ウエストランド河本の“バラエティのセオリーを無視する”魔性の言動に、淳「お前の正直さ、怖いよ(笑)」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『ロンドンハーツ』

「『M-1』終わって3カ月 ファイナリスト中間報告」後編。

ウエストランドには、パーパーあいなぷぅから、「ラブマゲドン」でも指名してきた井口がプライベートでもガチで誘ってくるという情報提供。

「仲がいいから」と弁解する井口に、MC陣は「好きなら好きでいい」「ちょっとおちんちん見せてみたいなとかないの?」とはやし立てながら、彼の恋心を探っていく。

しかし、相方の河本は見解を聞かれ「たぶん女性としては見てない。お笑いでやってる」とガチで回答。盛り上がりそうだったスタジオは「あ、そうなんだ……」と一気にトーンダウン。

ガチなのかそうでないのか曖昧な状態が一番おもしろく、あいなぷぅもそれをわかっていてあえて言ってくれているにもかかわらず、それを台なしにするひと言。「次行こうよ」と笑う有吉。

「井口はそれを一番言われたくなかったと思う。嫌な答え合わせ」と淳に言われてもなお薄ら笑いを浮かべる河本に、井口「よけいなことしてくれたな!(笑)」。

次のロングコートダディ兎も「『M-1』直前に、好きな子に会いに行くため日帰りで沖縄に行っていた」という情報提供に対し、兎が「『M-1』の3日後」と訂正して「本当のことなんか言うなよ!」(井口)という流れになっていったのがおもしろかった。

スパローズ大和からは、河本が「井口にいつ切られるか心配」「ギャラ折半をやめられそうで怖い」と漏らしていたと情報提供。しかし、河本は「(井口は)裏では一回も怒ったことがない」「責任感があるから絶対、僕を切ることはない」と語る。

酔っ払ってギャグのように言ったことと、芸人仲間が盛り上がると思って投げてくれたエピソードに対し、「本当のこと」を言って話を終わらせてしまう。まったくバラエティのセオリーを無視した魔性の言動が新鮮で可笑しい。淳「お前の正直さ、怖いよ(笑)」。

『この卒業文集、誰が書いたの!?』

タイトルどおりの企画。「飛び込む瞬間(とき)」という中学の卒業文集を取り上げる。「瞬間」には「とき」とルビが振ってある。

「3年間で自分が一番輝いた瞬間は?」という問いかけから始まり、「そんなことが自分にあっただろうか。各行事で活躍したことはないし、生徒会役員になったこともない」と振り返り、「この作文を読んでいる君もそう思うだろう?」と“読者”に呼びかける。

さらに「勉強は? 特によくなかった。行事での活躍は? 消極的だった」と自問自答し、「部活は? 部活!? 部活があった。私には部活があったのだ」と、賞をもらうこともあったという水泳部でのエピソードに展開する。

意地悪な見方をすれば、マスを埋めるための引き伸ばし、良く見れば工夫に満ちたその文章を書いたのは、春日俊彰。ラジオでのフリートークでも「家を出るまでの話が長い」とよく言われているが、その片鱗が窺えなくもない。

それを今改めて読んで、春日は「生意気だなと思いましたね。こっちに語りかけてきたりとか、ルビ振ったり」と笑う。

春日は学生時代の自分に「大丈夫。こうなるから大丈夫」と呼びかける。「なぜなら、お前のうしろの席には若林くんが座ってる」「若林さんの言うことを聞いとけば大丈夫!」。

矢口真里は「愉快な5人のすばらしい音楽会」と題して小説のような書き方をしていたり、「豊二中君へ──君との思い出」と、中学校を擬人化した気恥ずかしい文章を書いている人もいたり、それぞれに“らしさ”と意外な面が両方あって、とてもおもしろい企画だった。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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