麒麟・川島vsオードリー春日の熾烈な戦いが決着「人生で一度だけでも1位を取りたい」(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『ラヴィット!』

オープニングのトークテーマは「調べたいこと」。スタジオゲストに春日もいるなか、川島の「調べたいこと」はもちろん「2022年テレビ番組出演本数ランキング」。

これまで川島と春日は熾烈なトップ争いを繰り広げていた。ニホンモニター調べでは上半期は1位・川島、2位・設楽、3位・春日という順。ニホンモニターは例年の発表時期をずらし、ふたりがそろう生放送で発表するという粋なはからい。「最後まで1位のまま走り切ろうとがんばりました」「できることはすべてやりましたんで1位を獲って、このまんま『ラヴィット!、スタートです』とやりたい」という川島に対し、下半期はトップ奪取をことあるごとに公言し、11月には急遽『バゲット』の準レギュラーにもなって猛追した春日は「いただきます、チャンピオン」と宣言。「ラヴィット!を背負ってラヴィット!で発表してもらうんだから、それはもうニホンモニターさんにも恥をかかすわけにはいかない。勝って春日さんに『残念でございやしたね』と言ってあげたい」と川島が返すと春日「くーーっ! 痺れるね!」。

いよいよ結果発表。しかし、3位で早くも春日の名が呼ばれてしまう。「くそーー! すみません、朝から汚い言葉を」と悔しがる春日。そしていよいよ1位・2位の発表。くす玉やクラッカーが用意され、「これ以上できないくらい今年働き切りました。人生で一度だけでも1位を取りたいと」「春日くんの存在もあって燃えましたんで」「頼む!」と祈りながら結果を聞く川島に下されたのは無情にも設楽にかわされ2位という結果。「すごい空気だ……」と言うようになんともいえない空気に。川島「VTR入ったら、俺ワイプで抜かないでください。下向いてるかもしれない(笑)」。

『午前0時の森』

レッドカーペットからゆっくり登場する春日。こちらでは、エム・データによる「2022年TV番組出演ランキング」を発表。再放送をカウントするなど規定が異なるため集計結果が違う。こちらでは上半期、2位につけていたため、春日の本命はこっち。

「俺はね、春日が1位を獲ってオードリーの質より量の時代を終わらせたい」と笑う若林。その若林も4位にランクイン(ニホンモニター版では9位)。3位は川島。そして7回差で設楽を抜かし春日が見事1位に。11月の『バゲット』13回分が効いたかたち。「クミさーーーーん!」と喜びを爆発させる春日。オードリーと川島が言葉にして「物語」にしてくれたことで、ただの記録がエンタメとしておもしろく、ワクワクするものになった。「春日が動けばニュースが生まれる」などとよく言われるけど、話題はこうやって大きくしていくものというお手本のような熱い戦いだった。

さらに今回は、以前若林の代役を務めたTAIGAもレッドカーペットから登場。テレビ業界117人に聞いたTAIGAの知名度を調査すると「知っている」が66人で56.4%。これを高いと見るか、低いと見るか(業界にいるなら知らなきゃマズい気がする)。「どうすればTAIGAが売れるのか?」というアンケートで、オークラの回答が真摯かつ芯を食っていて素晴らしかった。

「テレビで売れる人は大きく分けてふたつ。『番組を成立させる進行(MC)になる人』『番組をおもしろくさせるため、進行の駒となる人』TAIGAさんはおそらく後者だと思う。そういう駒タイプは、その人間のシステムをMCや番組スタッフに知ってもらう必要がある。システムとは『この人はこのスイッチを押せば、こういうことが起きる』。(略)そのシステムにオリジナリティがあり、かつ、その扱い方が知られれば売れると思います」。

これはTAIGAに限らず、すべてに通じるものだろう。

オードリー
2011年、オードリー特集が掲載された『クイック・ジャパン』

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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