【総力特集】四千頭身・静かな情熱、飾らないスタイル
飄々としていて、掴みどころがない。際立っておもしろい見た目ではないし、わかりやすいギャグもない。
四千頭身の特異な魅力を言葉にするのは難しい。
だからこそ、ひとりひとりにインタビューを行い、生の言葉を通じて、内に秘めた思いを探りたかった。
3人は高校を卒業した直後、養成所の同期として出会った。
おしゃべり好きのひねくれ者だった都築拓紀。
M-1に夢を抱いたサッカー部補欠の石橋遼大。
「SCANDALに会いたい」という理由で事務所のオーディションに応募した後藤拓実。
偶然のなりゆきで結成したトリオは、1年目から事務所ライブで周囲の芸人を圧倒し、あっという間にバラエティの階段を駆け上がっていく。
『四千頭身のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)が始まったのはコンビ結成からわずか2年の2018年。
3人はまだ22歳、お笑い芸人としてはオールナイトニッポン史上最年少のパーソナリティだった。
並み居る先輩芸人たちから飛んでくるボールを必死に打ち返し、時には親子ほど歳の離れた大御所と火花を散らしながら、彼らは今も戦っている。
苦労を味わっていない、野心が足りない、“お笑い芸人”らしくない……。
そんなステレオタイプな批判を跳ね返すように、三者三様の戦い方で居場所を築いていった。
「スベってもいい」と開き直ること。
コンプレックスを武器に変えること。
自然体の自分たちが求められている場所を探すこと。
静かな情熱と飾らないスタイルで、彼らはお笑い芸人のニュー・スタンダードを築いていく。
(文=山本大樹/写真=青山裕企/編集=田島太陽)
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