森田美勇人「東京DRIVE」【QJWebカメラ部】

森田美勇人【QJWebカメラ部】

文・撮影=森田美勇⼈


写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。

土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。

“譲る”という行為

森田美勇人【QJWebカメラ部】
写真=森田美勇人

第48回。

場を譲る。東京で生きていく上でなかなかできない選択のひとつ。

無数の相手への焦燥感に追われ、競争心を煽られ消費する毎日。そんな入れ替わりの激しいこの都市で進むためには、常に我が先への意識が要求される。そんな切迫感ある日々の中で“譲る”という行為をどれだけできただろうか。

素早くて当たり前。

冷たくて当たり前。

蹴落として当たり前。

ある種、弱肉強食の動物的かつ超人工的な環境になんとかなじみながらも、競争が苦手なために少々疲れてきた。笑

同じスピードで走り、追い越せるよう努めてはきたが、そろそろ自分の弱気な性に素直になり、いよいよ場を譲ったのがここ数年。

譲った動機はただの自分勝手だった。でも譲った相手が生き生きとしてその場を輝くことには妬みよりも発見のほうが多かった。

この人こんな走りなんだ。

この人こんな背中なんだ。

あ、おれで詰まってたんだ。

最初は自分勝手に譲った選択が他人のチャンスにつながったことが意外にも大きな発見になり、改めて自分がアクセルを踏み込むべきタイミングなんかも掴めてきた。

素直にうしろにつく時間の大切さを知った。

譲るのが正義ではなく譲れるのが技術。自分自身のブレーキングは度量なのだと最近感じます。

20年後にはいい流れを作るドライバーになりたいです。

中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。

『森田美勇人フォト&エッセイ「日常」』

発売日:2023年5月25日(木)
予約開始日:4月3日(月)16時
予価:3,200円(税別/送料別)
仕様:B5判/48ページ
販売ページ:QJWebショップ(https://qjweb.myshopify.com/products/morita
発行:太田出版
※発売日や仕様などは変更の可能性があります

森田美勇人

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森田美勇⼈

(もりた・みゅうと)1995年10⽉31⽇⽣まれ、アーティスト/モデルとして活動。多数のブランドでビジュアルモデルを務め「Ground Y」では「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表した。2021年11⽉、⾃⾝の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND..

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