『THE SECOND』と同じくマシンガンズの人間臭さ全開で「西堀の回」になっていた『あちこちオードリー』

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』(6月7日放送)

「頑張っている中堅おじさん芸人」としてマシンガンズ、とにかく明るい安村、ラバーガールとオードリーの「同期感のある」の3組がゲスト。ちなみに番組は、『THE SECOND』決勝の前にマシンガンズにはオファーしていたそう。

「すっごいエリートなんですよ。全然伝わってない」という「お笑い界のベジータ」こと安村や、テレビでは「こんなに内面しゃべんなきゃなんないの?」と驚いたというラバーガールももちろんおもしろかったけど、やはり今回はオードリーとの関係性も深いマシンガンズが躍動。『THE SECOND』を「西堀の大会」と本人が呼んだのと同様、『あちこちオードリー』のこの回も「西堀の回」だった。

「(相方・滝沢の)ゴミが成功し出したあたりから腐りが加速」という西堀が、「何か目標がないとやることない」と振り返りつつ「それは普段がんばってる人間ね」「あんまり責めないでくれよ! 俺だって悔いがないわけじゃないんだよ! 時間は戻らないんだって! 皆さん、悔いなく生きてください!」など人間臭さ全開で話すのがたまらなく魅力的だった。

最後に、「若林さんにどうしても言いたいことがある」と口を開いた安村。ブレイク直後、番組(おそらく2015年の『ドリラジ』)でオードリーの前で新ネタを披露した際、「ネタをやってるときは何を考えてたの?」と聞かれ、「すっごい嫌なこと言ってくるな。すっごい嫌な人」だと思ったという。

往々にして、言われて傷ついたほうは覚えているが言ったほうは覚えていないことが多いが、若林は「スゴい覚えている」と。「大きな失敗のひとつ」だと振り返る。きっとMCとして模索していた時期、自責の念で自らも傷を負っていたのだろう。

「あとから『ごめんね』っていうのは卑怯だと思うから、俺はずっと嫌われるしかない」というひと言に苦悩の深さがうかがい知れる。それを聞いて、長年のわだかまりが解けたような安村の表情が印象的だった。

『有吉の壁』(6月7日放送)

「バズりそうなアーティスト選手権」。いちごだいふくの被り物をした蛙亭イワクラは、中野、空気階段もぐら、ネルソンズ和田まんじゅうを率いた「いちごだいふくとおちゃめトリオ」。めちゃくちゃかわいらしい。が、歌声はメロメロ。有吉「誰ひとりキーが合ってないだろ!(笑)」。

【恋】いちごだいふくとおちゃめトリオ/おちゃがし☆チャチャチャ【有吉の壁】

そして、とにかく明るい安村はまたも名作を誕生させる。カーネーション梅津に扮し「恋の心」を歌うのだが、コーラスが途中からまったく違う歌詞を歌い、やがてコーラスのほうがメインかのようになっていく。有吉「これはいいですねえ。ほら、(安村が)満足げ(笑)」。

【コーラス大渋滞】カーネーション梅津/恋の心【有吉の壁】【TONIKAKU】

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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