森田美勇人「僕という職業」【QJWebカメラ部】

森田美勇人【QJWebカメラ部】

文・撮影=森田美勇⼈


写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。

土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。

おしゃれをする日

森田美勇人【QJWebカメラ部】
写真=森田美勇人

第47回。

いわゆる時間の余裕を感じる日とは。

おしゃれをすることに時間をかけ、目的を持たずに街を歩き、普段行かない噂のカフェで知らない名前のコーヒーを頼んでみる。そんなところでしょうか。

普段、ステージという本番へ向けての身体作りを習慣としている僕にとって、休日は常に本番前の気分。

基本はボサボサの髪に動きやすいスウェットかスポーツウェアで過ごし、ただひたすらにフォームを確認しながら街を歩き回る、そんな日々です。

そのため休日と感じられる日が訪れるのは、ツアーなどが完遂した次の週のオフくらい。その日は前日の興奮も冷めやらず、躍る心が痛く固まった身体を追い越しておしゃれをしたがります。

そして特に目的はないが“張り切りおしゃれ亡霊”が街に突然現れ、冒頭に書いた、いわゆる「時間に余裕のある一日」を遂行するわけです。

でもね、そんな好奇心は家を出る前までで結局は無目的に街を漂ったところで心は特に燃えないんですね。何か目的や目標があるからこそ時間を燃やすように感じられる。

だからこそ、このQJWebカメラ部に出会えたことを本当に感謝しています。

僕にとっては時間の余裕が幸せなのではなく、夢のために汗水流せる時間があることが幸せなのでしょう。そう考えると一年の中でお洒落をしてみている時間はほんの数日でした。

これが僕という職業の実態です。

QJWebカメラ部

中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。

『森田美勇人フォト&エッセイ「日常」』

発売日:2023年5月25日(木)
予約開始日:4月3日(月)16時
予価:3,200円(税別/送料別)
仕様:B5判/48ページ
販売ページ:QJWebショップ(https://qjweb.myshopify.com/products/morita
発行:太田出版
※発売日や仕様などは変更の可能性があります

森田美勇人

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森田美勇⼈

(もりた・みゅうと)1995年10⽉31⽇⽣まれ、アーティスト/モデルとして活動。多数のブランドでビジュアルモデルを務め「Ground Y」ではGround Y x Myuto Morita Collectionを発表した。2021年11⽉、⾃⾝の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」を..

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