「このYouTubeの編集がうまい!」放送作家がうなる動画とは【YouTube座談会(3)】

2020.2.1

引用:ダークウェブで女性が販売されるサイトがヤバすぎる…-あるごめとりい
文=原 航平 文(注釈)=野坂 瞳
イラスト=はせがわあさ


ここ数年のYouTube動画といえば、企画や動画自体のクオリティが格段に上がり、TV番組と遜色のないほどの編集をされた動画も散見されるようになった。そんな動画を、TVのプロたちはどう観ているのだろうか。

白武ときお、カツオ、山口トンボ、谷田彰吾といった、TVとYouTube両方で活躍する放送作家たちに「この編集がすごい!」と思わずうなってしまったYouTubeチャンネルについて議論してもらった。

※本記事は、2019年12月26日に発売された『クイック・ジャパン』vol.147掲載の記事を転載したものです。(掲載のチャンネル登録者数は2019年12月11日調べ)

放送作家が観た、「この編集がうまい!」YouTube動画

YouTuberもクオリティ重視の時代

――動画編集という点で、「これはうまいな」と思うYouTubeチャンネルはありますか?

谷田彰吾(以下、谷田) 『あるごめとりい』(※1)は注目してます。

※1『あるごめとりい』
2018年6月チャンネル開設。登録者数約14万人。「けんちゃん」と「さいとー(闇病み子)」からなるコンビで、都市伝説やワールドミステリーなどをテーマに動画を投稿している。

カツオ TBSの局員が退社して、YouTuberになったやつね。

谷田 すごくないですかそれ(笑)? 早稲田卒と東大卒のふたりで……、20年前だとTBSに入るなんてこれ以上ないと言われるキャリアだよね。それを辞めてYouTubeをやるっていうのは、時代の流れを感じる……。都市伝説系の動画だけど、編集がすごくTV的で、YouTube的には新しい。

カツオ 編集のクオリティがかなり高い! TVをかじってる人たちだから、『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ)とか『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)みたいな見せ方もできる。

谷田 今までのYouTubeってナレーションは敬遠されてきたけど、ここはガンガン使うよね。TVとYouTubeをうまく融合していて、今後のベンチマークになるかもしれない。

白武ときお(以下、白武) 都市伝説系の動画はクオリティ重視の方向に向かってますよね。

山口トンボ(以下、山口) 『Naokiman Show』(※2)とか。

※2『Naokiman Show』
2017年6月チャンネル開設。登録者数約96万人。UFOや臨死体験、宇宙の謎などの都市伝説・ワールドミステリーなどを写真・動画素材とトークでシンプルにまとめ、紹介している。

谷田 一時期ブワーッと都市伝説系が流行って、ネタも一巡して尽きてきたのかもしれない。

カツオ 俺は編集という面で言うと、2019年は『だいにぐるーぷ』(※3)かなって思ってる。

※3『だいにぐるーぷ』
2017年4月チャンネル開設。登録者数約51万人。中学からの同級生6人で結成されたYouTube グループ。心霊スポットで生活したり、無人島から脱出を試みるなど体を張った企画が人気。無人島の企画ではドローンを使用して島の風景を撮影、オープニングに使用している。

白武 アイデアも含めて、ずば抜けてクオリティ高いですよね。

カツオ 『だいにぐるーぷ』はまず画作りが全然違う。CGも使ってるし。

白武 ドラマみたいな世界観で、見せ方が斬新。

カツオ そう、作品性が強い。おすすめは「家にストーカーが来ました」って動画。ドッキリなんですけど、ところどころドラマが混じってるんです。

白武 ちゃんとナレーションとかも入ってるから、TVっぽい丁寧なつくりでもありますね。

谷田 マンガ動画とか『あるごめとりい』と一緒で、ナレーションがうまく機能してるよね。

プロならではの編集技術とは?

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原 航平

(はら・こうへい)ライター/編集者。1995年生まれ、兵庫県出身。映画好き。『リアルサウンド』『クイック・ジャパン』『キネマ旬報』『芸人雑誌』『メンズノンノ』などで、映画やドラマ、お笑いの記事を執筆。 縞馬は青い

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