吉住が妄想する、コント師の美学が貫かれた自叙伝。“鳥肌モノ”なその結末(イワクラと吉住の番組)

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テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『イワクラと吉住の番組』(4月11日放送)

「妄想自叙伝」の吉住編。前回「あんまり(自叙伝は)出したくはない。私がこじらせ過ぎてて、そんなに簡単に心を見せると思わないで」と言っていた吉住が考えたタイトルは、本名にかけて『さよなら、のぶこ』。表紙も、前回、イワクラも依頼していたプロのイラストレーターに依頼し、しっかり仕上がっている。帯は一番最初に「ネタおもしろいね」と言ってくれた先輩だという真空ジェシカ・川北。大きく「まーちゃん、ごめんね」という文字。

本文は、ふたつ上の兄に比べてうまく育ってないなあという思いを抱えていた【面倒な子ども】時代から始まり、何気なくつけたテレビで東京03のコントを見て「これ、好きー!」と思った【コントとの出会い】、芸人を志し【絶望しながらの上京】、何も知らずに芸人になって【ぶち込まれるコロシアム】、『THE W』で優勝しテレビに出始めた【はじめまして、テレビ】……とつづいていく。【ピン、女、プライド】と芸人としてのスタンスに悩み、芸人としてだけではなく人間としての生き方を模索する【よしずみのぶこ】を経て、【運命の人】で出会う第8章へ。ここから「こうなったらいいな」という妄想、つまり自叙伝から小説へシームレスに変わっていくのだ。【1046】でまさかの展開になり、【おわりに】では「追記。業を背負って生きていく(文:広崎)」と題した文。鳥肌モノの衝撃的なラストを迎えるのだ。

「本心をあまり人に見せたくない人間なので、これを入れておくことによって、どこまでが本当で、どこまでがウソか、フィクションとして読んでほしい」と吉住。コント師らしい美学が貫かれていて、本当に読んでみたいと思わせるものだった。吉住「どうしますか? ふたつ上に兄がいなかったら」。

『有吉ぃぃeeeee!』(4月16日放送)

「軍団対抗!桃鉄王決定戦」完結編。前回王者の、番組レギュラー組「有吉軍」が順調にリードするなか、その対抗となったのはかつて『桃鉄』のCMに出演していた陣内智則と若槻千夏の「桃鉄正規軍」。しかし、意見が合わずたびたびモメるふたり。停まった駅で物件を買うはずが操作ミスで止めてしまった陣内に若槻「え? 怖い怖い怖い! あんだけ人のこと言って!(笑)」。

終盤は「有吉軍」と「桃鉄正規軍」の熾烈な首位争いに。有吉「いやー、今日接戦。WBCくらい視聴率行くんじゃないの?(笑)」。

残り2ターンというところで、「桃鉄正規軍」が目的地まで残り26マス。「のぞみ」カードを使った陣内が振ったサイコロの目がまさかの26。これで一気に大逆転。そのまま逆転勝利かという流れで、最後の目的地に選ばれたのが、たまたま「有吉軍」が残り8マスという「大阪」。そして最後のターン。劇的なラストを迎えるのだ。これぞ『桃鉄』という最後まで勝敗がわからない番組史上に残る名勝負だった。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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