十九人が初出場で本選へ、第8回『AUN〜新呼吸〜』第一陣の熱戦レポート
第8回『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』の予選となる『AUN〜新呼吸~』第一陣が8月17日、新宿・角筈区民ホールにて開催された。第1回が開催されてから、はや4年。この大会は、通常の大喜利大会とは異なり、「コンビ大喜利王決定戦」。つまり、どちらかひとりがおもしろくてもダメ。まさに「阿吽の呼吸」で笑いを取らなくてはいけない熾烈な戦いだ。
「相当なお笑いフリークが選んでいる」今大会の出場コンビ
MCを務めるのは、前回第7回の予選に引き続き奥森皐月とストレッチーズ高木貫太。第8回目となる今回は、計2回の予選を行い、それぞれの予選会を勝ち上がった2組が本戦への出場権を勝ち取ることとなる。
冒頭で高木が「相当なお笑いフリークが選んでいる」と語るとおり、今回の出場コンビもお笑い好きにはたまらない個性豊かな面々。解散が決まってしまっているものの、10年後もAUNに出たいと語る4回目出場の都トム。前回予選決勝で惜しくも涙を飲んだ友田オレ&惹女香花。前回出場の記憶がないと豪語する3回目出場の人間横丁。そこに、シモリュウ、ユーのカー(エアコンぶんぶんお姉さん&栗原)、キャプテンバイソン、ナユタ、十九人のAUN予選初出場組が挑むかたちだ。
予選出場コンビの芸歴がほとんど自分より下になり、楽屋でなかなかしゃべれないというMCの高木だが、唯一の先輩コンビのシモリュウが楽屋で後輩を巻き込み大暴れしていたおかげで、だいぶ気持ちが楽になったという。
予選経験者コンビか、はたまた初出場コンビが本選への切符を手に入れるのか。熱戦の火蓋が切られる。
完全アウェイのシモリュウ
今回の予選は、計8組でA・Bグループ各4組に分かれて行われるトーナメント方式。Aグループは、都トム、シモリュウ、友田オレ&惹女香花、ユーのカーの4組。
各コンビの登場シーンでは、シモリュウ以外のすべてのコンビが被り物や衣装を変えて登場。センスあふれる後輩たちに敵対心を抱きつつ、コンビの強みは「声の大きさ」というシモリュウだけが生身の登場となり、冒頭トークで「老害おじさん」と称されたふたりが、早くもAUNの洗礼を浴びる。
第1対戦は「コンビ大喜利」。ひとつのお題にコンビふたりで回答していくという形式のこの「コンビ大喜利」。「人外横丁」として登場したユーのカーの回答を皮切りに、各コンビがそれぞれのカラーを色濃く出した回答でポイントを重ねる。都トムと友田オレ&惹女香花が9Pでトップに。経験者の実力を見せつけた。この時点でトップと6点差をつけられたシモリュウ前田龍二「今まで、ここから逆転したコンビっているの?」高木「大きい声では言えないが、いません」。
筆者的ベスト回答は、問「法律が終わった世界の『良い所』と『悪い所』」の、都トムの回答「(良い所)法律を守らなくていい。(悪い所)こたけ正義感さんが、ただの正義感が強いだけの人に」。
第2対戦は「しりとり大喜利」。「AUNに出るためにコンビを組んだと言っても過言ではない」と語ったユーのカーとシモリュウも懸命の追い上げを見せるが、都トムと友田オレ&惹女香花が16Pで同率トップに。シモリュウ8P、ユーのカー12Pで偶然にも全組4の倍数に。高木「ということで……、4の倍数〜!」シモリュウシモタ「4×8=32が、一番好きです」。
筆者的ベスト回答は、問「この番組で跳ねないとクビだと言われているアイドルの特技しりとり」のシモリュウの回答「ちょうえき3年減らし」「しずかに単一電池爆食い」。
最後は都トムと友田オレ&惹女香花が、60秒で1答ずつを回答し、観客の拍手の量で勝敗を決めるサドンデス「一答入魂大喜利」で勝敗を決することに。MC高木も思わず「おっもろ!」と唸る、友田オレ&惹女香花の会心の一答が大多数の観客の拍手を獲得し、納得の決勝進出を決めた。
「いつもよりかわいい」キャプテンバイソン高野
Bグループは、人間横丁、キャプテンバイソン、ナユタ、十九人の4組。
「パッと見て分かるとおり、Bブロックに吉本興業はいません!」という高木の言葉とおり、4組ともがそれぞれ工夫を凝らしての登場。ざわめきが収まらない会場の雰囲気が、嵐を予感させる。
第1対戦は「コンビ大喜利」。まっすぐに高々と手を上げた十九人の回答を皮切りに、それぞれのコンビがポイントを落とすことなく着実に回答を重ねていく。キャプテンバイソン高野の普段のキャラとは違う愛らしい回答に、序盤は若干会場がざわつくが徐々に皆が虜に。思わず人間横丁のふたりから「いつもよりかわいい〜」の声が飛ぶ。芸人界隈の時事を切った回答でポイントを獲得していったナユタと、失敗するのが怖くて今回は「ゼロ」の状態で来たという白Tシャツの人間横丁が8Pでトップに立った。
第2問、第3問目では、『東京フレンドパーク』の支配人に扮したナユタと、「ダンディ山田」と「内田ベタベータ」の人間横丁に扮した十九人が、怒涛の2P連発で形成逆転。
筆者的ベスト回答は、問「絶不調のクロちゃん。『〇〇ですよね?』『あぁん、ボク△△じゃない!』」のナユタの回答「トラベリングですよね」「ピボットのつもり」。
第2対戦は「一件落着大喜利」。不幸な出来事をその後のひと言でチャラにして、一件落着させる大喜利問題だ。Aブロックと比べ、どのコンビも全くポイントを落とさない高得点の戦いに、高木も「もしかしてAブロックより盛り上がってる?」と気づく。ナユタとの熾烈なトップ争いを制したのは、初出場の十九人。決勝戦に向けて、糖分を補給しようとした十九人ゆッちゃんwは、思わず「内田もう食べーた」に変身。前回の予選に引き続き決勝に駒を進めた強敵、友田オレ&惹女香花に挑むかたちとなった。
筆者的ベスト回答は、問「タトゥーショップで『おまかせ』と注文したのだが」の十九人の回答「尻に電子マネーのQRコードを掘られてしまい」「PayPayケツ済(ができるようになった)」。
怒涛のダジャレ対決となった決勝戦
本選への出場権を賭けた決勝戦は、友田オレ&惹女香花vs十九人。
決勝の対決は「2on2」。お題に対して個々で回答し、最終的にポイントの多かったコンビが勝者となるストロングスタイルの大喜利対決だ。制限時間は10分間。シンプルイズベスト。己の実力がはっきりとわかってしまう残酷な戦いが今始める。
文章・イラスト、さまざまな角度から攻める友田オレ&惹女香花に対し、十九人・松永勝忢は問「マジで使えないコンビニ」回答「うるさい」。大喜利ど真ん中、ド直球の回答で2Pを獲得。
第2問「恋をしている家電が言いそうなこと」では、惹女香花の家電量販店コジマのメロディに合わせた「恋、始まる」という秀逸すぎる回答で会場が揺れたことをきっかけに、怒涛のダジャレ合戦に。友田オレ&惹女香花のうますぎて思わず唸ってしまうような回答に対し、十九人の無理がありすぎるパワーダジャレ回答連発で完全にゾーンに入る。高木「十九人は、この世のすべての家電関係の言葉がなくなるまでやるつもりか⁉︎」。
筆者的ベスト回答は、問「恋をしている家電が言いそうなこと」の友田オレの回答「同じ山に捨てられよう」。
最終的に、1P差の大接戦を制したのは予選の勢いそのままに、最後まで自分たちの色を出し続けた十九人。「今まで、何かで優勝したことが一度もなかった」と語るふたりが、初出場からの本選出場。その瞬間は、ぜひアーカイブ配信で。
第8回『AUN〜新呼吸~』第二陣は、9月20日(金)に開催。もう1組の本選出場者は、どのコンビなのか。今から目が離せない。
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