有吉「人生でやってきたことの中で一番ムズい」激しい水流に顔を歪める

有吉弘行

文=てれびのスキマ イラスト=おさく 編集=梅山織愛


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『有吉クイズ』(6月27日放送)

「ひとりキャンプ」で以前大失態を見せてしまった有吉は、「とにかく自分よりできない人を」と出川を指名。その出川へのみならず、共に挑戦した速水もこみちや判定・お手本役の小山慶一郎にまで口汚くなった有吉は、隣に座っている中村倫也に「ガラ悪いな、この席」と言われる始末。そんな「ひとりキャンプGP」もおもしろかったが、今回はなんといっても、「有吉とメシ」。

「おいしいうな重をイチから作りたい」と天然ウナギを釣るところから始めると言い出す有吉。川が段になって小さな滝になっている部分にある穴に竿を入れる穴釣りを行う。まずそこに辿り着くまでが意外に深いため服はびしょびしょ。覚悟を決めた有吉は顔をしかめながら激流の中へ。スタジオで見ているせいやは「コロッケさんの顔」とツッコむ。

上流の激しい水しぶきに苦悶の表情を浮かべる有吉。なんとか穴に竿を入れることには成功するも水流がすご過ぎて立っているだけで精いっぱい。有吉「人生でやってきたことの中で一番ムズい」。

この番組ではこれまで誰よりも変態的に体を張ってきたが、その極地のようなロケ。滝の奥に空間があり、そこに顔を入れるといいというが、そのスポットが細過ぎてほとんど意味がない。何度も挑戦するが水圧でフラフラ。有吉「体がもたないかも……」。

激しい水流に顔を歪める有吉vs滝の画は、『アメトーーク!』の「アンガールズ田中vs巨大扇風機」に匹敵するおもしろさだった。

結局、流れの穏やかな下流へ移動し、パイプの穴に竿を入れる方法へ。上流のそれとはまったく種類の違う地味な作業。同じウナギ釣りとは思えない。有吉「こっちのほうが楽しいですね(笑)」。

これまで芸能人が何人も挑戦したが、成功したのは3日かけて釣ったスギちゃんだけだという。しかし、さすが有吉。数時間で見事釣り上げる。有吉「小っちゃ!(笑)」。

それを自らさばき、蒲焼きに。自分でかまどで炊いたご飯に乗せて、うな重に。ご飯の量に比べウナギが小さ過ぎるものの見た目はおいしそう。が、食べた感想は「めっちゃまぁまぁ(笑)」。泥臭さが残ってしまっているそうで、一緒に焼いたつきたての餅のおいしさで「完全にウナギが消えました(笑)」と有吉。あれだけ体を張った結果、そうなってしまうのがおもしろい。

『ジロジロ有吉』(6月24日放送)

『有吉ジャポン』時代から取り上げていた、10周年を迎えた「フェチフェス」に潜入。いわゆる「変態」と呼ばれるような趣味嗜好を持った人たちが集まるイベントだが、有吉もゲストの小峠も「すげえ」「わかるわあ」「やりたい人がやっている」など理解があり肯定的に見ているので、“変な人たち”扱いされずに心地いい。有吉「こうしちゃいられないな!」小峠「ホント、見てる場合じゃないですよ!」。

そんななかでひとり共感できず、困惑した表情をするみちょぱに「ノーマルな人生ってどっかでつまずくよ」と諭す有吉。みちょぱが「えー、全然1個も『あー!』っていうのがなかった」と返すと、有吉「それは向き合ってないんだよ。逃げてるだけ」。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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