カベポスター、フースーヤ、ダブルヒガシらがマンゲキ10周年を祝福。見取り図・盛山もサプライズ登場
12月1日(日)、よしもと漫才劇場10周年&森ノ宮よしもと漫才劇場4周年記念記者会見が行われ、カベポスター、ダブルヒガシ、天才ピアニスト、フースーヤらが出席した。さらに、東京のヨシモト∞ホールからダンビラムーチョ、コットン、神保町よしもと漫才劇場からエバース、ナイチンゲールダンスもゲストとして参加。総勢18組で10年の節目を迎えた“マンゲキ”を賑やかに祝福した。
「大阪のお笑い芸能文化を継承する若手芸人を育成し、人気芸人を発掘強化する劇場」というスローガンのもと、2014年にオープンしたよしもと漫才劇場。2020年にはCOOL JAPAN PARK OSAKA SSホールでのレギュラー公演『森ノ宮よしもと漫才劇場』も加わり、大阪の若手芸人の拠点としてすっかりおなじみの2劇場となった。関西各局の賞レースを総ナメし、お笑い界の4大タイトルといわれる『M-1グランプリ』『キングオブコント』『R-1グランプリ』『女芸人No.1決定戦 The W』のすべてで王者を輩出するなど、所属芸人たちの実力は言わずもがな。これからの1年も、両劇場の勢いは止まることを知らないだろう。
賞レースを賑わせた芸人たちの1分ネタが続々
会見MCは令和喜多みな実・河野良祐とNMB48平山真衣が担当。まずは、昨年末から今年にかけて賞レースを賑わせた芸人たちが、約1分の“ひとくちサイズ”でネタを披露。
『第九回上方漫才協会大賞』新人賞のタイムキーパー(まついあきら、ひでき)、『第13回関西演芸しゃべくり話芸大賞』グランプリのぐろう(家村涼太、高松巧)、『R-1グランプリ2024』ファイナリストの真輝志、『キングオブコント2024』ファイナリストの隣人(中村遊直、橋本市民球場)、『オールザッツ漫才2023』優勝のセルライトスパ(肥後裕之、大須賀健剛)、『第九回上方漫才協会大賞』大賞のダブルヒガシ(大東翔生、東良介)、『第59回上方漫才大賞』新人賞の天才ピアニスト(竹内知咲、ますみ)、『第42回今宮戎マンザイ新人コンクール』福笑い大賞のジョックロック(福本ユウショウ、ゆうじろー)、『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』ファイナリストのやました、『第13回ytv漫才新人賞』優勝の空前メテオ(大門正尚、茶屋)、『UNDER5 AWARD 2024』優勝の清川雄司、『キングオブコント2024』ファイナリストのcacao(高橋、浦田スターク、たっぺい)、『第54回NHK上方漫才コンテスト』優勝のフースーヤ(田中ショータイム、谷口理)、『M-1グランプリ2023』ファイナリストのカベポスター(永見大吾、浜田順平)が、持ち味を凝縮した珠玉のネタで沸かせた。
上方漫才協会事務局長、吉本興業代表取締役副社長の奥谷達夫は、劇場に足を運んでくれる観客に改めて感謝した上で、「日々の生活の中に“お笑い”があることで、気分転換して次に向かっていける、そういう面から社会に貢献していきたい」と吉本興業グループの想いを説明。「その観点からいくと、よしもと漫才劇場は未来の明るい社会を作るところ。ここから育った芸人さんたちが各メディアで活躍し、みなさんの生活の中に楽しい時間を作っていく」と劇場の役割を語った。
10周年にまつわるうれしいニュースも。よしもと漫才劇場10周年&森ノ宮よしもと漫才劇場4周年を記念したプロジェクト「リアルで充実(10周年)!幸せ(4周年)なマンゲキ!」からは、サンリオキャラクターズのシナモロールとのコラボや雑誌『SAVVY』でのマンゲキ大特集などスペシャルコラボをピックアップして発表。ほかにも過去の人気公演をリバイバルする『10周年Premium Live』など、1年を通してさまざまな企画が目白押しとなっている。
さらに、12月31日(火)には恒例の『マンゲキ大晦日大祭典2024』に加えて、5年ぶりとなる年またぎのカウントダウン公演『マンゲキカウントダウン2024→2025』が決定した。
また、2025年1月13日(月・祝)、なんばグランド花月にて『第十回上方漫才協会大賞』が開催されることも発表された。授賞式では、大阪のふたつのマンゲキと東京・ヨシモト∞ホール、神保町よしもと漫才劇場の所属芸人が、大賞をはじめ新人賞、話題賞、文芸部門賞など各賞を目指す。
暮らしが豊かになり、健康不安が増えたダブルヒガシ大東
ネタメンバーの“1分インタビュー”は、ついつい時間オーバーしてしまう盛り上がり。劇場出番が増えたというタイムキーパーは、今年初めてなんばグランド花月の本公演に出演。気合いを入れすぎたひできが声を飛ばすも、客席から「がんばれ!」と激励が飛んだと振り返る。「賞レースで1位になったのは初めて」と喜びを噛みしめたのはぐろう高松。相方の家村は、『ytv漫才新人賞』を逃したものの、同じ“第13回”の『関西演芸しゃべくり話芸大賞』では優勝し「“第13回”を取り戻せた」と胸を張った。
『R-1グランプリ2024』で4位の真輝志は、「上位3組が他事務所の方だったので“吉本1位のピン芸人”です!」と猛烈アピール。隣人もこれにのっかり、中村が「(『キングオブコント2024』での)結果は最下位でしたが、大阪では(cacaoに次いで)2位です」と笑いを誘う。セルライトスパ大須賀は、「若手の劇場といっているのに、40歳になり四十肩を発症した。大変申し訳ありません」となぜか平謝りした。
賞レースに優勝したことで「暮らしが豊かになった」というのはダブルヒガシ大東。食生活も充実したため「体重が6kg増え、睡眠時無呼吸症候群になった」と健康不安を口にし、周囲から心配されてしまう。同様に体重が増えてしまった天才ピアニストますみは、「今年は自分史上最高ボディを目指してたんですが、間に合うでしょうか……?」と客席に真顔で問いかけた。
フースーヤ谷口、早くも「11周年」発言
コンビでは賞レースでいい結果を出すが、『R-1グランプリ2024』は1回戦で敗退してしまったというジョックロックゆうじろー。相方の福本に暴露され「言うなー!」と何度も絶叫する。今年『ABCお笑いグランプリ』『NHK新人お笑い大賞』『女芸人No.1決定戦 THE W』と3つの賞レースでファイナリストになったやましたは、「来年以降、もう一度決勝に行くことで“こいつやるな”と思ってもらえる」と早くも2025年を見据えた発言。
空前メテオ・大門は、賞レースで優勝したあとの変化を聞かれ、「ネコのことなんか考えたこともなかったのに、ネコを飼うか飼わないか悩めるぐらいにはなった」と独特の表現で説明した。
『UNDER 5 AWARD 2024』優勝の副賞として、シャンプー・リンス1年分をもらった坊主頭の清川。「半年前に優勝したんですが、まだ1本目を使っている。6年以上使えそうなので、めっちゃ得しました」。cacaoもまた、賞レースでファイナリストとなり仕事が充実し始めた様子。たっぺいは「歯医者の予約ができるようになった」そうで、「今日、これから行ってきます」と歯痛をこらえながら話した。
小道具のライトセーバーを持ち込んで、しょっぱなから大暴れしたフースーヤ谷口。登壇中の全芸人を倒したあと「11周年スタート!」と宣言し、田中から「信じられへんと思いますけど、『NHK』優勝してます」とツッコまれる。
カベポスター永見は「お客さんに恩返ししたいんですが、僕は永見の偽物なんで……」とポツリ。「本物は伊勢神宮にいる」など不穏な発言を繰り返し、ホラーめいたノリで一同を戸惑わせた。
いつも変化しているのがマンゲキ
東京・ヨシモト∞ホールからは『M-1グランプリ2023』『キングオブコント2024』ファイナリストのダンビラムーチョ(大原優一、原田フニャオ)、『キングオブコント2024』ファイナリストのコットン(西村真二、きょん)、神保町よしもと漫才劇場からは『令和6年度NHK新人お笑い大賞』大賞のエバース(佐々木隆史、町田和樹)、『ツギクル芸人グランプリ2023』優勝のナイチンゲールダンス(中野なかるてぃん、ヤス)が登場。わざわざ東京から参加したということで、1分+1秒とちょっと長めのインタビューを受ける。
中野がマンガの題材になるなど進研ゼミ関連の仕事が増え、タブレット教材にネタ動画が流れるようになったというナイチンゲールダンス。その影響でちびっ子ファンが急増し、中野は「小学生の子供さんがいる先輩や社員さんが話しかけてくれるようになった」と意外な変化を明かす。『NHK新人お笑い大賞』でネタ時間を勘違いしていたエピソードを語ったのはエバース佐々木。町田は「賞レースに出るたび刈り上がっていく」自身のヘアスタイルネタでも笑いを誘った。
終始ボケ通しだったのはコットン。きょんは「電気を消してください」とリクエストし、明転した瞬間、「ししとう食べる?」と謎のひと言。ダンビラムーチョは大原がマンゲキ10周年を祝うため「ゴリラッパンダ」を熱唱。原田と、なぜか佐々木までダンスで加わる共同パフォーマンスで沸かせた。
東西マンゲキメンバーのネタを見続けてきた上方漫才協会文芸部の大池晶部長は、「年々、ネタが進化している。特に設定のおもしろさには毎回、感心させられる」と成長ぶりを称賛。「これからの10年、どんどん漫才は変わっていくと思う。それを楽しみにしていただきたい」と話す。
最後にあいさつに立った上方漫才協会会長・中田カウスは、「この10年の間に子だくさんになった。この劇場から巣立っていってくれるのはうれしい」と笑顔。「次から次へと新しい子が登場するし、先輩たちも若い子たちに負けじとネタを作っています。いつも変化しているのがこの劇場。今後ともどうぞお引き立てを」と呼びかける。楽屋までお祝いに駆けつけた見取り図・盛山晋太郎を呼び込むサプライズも飛び出し、カウスを師匠ではなく“おしょう”と呼ぶおなじみのやりとりで笑わせるひと幕も。
マンゲキの強みは「お客さん」
質疑応答で、「マンゲキの強みは?」と聞かれたカウスは「劇場は会社のものでも芸人のものでもない。お客さんに支えられている。まずはお客さんですね」と観客の力強いサポートに感謝。若手芸人たちへは、「ネタを作れば作るほどどこかに類似性が出てくるものだが、同じネタでもどこかが新しければいい。漫才は新しい時代を切り取って見せるもの。新しいものに挑戦すれば消えることはない」とエールを送った。
「今、壇上にいる中で、特に期待している芸人は?」と聞かれると、「それは挙げられない。みんなそれぞれの持ち味があるからここに立っている」としつつ、「たとえばフースーヤは彼ら独特の味わいがあり、オリジナリティがあるのも立派。きょんの演技力は素晴らしい」など、一人ひとりの魅力に言及。大東から「師匠、強いて言うなら!」と詰め寄られ、「強いて言うなら、あかんのはダブルヒガシや」と返すなど、若手との息もぴったりで答えた。
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