「お笑い第七世代」をはじめとする若い世代が席巻しているのは、「大学お笑い/学生芸人」の存在があるからだ。そう断言するのはいささか乱暴だが、要因のひとつであることは間違いないだろう。
そう確信したてれびのスキマによる、大学お笑いサークルの取材レポート。自身もお笑いサークル出身で現在は北海道のテレビ局に務めるかたわら、noteやツイッターで大学お笑いの魅力を発信しつづけているふたつぎさんに、大学お笑いの現状や魅力を伺う対談、後編。
【記事前編】なぜ「学生芸人」「お笑いサークル」出身者は売れるのか?
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早稲田はよしもと? 各大学を事務所にたとえる
本家の『M-1グランプリ』はアマチュアも出場可能ですけど、やはり目標のひとつになっているんですか?
そうですね。もちろん、将来プロを見据えて『M-1』に照準を向けてやっている人もいます。逆に大学お笑いのために出る人もいる。
私も4年生のときに出場して1回戦通過させてもらったんですけど、プロの大会で結果を出していると知名度が上がるんです。そうすると、大学お笑いの中でも結果を出すことにつながっていきます。
各大学のサークルの特色の違いは?
以前、お笑いサークルを事務所にたとえるものを作ったんです。早稲田の「お笑い工房LUDO」は、アンゴラ村長(にゃんこスター)さん、Gパンパンダさん、ひょっこりはんさん、ハナコ岡部さん……と出身者も多くて知名度も抜群なので、よしもとをイメージしてもらうとわかりやすい。
華もあって、集団コントがめちゃくちゃおもしろい。ネタの作り方も先輩から引き継いで作るってことが多いらしくて、システムも完成されています。
早稲田にはほかにもお笑いサークルがありますよね。
「早稲田寄席演芸研究会」、「LUDO」、「お笑い集団POP3」があります。規模が大きくて知名度が高いのはやっぱり「LUDO」。「POP3」は一番新しくできたサークルで、人数的には多くありません。大会で結果を残すことがすべてではなくて、自分たちで楽しくお笑いをやりたい感じだと思います。
「寄席研」はこの中で一番、“THE お笑い”みたいな感じ。キャッキャした雰囲気をよく思わないお笑い好きっているじゃないですか。私も気持ちがわかるんですけど(笑)。「寄席研」はそれが一番強いような気がして、それぞれが自分なりのお笑い観を持っている気がします。大学生のお笑いの大会で結果を残すことより、お笑い好きの中で認められているライブに呼ばれることを目指す、というか。
学生お笑い好きの中では「寄席研」の卒業ライブは間違いないって言われていますし、お笑いファンの人も「寄席研」ライブに行って後悔はしないと思います。
ほかの大学は?
明治の「木曜会Z」は人力舎に近いイメージです。考えて作られていてしっかりおもしろい。良くも悪くも華だけで勝負してないタイプなので、よしもとのキャッキャワイワイした感じが好きじゃない人は木曜会にハマるんじゃないかなと。
慶應の「お笑い道場O-keis」はほかに真似できない天才肌の人が多いです。令和ロマン、ストレッチーズ、真空ジェシカの川北さんたちが出身で、時事ネタなど頭のいいお笑いをするのでタイタンっぽい。
青学の「ナショグル」は、キャラクターやタレント性を全面に出して売っていくワタナベのイメージ。
創価大の「落語研究会」はマセキですね。ナイツさんが出身ってこともあるんですけど、歴史と伝統があって、先輩が後輩に与える影響が強い感じがします。
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