いつづけて、RGさんがあるあるを言いつづけるライブ(『RGがあるあるを歌い続け嶋佐がオアシスを歌い続けるフェスに間違って来てしまった屋敷』)があったんですけど(笑)。それも楽しかったです。

──(笑)。人前で歌う機会が増えたり、憧れの人に出会えたり、学生時代、青春時代の思いが、『ラヴィット!』を通して昇華されていっている感じもしますね。

嶋佐 ホントそうですね。武藤敬司さんもそうですから。引っ越し祝いで、サプライズで来てくれて。

──『ラヴィット!ロック』では国立代々木競技場 第一体育館という大会場で、屋敷さん、そして、かが屋のおふたりとオアシスの曲を披露されることになるかと思いますが、どんなステージにしたいですか?

嶋佐 代々木って、大学生か芸人になったばっかりのころに、ウィーザーの単独公演を観に行ったことがある場所なんです。1万人くらい入る場所ですよね。僕はウィーザーを見に行った会場で、オアシスを歌うんですね……。

──90年代ロックの夢、という感じがしますね。

嶋佐 ねぇ。欲を言えば、まだ披露していないオアシスの好きな曲を3、4曲くらい歌いたいですけどね。たぶんそうはならないと思いますけど(笑)。とにかく盛り上がってもらえたらうれしいです。

ニューヨーク嶋佐

嶋佐和也
(しまさ・かずや)1986年5月14日生まれ。山梨県出身。2010年に屋敷裕政とお笑いコンビ・ニューヨークを結成。2019年の『M-1グランプリ』で決勝初進出。2020年には『キングオブコント』でも決勝に進出し、準優勝。『文春オンライン』による「好きな芸人ランキング」では2021年より2年連続で1位。

ラヴィット!号

『Quick Japan Special「ラヴィット!」』予約受付中

<QJWeb SHOP限定版>
番組特製オリジナルステッカー(ランダムで1冊につき2種)付き
8月29日(火)発売 
ISBN:9784778318871
定価:1,540円(税込)

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  • 『LOVE IT! ROCK 2023』

    開催日時:2023年8月27日(日)夜
    会場:国立代々木競技場 第一体育館
    MC:川島明(麒麟)、田村真子(TBSアナウンサー)

    出演者
    ■月曜メンバー
    馬場裕之(ロバート)/ぼる塾/本並健治/丸山桂里奈
    ■火曜メンバー
    アインシュタイン/ビビる大木/ミキ/若槻千夏
    ■水曜メンバー
    柴田英嗣(アンタッチャブル)/見取り図/矢田亜希子
    ■木曜メンバー
    石田明(NON STYLE)/ギャル曽根/ニューヨーク/横田真悠
    ■金曜メンバー
    EXIT/太田博久(ジャングルポケット)/くっきー!(野性爆弾)/近藤千尋/東京ホテイソン/宮下草薙
    ■ゲスト
    アイロンヘッド/アルコ&ピース/井上梨名、松田里奈、守屋麗奈(櫻坂46)/インディアンス/おいでやす小田/かが屋/きつね/グチヤマ(マチルダ)/サンボマスター/すゑひろがりず/男性ブランコ/時東ぁみ/なすなかにし/モグライダー/矢吹奈子/ロングコートダディ
    ■TBSアナウンサー
    赤荻歩/南波雅俊

    チケット2次先行予約受付中(7月23日23時59分まで)

    製作著作:TBS
    チーフプロデューサー:小林弘典
    プロデューサー:辻有一

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天野史彬

(あまの・ふみあき)ライター。1987年生まれ、東京都在住。雑誌編集を経て、2012年よりフリーランスでの活動を開始。音楽関係の記事を中心に多方面で執筆中。

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