浅野いにお『うみべの女の子』が実写映画に 海辺に暮らす少女と少年の胸を締めつけられる青春譚
浅野いにおが、「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ『うみべの女の子』の映画化が決定。8月20日に公開される。
浅野いにおの作品の映画化は『ソラニン』以来2作目
『うみべの女の子』は、海の近くの小さな町に暮らす平凡な中学生・小梅(石川瑠華)と、彼女に思いを寄せる内向的な同級生・磯辺(青木柚)の物語。憧れの先輩に手ひどくフラれた小梅は、自分のことを好きだと言ってくれた同級生・磯辺と関係を持ち、何度も身体を重ねる。やがて、磯辺を恋愛対象とは見ていなかったはずの小梅は、徐々に磯辺への想いを募らせるが、小梅に恋焦がれていたはずの磯辺は、その関係を断ち切ろうとしてしまう。ふたりの気持ちはすれ違ったまま──14歳の青春を描く。
『ソラニン』『おやすみプンプン』『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』などで知られる浅野だが、映画化は『ソラニン』(2010年)に次いで2作目。監督は、長編初監督『リュウグウノツカイ』(2014年)で、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭の北海道知事賞を受賞し、以後も『桜ノ雨』(2016年)、『天使のいる図書館』(2017年)、『富美子の足』(2018年)とコンスタントに話題作を発表しているウエダアツシが務める。また、劇伴音楽は「world‘s end girlfriend」が担当。挿入曲として、原作でも登場するはっぴいえんどの「風をあつめて」が使用される。
映画化に際し、浅野は、
「『小梅』と『磯辺』が確かにそこにいます。より生々しく、より切実に。10代の瞬きにノスタルジーを感じながらも、今現在の自分がその延長線上にいるということを再認識させてくれる作品でした。そういえばいつだったか自分も、あの街の『小梅』であり『磯辺』だったのです」
と、コメント。また、主人公の石川と青木はそれぞれ、
「最初、浅野いにおさんの漫画『うみべの女の子』を映画化するというお話を聞いたとき、衝撃を受けました。でも、これは可能性でもあり、この素晴らしい原作を映画で伝えられたら、もっと素晴らしいのではないかと思うようになり、オーディションに参加しました。
私自身、大好きな作品であり、小梅としてこの作品の中で生きた時間は本当に幸せでした。同時にこれまで感じたことのない大好きだからこその怖さも感じていました。ウエダアツシ監督とは初めてだったので何度も作品について話し合いました。
私は、監督が暖かく包み込むような優しさで小梅や磯辺はもちろん、この作品に出てくる登場人物、そしてこの作品を愛していることを感じました。どんな恋愛映画や青春映画の型にもハマらないパワフルな映画になっていると思います。
是非、公開を楽しみにしていただけたら嬉しいです」(石川)
「今もなお、多くの人に愛されている原作にこのような形で携わる事が出来るのはとても光栄であり、同時に不安でもありました。ですが磯辺という人間を知れば知るほど、その考え方や心情にどこか他人とは思えないようなシンパシーを感じ、何がなんでも磯辺を最後まで生き抜きたいと強く思うようになりました。
浅野さんが描く生々しく繊細な世界、石川さんを通して伝わってくる小梅の葛藤、この原作を背負ったウエダ監督の思い、そのすべてが僕と磯辺を結びつけ、支えてくれました。多くの方々と共に心血を注いで取り組んだ作品です」(青木)
と、話している。
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