写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
服の楽しみ方
第30回。
今回は僕の服との過ごし方について少しお話しします。
まず当たり前ですが、服というものは着ていくごとに色が褪せ、劣化していく消耗品です。新品で買った色鮮やかな深い藍色のデニムは時間と共に褪せていき、ダメージが与えられ、やがておばあちゃんに間違えて縫われる穴あきズボンとなっていきます。
そんな時間経過を楽しむことが服の醍醐味だという価値観は子供のころ、母に学びました。
その影響あってか、家にはいまだに中学生のころから集めているデニムやスニーカーなどが新品から古着まで並んでいます。
まわりから「本当に物持ちがいいね」などと褒められることを誇らしげな気持ちで過ごしていた高校生当時。
それから時は経ち、現在27歳。おかげさまで「服を捨てられないファッションゾンビ」と化しました。
ありがとうございます。
きゃりーぱみゅぱみゅさんならもう曲できてます。“みゅ”の部分担当するのでどうかフィーチャリングさせてください。
もう本当に服をしまう場所がございません。
ここ数年ソファから服がなくなることがありません。どうかこの服たちをホイポイカプセルに入れることはできないでしょうか。
「譲:デニム 求:ブルマ」です。
あ、ここでのブルマがとてもややこしくてすみません……。(『ドラゴンボール』のキャラです)
冗談はさておき。僕の集めてきた大好きな服たちをどうにかしたいと考えた結果。リメイクという手法で生まれ変わらせ、作品にしようという考えに至りました。
いずれどこかに出演などをする機会があれば衣装として。伝えたいメッセージができればそれをアートのカタチとして。時にはグッズとして。この服たちを表現の素材として活用していこうと思います。
なので来年あたりには何かしらのカタチで生まれ変わった姿をお見せできればと思います。
どうかそのときは観にいらしてください。
幸服を与えられるようがんばります。
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。