女子高生・奥森皐月、伊集院光を「好きと言ってよかった」。『JUNK』20周年企画の多幸感
放送開始20年を迎えた、TBSラジオ『JUNK』。小学生のころからリスナーであり、『JUNK20周年記念鼎談』Podcastにも出演した18歳・奥森皐月が、番組への愛を語り尽くす。
目次
奥森皐月、まさかの『JUNK』20周年企画に出演!
TBSラジオ『JUNK』が放送開始20年を迎え、昨年末から続々と20周年記念の特別企画が解禁された。
グッズ発売からイベント開催、さらに特別番組の放送など、リスナーにはたまらない企画が目白押し。私もひとりの『JUNK』リスナーとしてそれぞれを楽しみにしていた。
ところが年の瀬のある日、『JUNK20周年記念鼎談』Podcastのオファーをいただいた。20周年を記念して、リスナーが番組やパーソナリティの魅力を語り合うというもの。中でも『伊集院光 深夜の馬鹿力』『爆笑問題カーボーイ』のふたつの番組についてだ。
まさかこの『JUNK』20周年に自分が関わるとは思いもしなかったので、大変驚いた。しかも鼎談の相手は、ハライチの岩井勇気さんとXXCLUBの大島育宙さんという、どちらもパーソナリティと関係の深いおふたり。
岩井さんと大島さんほどではないが、私は間違いなく『馬鹿力』と『カーボーイ』に大きな影響を受けているので、時間が経つにつれ驚きが徐々に喜びに変わり、光栄だなぁと幸福感を噛み締めた。
20周年といえど私は現在18歳なので、『JUNK』が始まったころには生まれてすらいない。リスナー歴はおろか人生歴もペーペー。『(山里亮太の)不毛な議論』が始まったころですらまだ小学校にも上がっていなかった、ハイパー若輩者である。
世の中には『JUNK』になる前からの『カーボーイ』リスナーやニッポン放送時代からの伊集院光さんのリスナーもいるとはもちろんわかっているため、恐れ多いとは思いつつも『鼎談』のPodcastに臨んだ。
「好き」と言ってよかった!伊集院光に届いた想い
芸能活動をしていることと、テレビやラジオのファンであることは案外共存する。仕事で何度も訪れているはずなのに、いまだにTBSに行けるのはうれしいし、TBSラジオのフロアに入ると、席替えで好きな子が隣になったときくらいときめく。
ただ、いざ収録が始まればその感情は消え去り、仕事をしているという意識だけになる。話すことには慣れているので、別に緊張もしない。あまり人と共有できない複雑な心境だ。
『鼎談』はとても楽しかった。大島さんは学生時代から、岩井さんは自分がラジオをやることになってから、私は小学生のころからと、それぞれきっかけもリスナー歴もバラバラ。環境も受け取り方も異なるはずなのに、「番組が好きである」という大きな共通点があるので、共感できることがたくさんある。
おそらく、『馬鹿力』『カーボーイ』のリスナーであれば、全員が共感しうなずけると思うので必聴だ。私は岩井さんや大島さんのお話にうなずき過ぎて、2〜3回首が取れた。すぐにつけたからなんの問題もない。
ブースの外にはよく知っている『JUNK』のスタッフさんがいらっしゃり、自分はあのTBSラジオのブースで話している。ずっと聴いてきたラジオが放送されている、あの場所で。あまりに幸せな状況だと気づいたのは、帰り道にひとりになってからだ。
このQJWebの連載で『馬鹿力』への愛を綴ったことで、間違いなく私の人生は違う道筋を辿り始めた。
伊集院さんにまで想いが届き『伊集院光とらじおと』に出演させていただけたり、お笑いラジオの分野で『99人の壁』(フジテレビ)に出演させていただいたり、私の冠番組に伊集院さんがゲスト出演してくださってラジオのお話ができたり。
きっとあのときに恥ずかしがっていたら、今もひとりのリスナーとしてこっそり20周年記念を喜んでいた。何度目かわからないが、「好き」を「好き」と言ってよかったと改めて思う。
愛にあふれた『爆笑問題カーボーイ25周年ライブ』歴史的瞬間
2月7日からはLINE CUBE SHIBUYAにて3日連続の20周年記念イベントが開催。本当に本当にありがたいことに、初日の『爆笑問題カーボーイ25周年ライブ〜ついでに馬鹿力〜』を会場で観させていただいた。
ラジオのイベントに行くこと自体が久しぶりだったため、「リスナーしかいない空間」というものに興奮を覚えた。新しくなった『JUNK』オープニングのサウンドステッカーが流れた時点ではうっすら涙が出たのだが、爆笑問題のおふたりが登場すると、この光景を目に焼きけつなければならないという使命感が働いて、なんとか泣かずにすんだ。
爆笑問題の漫才がおもしろ過ぎることなぞ誰もが知る事実なので書く必要もないのだが、純粋に笑っているときのふとした瞬間にも「この会場にいる人はみなリスナーなのだ」と思い出すと感動した。
ライブが進み、いよいよ伊集院さんが登場する場面では「THE 鳴り止まない拍手」が会場いっぱいに響いた。その場にいる人が皆、ラジオのイベントで伊集院さんを観られることの貴重さを感じた上で登場を喜んでいるという感覚が伝わる。
ステージ上もラジオブースのような机、椅子、マイクのセットになり、自分もブースにいるように錯覚する。今まさに目の前でラジオが繰り広げられているという状況の贅沢さに痺れた。
伊集院さん、太田(光)さん、田中(裕二)さんの3人だけによるトークは、最初から最後まで聞き応えしかなくて、家で聴いているラジオ以上にあっという間に感じられる。
『JUNK』を始めた当初のことから、この先のラジオに対する考え、プライベートのことまで。全員の魅力を最高に感じられる、あまりにも幸せな時間。和気あいあいとした空気の中にも緊張感があり、まさしく生放送のラジオを聴いているときのワクワク感で満ちあふれていた。
ゆかりのある人からのVTRコメントで神田伯山さんが映った瞬間は、なんとも言い難い衝撃と興奮があった。同じタイミングで笑い声が上がる会場の安心感と、対照的なコメントが強く印象に残る。それを受けたトークもとても楽しくて、歴史的瞬間に立ち会えたと今一度幸せを感じた。
エンディングでスタッフロールが流れ、「トランジスタ・ラジオ」の音源と共に過去のカーボーイにまつわる写真が映し出されているのも、胸がいっぱいになる演出だった。そのころからラジオを聴いている人は、きっと想像もできないほどの感動を覚えているだろうと、うらやましさを覚える。
長い月日の中でリスナー一人ひとりにもいろいろな変化があるのに、それでもラジオを好きでいつづけていると思うと本当に素敵だ。愛にあふれた空間と時間だった。
夢よりも夢!とにかく豪華な『JUNK大集合スペシャル』
その週末、12日の深夜には、20周年記念『JUNK大集合スペシャル』が放送。月曜から金曜までのパーソナリティである伊集院光、爆笑問題、南海キャンディーズ山里亮太、おぎやはぎ、バナナマンが全員集合するという、夢よりも夢のような特別番組だ。
放送前はとにかく楽しみで、どうなるのだろうといろいろと想像を巡らせた。もしかして、学校の友達と塾の友達を会わせるみたいな感覚かなと思っていたが、いざ聴いてみるとシンプルに「豪華だ」という感想しか出てこなかった。
伊集院さんのひとりしゃべりから始まったかと思えば、メンバーを入れ替えながらふた組ずつ話すというパートになり、これがまた楽しい。
意外と知らなかったそれぞれの関係値が明らかになるのがおもしろかった。リズミカルに進むことによってお祭り感が増して、これだけでもじゅうぶんなくらいだった。
そして、ようやく全組がそろった瞬間は、本当に「圧巻」のひと言に尽きる。それぞれの番組を聴いていればいるほど興奮度は高くなるであろう。私も基本的には全曜日のリスナーなので、これ以上にうれしいことはないと思った。
何よりすごいのが、8人で話しているのに、当然のように誰が話しているのかがわかる。前半では、伊集院さんは話し始めに「伊集院は〜」とつけていて、もちろんわかります……!と思いつつも、丁寧さがやはり格好いいなと思った。
CMの合間に各番組の名場面がハイライトのように流れたり、リスナーからのメールで神回を振り返ったり、盛りだくさん過ぎて、途中からは「こんなにいいんですか」とすら思った。無料だし。どういうことだ。
太田さんが大暴れするだろうとは事前に想像していたが、予想を上回るはしゃぎ方で、なんだか愛おしく思えた。
「みんなでカラオケに行こう」「このまま深夜バスでどっか行こう」と言うところから楽しんでいることは伝わってきたが、しまいには「毎週やりたい」「みんなでお芝居して全国を回ろう」などと言い始める。すごくよかった。こっちまで幸せな気持ちになる。
主に設楽さんから冷たく当たられたりあしらわれたりしているのも含めて、「大集合」のよさが詰まっていて、とにかく最高。
太田さんの気持ちもよくわかるが、このスペシャル感はたまにしか味わえないのがいいと思う。「また10年後くらいでいい」という声もあったが、3年後くらいには聴きたいな。またいつかあるかもしれない、という希望だけでも日々をがんばれる。
好きでいると、こんなにもうれしいことがある
20周年特別企画は、リスナーにとってごほうびのようなことの連続だった。今のパーソナリティがラジオ放送をつづけてくれていること自体が大きな幸せではあるのだが、好きでいるとこんなにもうれしいことかあるのだと知れたのが今回の学び。
伊集院さんと爆笑問題のおふたりの口から、元気な限りはずっとラジオをつづけるというような話を聞くことができたので、しばらくは『JUNK』のリスナーでいさせてもらえるようだ。安心した。
これから先の人生にも、すぐそばにラジオがあったらいいなと思う。そしてまたいつの日か、ラジオと共に生きる人が集まる日が来るのを楽しみにしたい。
『JUNK』20周年、おめでとうございます。
連載「奥森皐月は傍若無人」は、毎月1回の更新予定です。
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