「『オードリーは決勝に上げない』みたいなことを聞いていた」。若林が明かした『M-1グランプリ2008』裏話(てれびのスキマ)

オードリー

テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

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『あちこちオードリー』

『M-1グランプリ2008』で優勝、準優勝の関係となり、オードリーとは「ライバル」のように言われていた、NON STYLEがゲスト。オードリーが「敗者復活」で上がってきたとき、裏で「ヤバいな……」って話をしたと明かす井上。石田は率直に「なんで同じようなネタやらへんかった?」と聞く。ノンスタの2本目のネタが「廃病院」だったのが、(オードリーが)「選挙演説」を選んだ理由のひとつだったと若林は言う。

「俺たちは決勝に行けなかった。そのころ、『レッドカーペット』とか『おもしろ荘』でスタッフづてに『オードリーはキャラ漫才だから、M-1にそぐわないから決勝に上げないって審査員で意見が一致した』みたいなことを聞いたのよ。だからもう行けないんだと思って2本目用意してなかった。ダメだと思ってたから(敗者復活は)リラックスしてできた。それで決勝上がっちゃったから、稽古しなくてもできるネタが『選挙演説』と『肝試し』だったの」。そのふたつのうちノンスタとのネタ被りを避け選んだのが「選挙演説」だったと。

「あのころの若林の『王子様』感がすごかった」と振り返る井上。若林に変なことすれば、「触れるな」「近寄るな」「寄るなウジ虫」などと叩かれたそう。若林「俺も俺で困ってた、そういうファンに」。

そのあとも、『ドリームマッチ』で若林が石田と組んだのは「青春の思い出」だったとか、ふた組ともがブレイク後のレギュラー初番組でザキヤマが大きな壁になったとか、井上の謹慎からの復帰の際の漫才について石田が「作り手からすると興奮してるわけですよ! だってさ、NON STYLEってめちゃめちゃ安全圏で笑いを取る、それのパイオニアと言ってもいいくらいのラインをずっと走ってきたのに、こんな危険な香りがする、炎上覚悟でこんなギリギリまで行くって一世一代の覚悟」と高揚して語ったりと、同じ時期を戦ってきた戦友同士だからこその、これまでのふた組の歩みを答え合わせするかのようなトークがつづき、とても興味深い。

さらに、ふた組が出会う前の大阪時代の話も痺れた。キングコングのようなポップな笑いが席巻していた時期に、笑い飯、千鳥のようなアウトローな笑いが登場。元々キングコング軍だった芸人たちが全員漫才の形を変えて、笑い飯軍になっていったそう。キングコングが抜けたため、NON STYLEはその立ち位置になり、苦しい時代を過ごしていた。笑い飯は「女と遊ぶ奴らはクソや」と言っていたが、M-1で活躍してチヤホヤされ、女の子と遊びたくなってきた。そこで(女の子と遊ぶセッティング役として)活躍したのが井上。その結果、壁が取り払われ、みんなが仲よくなっていったという。若林「『三国志』読んでるみたい!」。

そして若林の結婚の話に。きっかけを聞かれ、若林は、自分の幸せなどを考えたときに「この人生、なんだこれ? と思って。誰みたいになりたいかなって考えたら、小籔さんと梅沢富美男さんみたいになりたいなって思った。ふたりのエッセイとか読んだら、結婚して愛妻家なの。それから結婚をちょっと意識し始めた」と語る。そんなときに出会ったのが妻となる女性。2回目のドライブで緊張して腹を下した若林。「そのときにお茶を買ってきてくれて体調戻るのを待っていてくれた感じが、心配しすぎず励ましたりもせず、じっとしててくれた感じ」がちょうどよく「この先、何度も心折れるだろうな。でもこういう待ち方してくれる人だったら大丈夫そうだなと思った」という。若林「その帰りには、『結婚するつもりで付き合いたい』って言ってた」。

ゲストであるNON STYLEの話はもちろん、オードリー、特に若林がふたりの話に触発されてか、いつも以上にさらけ出して話していたのが印象的だった。

『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』

オードリー春日が挑戦。「中学受験しているから小5くらいの時期は一番勉強していた」という春日。順調に正解を重ねるが、8問目までで「救済」を使い切ってしまう。それでも確信が持てない問題にも正解し「数秒前の春日、よくやった!」と自賛しつつ、ついに300万を賭けた最終問題に。

「冬眠する生き物をすべて選べ」という問題。6つのうち5つはほとんど迷わず決めたが、「ニホンイノシシ」に迷う春日。7分が経ち「そろそろ決めてください」と司会の劇団ひとりが促し、最後の最後で「ちょっと変えようかな」と「冬眠しない」に変えると見事正解。「すげーな、やっぱお前!」と興奮するひとり。「カッコよかった、最後の獲りかた。映画観てるみたい」。本当に春日、こういうときの勝負強さ、ずば抜けている。

『タモリ倶楽部』

「秋のブックカバー掛け祭り」と題し、書店員たちのブックカバーをつける技術を紹介するという企画。奥深くておもしろかったし、見ていてその手際も気持ちよかった。東京03飯塚進行のもと、「ちゃんとした読書家」として、マンガや絵本は月100冊以上、小説などの活字の本は月50冊以上読むという女優の美村里江が登場。タモリ「ちゃんとした読書家じゃなくてごめんね」。

飯塚が、「後輩が書いた本を読んでいるときに恥ずかしいからブックカバーをかける。若林くんが書いた本とか……」というと「若林、本書いてるの?」と驚くタモリ。知らなかったのが意外。「若林の本って読んでみたいな」とタモリ。絶対読んでほしい。飯塚「おもしろいですよ。なんで僕が勧めてるかわからないですけど(笑)」

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