テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。
『ギョギョッとサカナ☆スター』
番組主題歌を歌う甲本ヒロトが登場。昆虫好きのためカブトガニの衣装を着て甲本甲(カブト)としてさかなクンと水族館を巡りながらトーク。昆虫好きになったきっかけを聞かれ「子供のころ、僕、外に遊びに行く子じゃなかったんです。家にいたシバンムシって2~3ミリくらいのちっちゃな虫を見てたんです。よく見るとカブトムシとかと同じ形で、ただ小さいだけで同じなんです。何ひとつ省略されていないんです」と語るヒロト。ミニカーなどは実際の車とは機能面などで省略されているのに比べ「3ミリのシバンムシにはすべてが備わっていて完璧だったです。それを見たときに小さいってなんてスゴいんだって。そんなのを考えてたらどんどん好きになっていった」と言う。
本当に昆虫について詳しく、オサムシなどの生態を解説していくヒロトと、同じくらいの熱量で魚について解説していくさかなクンの組み合わせがとても心地いい。
さかなクンが「クモが怖い」と明かすとヒロトは「それは普通のことです」と優しく言い、こうつづける。「ちっとも悪くないのに怖いとか気持ち悪いという理由で『不快害虫』という言葉があって、こいつ嫌いだなっていう人のことを知ればいいんじゃないかなって。気持ち悪いって思う虫もいたけど調べて知ると好きになっていったもん。知らないから怖いとか嫌いになるのかもしれないね。でも、知れば知るほど嫌いになるやつもいるかもしれない(笑)。そんなときはしょうがない。みんなと友達じゃなくてもいいんだよ」。
意外な組み合わせだけど、最高の対話だった。あと、ヒロトが身振り手振りで話しているとき、手につけたカブトガニのハサミにいちいちギョギョってなってるさかなクンが可笑しかった。
『NEOべしゃり博』
次世代芸人による2分完結のショートエピソードトーク。それをバナナマンと山本舞香が「べしゃり鑑定士」として判定する番組。
元CAのCRAZY COCOが飛行機の酔っぱらい客について話したり、きしたかの高野がYouTubeでのドッキリ話、きつね大津が突如自分たちのネタを完コピした芸人が現れたという話、大鶴肥満がケガして病院に行ったら体重が重過ぎて大混乱になった話など鉄板話を披露していく。
その中には噂の永田敬介も。その風貌を見て「影から出てきたみたい」と設楽。「日影くんはね……」と自分の頭の中で勝手にあだ名をつけたのか、思わず呼び名を間違える設楽。話す前からそれだけ鮮烈な印象を与えたのだろう。トークもファストフードに並んだときの話を被害妄想たっぷりに話し強烈なインパクトを残す。
そして街裏ぴんく。日村は「YouTube観てるんだよねぇ。おもしろいんだよ、この人」としっかり認知している模様。ほかが実話ベースのトークをしているなか、彼だけはいつもどおり、完全なウソ話。ぴんくを知らない設楽がその芸名から「普段エロい話するの?」と聞くと「エロはほとんどなくて、やっぱ品を保たなきゃと。この見た目なんで」と答える。
設楽が唐突に「ちょっと前までナマズだった?」と振ると「なんでわかったんですか? ちょっと前までマジでナマズだった!」「めちゃくちゃよくしてくれる女性がいて、ちゃんと愛情で育ててくれたらだんだんこういう感じになってきた」とよどみなくウソ話を繰り広げ爆笑を取るぴんく。ブレイクを予感させるやりとりだった。永田とぴんく、異能の漫談家が、設楽に“発見”された記念碑的な番組といえるかもしれない。
優勝は街裏ぴんくに。しかし、優勝コメントでは「今度テレビ出るんですよ、『朝までナマズテレビ』」と言って盛大にスベり設楽「取り消そうか?(笑)」。
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【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)
毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。
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