“BLソムリエ”がおすすめする「映画を1本見たときのような読後感」がある作品とは

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2020.2.2

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BL作品レビューサイト「ちるちる」が認定した“BLソムリエ”が、『クイック・ジャパン ウェブ QJWeb』読者の方々のためにとっておきのBL作品をお選びする「BLソムリエが選ぶとっておきの1本」

今回は、彼女がいる男子たちのBL作品や、まるで映画を1本見たときのような読後感のあるBL作品をお選びしました。BL作品になじみのない方も、きっと気になってしまうはずです。

彼女がいる男子ふたりが四角関係に

「どちらもカモフラではない彼女がいる男同士のBL作品を読んでみたいです」(餅田餅男様・30歳・男性)

本仁戻『恋が僕等を許す範囲 1』引用:ちるちる

BLソムリエとっておきの選書コメント>

ずばり、本仁戻先生の『恋が僕等を許す範囲』をおすすめいたします。こちら、なんと平成8年の作品。メインカップリングのふたりそれぞれの彼女は、メインカップリングの関係性を知っています。そのうえで、恋のキューピッドになったり、かと思えば闘争心を燃やしてライバル視したりする、なかなかに特殊でおもしろい四角関係です。ドロドロといえばドロドロなお話なのですが、ギャグ要素も多いので、比較的読みやすい展開となっています。ちなみにリバ(※)ありです。

※リバ
リバースの略。「受け」と「攻め」を固定しない、それぞれがその役割を果たす関係性のこと。

「胸がギュッと切なくなる」中毒の方へ

「幼なじみ同士の切なく苦しい片想いものを探しています。切なければ切ないほど良いです。結末はハピエン(ハッピーエンド)でもバドエン(バッドエンド)でもメリバ(メリーバッドエンド(※))でも構いません。なるべく1冊丸々表題作の漫画で探してますが、小説でも良いです。読んだことある好きな幼なじみものは、『おかえりオーレオール』『STAYGOLD』『いとしの猫っ毛』『玉響』『花のみやこで』などです」(青柳様・18歳・女性)

※メリーバッドエンド
読者や登場人物の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる物語の形式のこと。

ウノハナ『気まぐれなジャガー』引用:ちるちる

BLソムリエとっておきの選書コメント>

「胸がギュッと切なくなる」中毒のあなたへ、本日は2作品お選びしました。

1作目。ウノハナ先生の『気まぐれなジャガー』。音楽雑誌の編集者×天才ギタリストのカップリングです。年下の幼なじみである椎名に、ギターの腕前をあっという間に抜かれてしまう新(あらた)。しかし椎名がギターを手に取ったのは、新に構ってほしかったから――。憧れと劣等感、そして葛藤。椎名の、あまりの一途さに心が切れそうになります。切なさ中毒のあなたにぴったりです。新の中に、「凡才だった絶望感」と「天才である椎名が自分に懐く優越感」が同居します。ギターを1本折る勢いで共感する読者も多いはず。

2作目。市梨きみ先生の『心中するまで、待っててね。』。“いい人”な大学生×近所のお兄ちゃん(?)のカップリングです。「バドエン・メリバも問わない」という強気な読者さんに、こちらの作品は私からの挑戦状です。サスペンス要素があり、読者の心に会心の一撃で爪痕を残します。最悪なのに最幸な結末。くれぐれも、心に絆創膏を貼れるときにだけ手に取ってくださいね。

映画を1本観たような読後感のある作品

「美人受け、儚げ受けの作品が知りたいです! それと、心理描写が丁寧で受けの気持ちも攻めの気持ちも緻密に描かれている、読み終わったあと幸せな気持ちになれる作品が知りたいです! 最後に、きれいでエロが少なめの、どちらかと言うと友情の延長線上のようなBLを読みたくなるのですが、おすすめがありましたら教えてください……! たくさん書いてしまってすみません。よろしくお願いいたします」(月様・女性)

ゆき林檎『少年と神隠し』引用:ちるちる

<BLソムリエとっておきの選書コメント>

あります、ありますよ。ご質問から、映画を1本観たような読後感のある作品がお好きそうだと感じました。美人の定義は人それぞれかと思いますが、今回はエロ要素が少なめでご要望にお応えできる3作品をお選びしました。

1作目。ど田舎の閉鎖コミュニティーの怖さを感じる、永井三郎先生の『スメルズライクグリーンスピリット』 。美人受けで、友情の延長線上で、緻密な心理描写ならこちらの作品をおすすめします。
「ホモっぽい」とイジメられている三島と、彼をイジメるふたりの男子高校生。この3人が登場人物です。『SIDE:A』と『SIDE:B』の2巻が出ているのですが、それぞれで展開がガラッと変わるので、ぜひ2巻一気に読んでいただけますと幸いです。深い話や描写がお好きであれば後悔させません。腐女子・腐男子だけでなく、全人類におすすめできます。実家の本棚にあっても大丈夫です(大事)。

2作目。ゆき林檎先生の『少年と神隠し』。儚げや美人受けでおなじみ、ゆき林檎先生の最新作です。昭和初期、身寄りのない16歳の不運な少年を救った人がいた――。1コマ1コマがまるで粉雪のような、桜の花びらのような、あるいは飛行機雲のような……味わいのある儚さを含んでいます。それでいて心理描写の手腕が人間国宝級。まるで映画を1本見たかのような読後感があります。和風ファンタジー、ノスタルジック、そんな雰囲気がお好きであればぜひおすすめします。

3作目。佐岸左岸先生の『オールドファッションカップケーキ』。29歳の部下×39歳の上司のカップリングです。新しいことを億劫に感じていたおじさんが、“女の子ごっこ”をすることになります。上司と部下がふたり仲良くカフェでパンケーキを食べたり、写真を撮ったり、スムージーを飲んだり……。なんだか、ハッピーな雰囲気を感じませんか? 本作はBL本であり、人生の指南書です。読者を励ますような名言がたくさんありますが、ひとつだけ引用させていただきます。「年の差とか、マイノリティとかそんなのは、生まれた故郷の違いとか応援する球団の違いとか、その程度のことです

今回は、3名の方々にとっておきのBL作品をお選びいたしました。これからも皆さまからのご要望を心よりお待ちしております。

今後のご回答のペースとしましては、
【第2回】2/6(木)までのご相談 → 2/16(日)にご回答
【第3回】2/20(木)までのご相談 → 3/1(日)にご回答
を予定しております。

※編集部が選ばせていただいた一部のご質問にお答えいたします。あらかじめご了承ください。

ご依頼の受付は終了いたしました


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