バカリズムが「2位か3位くらいがいい」と挑んだ『R-1』の戦略(TOKIOカケル)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『TOKIOカケル』(4月19日放送)

ゲストはバカリズム。NSCよりもライバルの少ない日本映画学校を選び、早くから才能を示そうとした、など若いころから戦略性に満ちた選択をしていたことで知られる。そんな彼は、『R-1』でも戦略的だった。コンビ解散直後だったため、なんとしても決勝に出るという決意で出場したが、「(今)審査員してる立場でこういうこと言っちゃいけないんですけど」と前置きした上で、「優勝しないほうがいいと思ってた」と明かす。「2位か3位くらいがいい」と。

その理由が実にバカリズムらしい。「優勝するといろんな番組に呼ばれるんですけど、それは優勝したから呼ばれる。2〜3位の人が呼ばれるときってスタッフさんが好きだから呼んでくれる。そうすると向いてる仕事が来やすい」と。

そんなバカリズムは、イメージ的にはマニアックな映画なども好んで観そうだが、そうではなく大ヒット作しか観ないという。「ひねくれたものってだいたいおもしろくないから。マニアックなものを観て俺は好きなんだよねえって言うのは、その人たちが言いたいだけじゃないですか(笑)」。

「デビューしたころの自分に言ってあげたい言葉は?」と聞かれ「そんだけ生意気にやっててもどうせ心折られるんだから今のうちに素直になっときな。ツッパったってムダだから! 結局折れるんだから。あとあとニコニコするんだから。だったら早めにニコニコしときな」とささやくバカリズム。おもしろいと思っている同世代の芸人にも笑わなかった当時を振り返り「ダサいよー(笑)」。

『ゴッドタン』(4月22日放送)

「みなみかわの相談相手オーディション」後編。相談相手候補者は、『ゴッドタン』初登場のおいでやす小田。オーディションされる立場に納得いかず「……何様?」と不満げな小田に、みなみかわは「イジられる存在になりたい。どうやったらそうなれるのか?」と相談。

が、相談する立場なのに小田に対し「安牌なイジられ方」「一番手前の笑い」「存在として軽い」などと評していく。さらに小田の大声ツッコミを「ラッパ」と形容し「どこにも刺さらない」と切り捨てる。「哀しいラッパ吹き」とまで呼ばれる小田の困惑した表情が最高だった。最悪最強な攻めと最高の受け身でまたもスイングしていた。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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