「ゴイゴイスー」な『27時間テレビ』をざっくり振り返る。有吉「いつチャンネルつけても、ほいけんたが出てる(笑)」(FNS27時間テレビ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『FNS27時間テレビ』(7月22日~7月23日放送)

「オープニング」

『PRIDE』的なOPから秋山扮する唐沢佐吉プロデューサーが登場。ノブは「フジテレビ、もうちょっと落ち着こう!」「社屋全体がかかってる!」と笑う。港社長もスタジオに。

「FNSスゴ技鬼レンチャン」

最初の逆立ち弓矢がキレイに失敗をする最高のスタート。「これが醍醐味じゃん! これが生じゃん!」と唐沢P。各局で成功か失敗かわからない謎の挑戦が繰り広げられ、最後は津田のけん玉で締め。見事に成功。このハチャメチャな感じがいかにもフジテレビの『27時間』という感じでいい。そしてMC陣全員で「ゴイゴイスー!」。

「鬼レンチャン サビだけカラオケ・タッグモード大会」

トップバッターの華原朋美&丘みどりから、華原のぶっ飛んだハイテンションで異常な空間に。TKの曲を多めに歌いながら成功していき「小室さーん、大好きだよ〜!」などと叫ぶ華原。丘を巻き込みおかしなダンス。狂ってる。ノブ「フジテレビもう一回、ちゃんと検査しよう(笑)」。それでも最初からいきなりまさかの鬼レンチャン達成。

秋山も「アジア・スターのペリー・キー」として特別参戦。選択肢がすべてペリー・キーの曲。

そして“主役”のほいけんたは、ほい(松浦)航大との「ほい一門」として登場。「HIGH PRESSURE」の「カラダぐぅ」は千鳥・かまいたちのツッコミによって生まれた偶然性の高いものだから狙って新しいものはできないだろうと思っていたら「君は薔薇より美しい」の「変わった~♪」を「くるっくぅ~♪」と歌う荒業。見事、高くなり過ぎたハードルを超えてきた。山内「上半期『カラダぐぅ』、下半期『くるっくぅ』で行こうとしてる!(笑)」。

チーム戦で負けたかまいたちは、ピンクレオタードで踊ることに。大悟「30分ぐらいあったよな、今?(笑)」。

「チームDEファイト」

55歳(もうすぐ56歳)の東野が最年少という「ほぼごっつ」チームと対戦。このメンバーだと「政治の話ばっかりもうええねん!」とユースケが果敢に言い放ったように、ほんこんがイジられ役になるのがおもしろい。今田「言うてくれてありがとうな(笑)」。

「あっち向いてバズーカ」では松本vs大悟が実現。その前の2組の対戦がすぐ終わってしまったことから、その場で大悟はルール変更を申し出、盛り上げていく。その結果、大悟が1発バズーカ砲を食らったあと、松本が下を向いて負けるもバズーカは上から放たれ誤爆という最高のハプニングが発生。松本「どういうことやねん!」。

このあとも終始、臨機応変に仕切る大悟とプレイヤーとしての松本のすごみを何度となく見せつけていた。コーナーの最後もプレイヤー・松本が美しいオチをつけていた。一方、板尾は終始無言を貫き、最初にちゃんとマイクを通して発したひと言は「大丈夫や!」。これぞ板尾創路。

NHKとのコラボもハチャメチャに。粉まみれのまま運ばれるMC濱家。フジテレビのスタジオから放送された『Venue101』でもユースケの半ケツが一瞬映る。

「ラブメイト10」

さんま・岡村・今田の往年のトーク。岡村はテレビで初めて結婚指輪をつけて出演。そのトークの合間に火薬田ドンのVTR。弟子として登場したのは「火薬田小ドン」こと劇団ひとり。これはひとりのこれまでのキャリアを考えたら本当に感慨深い。その喜びを最大限表すように体を張るひとり。水車でプールに何度となく沈められ、ついにひとり「たけしさん、ホントに……」。

「真夜中のお笑いレンチャン」

川島の進行で千鳥軍vsかまいたち軍の対戦。「マジック一本グランプリ」でのチョコプラ松尾の「おもしろ顔」が異常におもしろい。そして時間が経つほどに可笑しくなるアキナ山名。このふたりの相撲対決で、土俵から落ちたあとの彼らの表情が絶品。川島「プライベートビーチか!」。

大悟vs山内のリーダー対決を経て、川島を対決に引っ張り出す大悟。ここでも大悟は生放送の醍醐味を存分に活かす。「おらぁーーっ!」と力強く『ラヴィット!』ポーズをする川島。

「めざましテレビ」

朝のニュースだからここは飛ばせると思ったら、いい意味で予想を裏切られた。千鳥、かまいたち、ダイアンのルーツとこれまでの軌跡をVTRで紹介。笑い飯やNON STYLEはもちろん、たこしげのマスター、ソラシドなどまでがコメントを寄せる濃密なもの。ヘッドライト町田が所有する千鳥がデビュー前に出演したライブ『魚群』(2000年6月9日)の映像まで流れ、見どころ盛りだくさん。ノブ「『めざましテレビ』って探偵雇ってる?(笑)」。

「イタズラジャーニー」

渋谷凪咲の進行のもと、巨大な球が転がってきたり、千鳥、かまいたち、チョコプラへいつものイタズラ。「みんなこの番組、嫌いなんやろ?」と大悟が言うと長田「唯一終わってほしい番組(笑)」。

囚われの津田は母の前で辱めを受けつづける。そんななか、最後に尺が余ったため、大悟を中心に即席でやった津田への“イタズラ”が一番おもしろかった。目の前にお母さんがいたら優しい言葉かキツい言葉を言うかを予想。津田は「長生きしてな」とひと言。まさかのハートフル展開。

「FNS逃走中」

JP、高岸らが早々に確保されるなか、途中からチーム戦へ。千鳥軍かかまいたち軍か、それぞれ自分で選ぶ。平子がかまいたち軍を選ぶと「平子さんをイジっていい雰囲気に最初にしたの、わしらやで」と嘆く大悟。「けっこうショックやわ。『27時間テレビ』の深夜のほうには呼びませんから」と告げる。

これが影響したかどうかは不明だけど、ホントに深夜パートにいなかった平子。しかも大悟との電話を切ったあとすぐに確保されてしまう。大悟はミッションを受けての津田の「チーム替え」や濱家の「密告」にも、ちゃんと傷つく友情に厚い側面が出ていて興味深かった。その大悟はサングラスをかけてハンターのマネをしてちょけているときに見つかって確保されてしまう。

山内はリーダーでありながら残り35分、賞金62万で自首。濱家「あいつアホちゃうか」盛山「サイコパスやん」ノブ「あいつスゴいな」大悟「逆にさすがやな」。

最後まで逃げ切ったのはノブと槙野。ノブ「東京で初めてなんか獲った。それがまさかの『逃走中』!」。

「FNS鬼レンチャン歌謡祭」

ここでもほいけんたが“主役”。まずT.M.Revolutionと「HIGH PRESSURE」を歌う。西川も「カラダぐぅ」と歌うサービス。さらにモー娘。、AKB、ももクロともコラボ。ももクロとは「怪盗少女」を一緒に歌い、まさかの「エビ反り」も担当するほい。

ギャロップ林が「浅草キッド」を、せいやが「真夏の果実」、RGはマルシアと組んで「Story」を、と芸人がものまねなしでシンプルに歌うのが無性に可笑しかった。「マツケンサンバ」のダンサーには岸大介も参加。岸はマツケンを「健ちゃん」呼びするも、いまいち“設定”が伝わってなかったのか、噛み合わずピリッとなるやりとり。岸「健ちゃん、困ってる?(笑)」。

「ナゾトレ川柳」

鬼レンチャン軍団の助っ人に佐藤健。「健をブッキングできたことで、僕の『27時間テレビ』は終わってる」とノブ。同じく助っ人として出演した宇治原が終始雑な扱いをされているのが可笑しかった。

「有吉ダマせたら10万円」

コーナーオープニングで有吉は「いつチャンネルつけても、ほいけんたが出てる(笑)」と番組のこれまでを振り返る。

さすがの洞察力でほとんどの問題を当てていく有吉。恒例の「相田みつを」問題では、ユースケや濱家が作った言葉を「みつをっぽいだけで中身がゼロっていうか。相当能力が低いやつが書いた」「なんにも言ってない」「中身がまったくない。幼稚。子供騙し。ばかばかしい」「便所の落書きじゃないんだから」など矢継ぎ早に切れ味鋭く酷評。見事だった。

あと、山内の妻が電話で言った「段取り悪いのに、いい振りをする」という山内評が実感がこもっていておもしろかった。

「ドッキリ生GP」

東野はコーナーオープニングで『ドッキリGP』に出なくなった山内に対し「フェードアウトしやがって……なんやねん『イタズラジャーニー』って」とグチり、「あ、思い出した千鳥」と矛先を変えると「『クセがスゴいGP』ってあれ『あらびき団』やろ!」と言い放つ。大悟「全然違う! 俺らメイクしてないから(笑)」。


途中、疲れ過ぎて濱家としたことないグータッチを無意識でしてしまうノブ。

「400m走生サバイバル」

飄々としつつアスリート然とした石橋が終始おもしろかった。「足がつらないポテサラ」を食べたあとにあえなく敗れ、石橋「ポテサラで喉が乾いちゃいました(笑)」。

ワイナイナが早々に脱落したり王者・大久保が故障で離脱したり波乱がつづくなか、森脇はなんだかんだで決勝まで残る奮闘っぷり。鳥谷vs駒野の野球・サッカー対決が注目されるなか、優勝を勝ち取ったのは、おばたのお兄さん。単純にスゴい。

「サザエさん」

司会陣に加えて、ここでもほいけんたが声優に挑戦。

「大縄レンチャン」

これまで51回が最高記録だったのに、50回超えの記録が連発する白熱の展開。そんななか、やはり「ふくらはぎが弾けました」と和田まんじゅうが飛べなくなり、全員でまんじゅうを抱えながら飛ぶ流れへ。バカ過ぎる光景に腹爆発。

「耐久フィナーレ漫才」

千鳥・かまいたち・ダイアンの3組が1時間リレーで漫才。持ちネタをベースにしつつ、『27時間』で起きた出来事を入れ込んでいく。特に千鳥はどんどんエピソードを入れていき圧巻。疲労困憊の中、漫才をする姿はカッコよかった。

「グランドフィナーレ」

最後は冒頭からたびたび登場し、ほいけんたと共にキーパーソンになっていた津田母が歌う「時代」。そこに3組のbaseよしもと時代など若き日の写真が流れるのはやはり感動してしまう。津田や大悟も涙目。その表情に胸がいっぱいになる。そして津田にけん玉を振る大悟。さすが。最後はオープニング同様みんなで「ゴイゴイスー!」で締め。

この3組がやるっていう物語性もありつつ、その期待を裏切らない真正面からのいつものお笑いを貫いていた。27時間、常に何かしら観どころがあり、ずっとおもしろい充実の時間だった。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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