『水ダウ』ダイアン津田、“殺人事件”に巻き込まれパニック(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『水曜日のダウンタウン』

「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」として、ダイアン津田をターゲットに『水ダウ』流のマーダーミステリードッキリ。

ドッキリと気づいても、殺人事件の犯人を見つけるまで終われないというもの。その説明を聞いて、スタジオの出川は「……ごめん、全然わかんない(笑)」。

長野にあるそれっぽいペンションに前乗り、打ち合わせを行い、就寝。朝起きたところで殺人事件に巻き込まれる。カメラマンが集合時間に来ないため見に行くと、背中を刺されているのだが、それを見て思わず吹き出してしまう津田。不自然過ぎる状況に早々にドッキリだとわかったよう。

さらに偶然にも医者がいたり、死亡推定時刻がすぐに判明したり、指紋検出キットを持っていたりと、サスペンスドラマの不自然なところの批評みたいになっているのもおもしろい。

電話線が切られ、携帯も圏外。外部との連絡も断たれ、大雨で交通も遮断され密室状態という“それっぽくも安っぽい”状況。その説明を受けるも「俺、(アンテナ)3本立ってますよ」「ブンブンブンブン車通ってるよ」とツッコミが止まらない津田。

「ということは、犯人はどういうことですか?」と振られ「あ、『この中にいる』みたいなことですか?」とキレの悪い言い方。

「私たちで解決しましょう」と促され、渋々、観念して聞き込みを始める津田。証拠集めでは「この指紋を見てわかることはありませんか?」と聞かれるも、答えを導き出せないと再び「この指紋を見てわかることはありませんか?」とゲームのように同じことを聞かれる。

だんだんわかってくると楽しくなっていき、前のめりになる津田に、松本「ノッてきたらノッてきたで腹立つな(笑)」。

マンガキャラのような津田が、最初はパニックになりつつ、どこまでノるべきかわからず中途半端な言動から、次第に「名探偵」キャラになっていく過程がやたらおもしろい。まったく不快感のないドッキリというのも時代に合っていていい。

事件を解決し「悲しい事件でした……はい」「まぁ、また巻き込まれるのは勘弁ですけどね」と“それっぽくも安っぽい”セリフを吐く津田。「名探偵・津田シリーズ」としてシリーズ化してほしいし、そうなるであろう傑作だった。

『イワクラと吉住の番組』

局をまたぎ、フジテレビの『久保みねヒャダこじらせナイト』とコラボ。久保と能町は入ってくるなりふたりの声のボリュームの小ささを指摘し「まだなれなれしさが発展してない。そこがよくて。仲よくなさを大事にしてるって、九州の女として共感しちゃう」と久保。

ヒャダインはVTR出演で「吉住さんと久保さんはたぶん、自己評価が限りなく低い感じが似てる。仲よくなれるか……もしくは同族嫌悪か」と語っていたが、ふた組がつかず離れずの絶妙な距離感のまま、それでいて話が噛み合っている感じがとても心地いい。

ドッキリを観るのが嫌いでチャンネルを変えてしまうという久保は「あんなもんが万人ウケすると思ってる奴ら、みんな死んじゃえ」「サプライズなんて滅びちまえよ」と止まらない。

吉住もドッキリNGで、スケジュールやロケ地がおかしかったらマネージャーに「これドッキリですか?」「これでドッキリだったら信用失いますけど」などと詰めるのだという。

MCが「人の心を失くしているパターン」があって心配になるという能町の話には、吉住がパンサー向井から「芸能界はキャバクラみたいなもんだ」と教わったと答える。初対面の人でも楽しそうに接客してくれるキャバクラと同じだと。

それをわかってて楽しめる人もいるが、その虚構を楽しめない人がいる。吉住「『それが僕たちなんだよ』って(笑)」。

久保は時間を追うごとにギアが上がっていく感じで、饒舌に教習所の話を語りつづけた上で「つけまが取れ始めた」と言い出し、自由。能町「久保さん大騒ぎですね(笑)」。

アウェイに来て、萎縮していつもの感じにならないのではという心配も少しあったが、まったくの杞憂。思ったとおりの相性のよさでおもしろかった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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