タモリ、自分は“過大評価”されていると語る「浅いところはわかっているんですけど、その奥がわからない」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『徹子の部屋』

今年最後のゲストはタモリ。徹子から「すごい知識」だと褒められると「過大評価」だとタモリは言う。人がやっていることにすごく興味があるから、それを学んでみるのだが、「すごい人がいるとあそこまでいけないなと思ってやめちゃう」「いろんなところを渡り歩いているうちにほぼ浅いところはわかっているんですけど、その奥がわからない」のだという。本当に知識がある人は、自分にはまだまだ知らないことがたくさんあるということをよく知っているという典型のような言葉。タモリのように知識がある人ほど、自分が知識があるなんて言えないに違いない。

学生時代は陸上で100m、200m走をやっていたというタモリは、去年、100m走ができる場所で走ってみたのだという。22秒もかかってしまったと語るタモリは、うしろから声をかけられ「財布落としました」と言われ恥ずかしかったというエピソードを明かす。

また来年はテレビ放送開始70周年ということで「テレビが来た日」を回想。中学のときに家にテレビが来たそうで、その日は父も仕事を休み、姉も学校を早退する「大変なイベント」だったと。

「来年はどんな年になりますかね?」と徹子に聞かれ「誰も予測できないですよね。でもなんていうかな……『新しい戦前』になるんじゃないですかね」と恐ろしくも鋭いひと言をサラッと放つタモリ。オープニングに「ギリギリ戦後生まれ」という話をしていたタモリのその言葉は重い。そこには深く切り込むことはせず「何をしてらっしゃるときが一番幸せとかありますか?」と聞く徹子。タモリ「昼間からビール飲んでるときですかね(笑)」。

そういうことがずっとできる日々がつづくことを願わずにはいられない。

『あらびき団』

レギュラー時代から『あらびき団』を観ていたという二階堂ふみがゲスト。モンスターエンジン西森の「鉄工所ラップ」が好きだというと、「今もう見る陰もなく(髪が)ロマンスグレー(笑)」と東野。その西森が「びきブロック」に登場し、鉄工所ものまねから鉄工所ラップを披露すると、二階堂「感動してるんですけど……思ったより歳を重ねられて……(笑)」。

二階堂ふみは、スーパーニュウニュウのネタに「あらびき団って感じ」と『あらびき団』的芸風にハマったり、常連の風船太郎には「あーー」と歓喜、Honoka-Ahnとして安穂野香が復帰すれば「伝説ですよね!」と前のめりになり、キュートンの登場にも「うれしい!」と喜ぶ、真性の『あらびき団』フリークっぷり。そのキュートンは『鬼滅の刃』の「残響散歌」に乗せてポージング。相変わらずカッコいい。が、その後、くまだまさしが「ピン芸人の活動に専念するため」と、キュートンからの活動休止を発表。まさかの展開に二階堂「悲しい……泣きそうになりましたもん」。

ZENの「さるひげさん」など定番も登場するなか、ニッポンの社長・ケツの「別人格」である並木裕子が作詞作曲した「私上手く笑えなくて」や、ロバート秋山による「パール川辺の脳ガズム・レッスン」など実力者が『あらびき団』ならではのネタを披露したり、空気階段&ビスケットブラザーズの『キングオブコント』王者コラボネタといった豪華なものも。庄司智春の「アブローラーマン」には相方・品川も参加した。

そして地上波『あらびき団』の賞レース3連覇中の絶対王者・スルメがシードとして登場。「両手で5」などを披露しそのハチャメチャっぷりに「これが王者なんですねぇ」と二階堂。東野「コメディの始まりってこれちゃうの? 笑いの祖(笑)」。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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