写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
月曜日は、加賀翔(かが屋)が担当。コント師として知られる一方で、芸人仲間などを撮影した写真の腕前にも定評があり、インスタグラムのフォロワーは10万人以上を誇る。そんな彼が、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
見てきたものの影響

第72回。単独ライブの準備期間によく散歩をするのですが、その合間で見た引き裂かれたふたりみたいなスズメ。
最初見たときは出られるのか大丈夫かと心配したのですが、出入りできる穴が元から空いていて、自由に網の中に入ったり出たりしていました。ただ、写真を見るとフェンス越しのように感じるというか、叶わない恋だったり、囚われた仲間だったり何かの力で引き裂かれているような印象を受けます。
こういうとき、自分の記憶の中の何かに当てはめて物事を見ているので、どこかでそういう映像なりマンガなりを見たからなのかと思うと不思議。似た何かを見た人でなければ同じようには感じないかもしれないし、そもそもは写真を撮ったことで感情移入して特別に見ようとしている可能性もあります。
そう思うとお笑い芸人がめちゃくちゃウケるときはもっと不思議。100人のお客さんが劇場に集まっているとして、一人ひとり見てきたものや感じ方が違うはずなのに、本当にみんな笑っているという状況に遭遇することがあります。あの光景は本当にすごいし憧れますね。
もう少しで単独ライブがあるので自分もそういうライブにしたいと考えているのですが、そのために書いているものを見るとこれはどっちだろうと笑ってしまいます。もし見てきたものが近かったり興味のあるものが近かったらすごく観てもらいたいし、全然違うのに笑ってもらえたらうれしいです。初日の大阪まであと18日!

加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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