ランジャタイ国崎が“なりたくなかった芸能人”像を絶唱「心の水準は変えるな」(ランジャタイのがんばれ地上波!)

ランジャタイ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『ランジャタイのがんばれ地上波!』(5月16日放送)

「2代目MOROHA選手権」のつづき。

「お題からポエムを紡げ」という対決で、ヤマゲンが引いたお題は「芸人」「東京」「金」という、ヤマゲンにとってはうってつけのワード。それらを即興で組み合わせつつ、「地獄の歌は歌わない」などとエモーショナルなラップを披露。

曲が終わると思わず「すごいよ! 君はすごい!」と抱きつく国崎。酒井も「泣きそうになったよ」と泣き顔で言う。そして「……なにこれ?」とUK。一瞬の絶句がそのスゴさを物語っていた。

アフロも「この場所にどうか、テレビの権限を持つ偉い人がいてくれと思いながら聴いてました」と絶賛しつつ「ちょっと悔しい」。

つづいて「汚れなきメガネ!」と相方のことを歌った酒井もよかったが、白眉だったのが国崎。「ふるさと」「東京」「友達」というお題を引いた国崎は、「東京に来て16年が経ちました」と静かに紡ぎ始める。

ロケで地元に帰ったとき、スタッフにランチに連れて行ってもらったことを回想。その店は夜に行くと5万円のカニが出ると聞いて「記憶がフラッシュバックした」と話が展開していく。

友達に以前その店のことを聞き、「国ちゃん、いいかい、芸能人になるのはいい。しかし生活水準は変えるな、心の水準は変えるな」「国ちゃんはそういう芸能人ではなく、普通の今の国ちゃんのままであれ」と言われた、と。

そして再びその店に行った時点に時間が戻り、会計のシーン。「1匹5万円と写る芸能人」と言って、少し溜めたあと「千鳥ノブー!」と絶唱。

即興とは思えない物語の構成力と描写力、そして絶妙過ぎるオチ。最高だった。

歌い終わったあと、「なりたくなかった芸能人、ノブさん」と誤解を招きそうなことをあえて言って笑う国崎。試しに「ノブ カニ」と画像検索してみると、YouTubeの企画で佐藤健と富山(※国崎の地元)旅でカニを食べている姿が。

奇しくもこの放送の翌日、『佐藤健&千鳥ノブよ! この謎を解いてみろ!』が放送されているという、奇跡のような巡り合わせもおもしろかった。

『あちこちオードリー』(5月17日放送)

土田晃之、高橋ひかる、狩野英孝を迎えて「自作自演占い」。

高橋が「仕事で一番大事なのは、現場の盛り上がりか? オンエアで使われることか? それとも視聴者によく見られることなのか? 結局どの“大事”を取ればいいのか」と悩んでいると“占われる”と、狩野は「僕はいつからかMCを笑わせたいってなってる」と語る。

「だから上の人たちも英孝ちゃんに対する信頼感が強い」と上田が言うと、狩野は「世間から好感度が下がろうがなんだろうが、MCが笑ってくれればOK。決めたんで!」と自分に言い聞かせるように繰り返す。

その後、「未だにメンタルが弱くエゴサーチできない」という話に。狩野は「テレビのオンエアもリアルタイムで観られない」という。

「(リアルタイムで観ると)この時間、俺を叩いているやつがいるって思っちゃう」から、みんなが忘れたころの「10日くらい経ってから観る」と、土田も「そんな人見たことない」と驚く不思議な心理を吐露する。

狩野は『有吉の壁』初出演のときのオンエアもまだ観られていないという。“悪性のスベり”をした部分がオンエアされたらしく、怖くて観られないのだと。

「でも有吉さんは喜んでくれた?」と聞かれると、それも怖くて見られなかったと答える狩野。若林「見ろよ! MCを気にして仕事してんだから! 一番ネット気にしてんじゃん(笑)」。

そんな狩野を評し、「人間だなあ」と呟く若林。本当に「ザ・人間」な狩野のかわいげが爆発していた。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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