写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
絵を描く時間
第66回。
近頃、絵を描いています。
日々の心の揺れや動き、色彩をカタチにするために。
パレットを買い忘れたのでスーツケースの上に色を並べ、ああだこうだと呟きながら自身の内側を吐き出す装置を開発してます。
筆を持つとどこか仰々しさを感じてしまって心が萎(しぼ)むため、子供のころから触ると落ち着いたボロタオルを利用して描いてます。
もはや描くというより染み込ませるというか。
やはり自分には直感的なものが性に合っているのだと最近気づきました。
レコードに針を落とし、ベランダ越しの木々に合わせカラダを揺らす。
爪弾くようにギターを触り、忘れるように歌を歌い、飾った花の匂いを嗅いで、布につけた色で心模様を描く。
ありのままの自分を頭の先から爪の先まで使い切るつもりで。
まあ、ただのアナログ人間ということです。
中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ、長野凌大(原因は自分にある。)、東啓介、森田美勇人、南條愛乃が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。