さんまが自身の引退観を語る「若手のことは考えてない。ファンのことを考えてる」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『週刊さんまとマツコ』

前週に引きつづき、現役トップレスラー3人と北斗晶、吉田豪を迎え「女子プロレス特集」。

現役のジュリア、赤井沙希、橋本千紘からは最新の女子プロ事情、北斗や吉田豪からはかつての伝説と非常にバランスの取れた特集でおもしろい。マツコも昭和・平成の女子プロには詳しいため「オーナー一族(松永兄弟)が豪遊しててもお金残ってた」などと補足。「これ今、プロレスファンはドカンとしてる(笑)」。

かつての「25歳定年」について北斗が「会長曰くプロレスとは青春だからいつまでもやるものではない」と理念を説明すると、吉田豪が「ほかにも事情があって、そのぐらいの歳になると給料がおかしいと気づく」と「個人の見解」と表示される内部事情を暴露するといったそれぞれの役割ができていて話がスイング。

さんまもペドロ・モラレスに憧れて中学生のころはプロレスラーになりたいと思っていたため、変な偏見などもなくストレスなく楽しめた(それにしても、運動神経抜群のエンターテイナーのさんまがもし本当にプロレスラーになっていたらどうなっていたか妄想してしまう)。

女子プロレスでも大御所が引退しないという話にさんまは「人気がどうのこうのよりもひとりでも俺を応援してくれる人がいる限り、辞めるのは失礼だと思って。若手のこと考えてない。ファンのこと考えてる」と自身の引退観を語る。「『もう俺たちの時代じゃない』と思わせてほしい。だから『キングオブコント』や『M-1』を、ずっと観てても、大丈夫、大丈夫と思って(電源を)切ってるから」とつづけるさんまに「厳しいねえ!」とマツコ。さんま「『よっしゃ、被ってない』って(笑)」。

どんなに大御所になっても、若手と同じ目線でリングに立ちつづけるさんま。強いはずだ。

『ガキの使い』

ザ・マミィ酒井の「七変化」(残念ながら浜田は休み)。59人目の挑戦者だという。酒井は「今日……ダメだったら……」と大きなプレッシャーを感じているようでガチガチ。

これまでの1位は次長課長の河本で63,000円。「やるからには1位」と意気込む酒井は、「脇毛が剛毛の人」や「ひよこの雌雄鑑別」などで順調に笑わせていく。そして大先輩ゆってぃに電話で相談し、親身になって答えてもらっている途中で切って爆笑を誘い、全員から「罰金」を獲得するパーフェクトを達成。そのあとも、「カードくじ」と題して恐竜カードの中に「俺のちんこ」写真を忍ばせたり(その出る順番も偶然にも絶妙だった)と好調がつづき、最後の1本を残し、53,000円を記録。最後、11人全員が笑えば歴代1位になれるという状況に。

最後は新婦の父のお祝いの挨拶。中島みゆきの「糸」をトークボックスという名前らしい楽器を使って歌うと全員が爆笑。見事1位に!

河本が記録を打ち立てたのは2005年。渡辺直美や森三中・黒沢をしても破られなかった牙城をついに崩す快挙(しかも浜田不在のため罰金を払うのは、河本のときの12人から1人減って11人)。さらに松本が7つすべてに笑っていたのは、酒井は格別にうれしいのではないか。

キャラを活かしつつも、それだけではないコント師ならではのアイデアの詰まった七変化だった。結果を知り、泣きながら松本に抱きつく酒井。マネージャーも泣いている光景がとても素敵だった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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