写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
「リブロースランチ」に悩まされた日
第29回。
とある日のランチの話。
仕事現場からすぐ近くに見つけたレストラン。看板の「ローストビーフランチ」という文字に惹かれ入店しました。
贅沢なローストビーフをランチだと手頃に食べれるとたくらみ入ったのですが、メニューを見るとオススメの欄に「リブロースランチ」を発見。
ただ500円増の値段になるため、少し悩んでいると「リブロースのほうが肉の部位の価値として考えたらお得な値段ですよ」と店員さんからのアドバイスが。
なるほど、それならリブロースにしよう。と僕の心は瞬時に揺らいだのですが、ふと冷静になってみると、さっきからずっと「お得なことだけを考える貧乏性が出過ぎて結果何が食べたいのかわからなくなっている」ことに気づき。
「てか、お得と言われても結果支払いが500円増な時点で貧乏性としての強みすらも発揮できてないのでは」という「貧乏性とは?」の謎無限ループに陥りそうになったため、原点であった「贅沢なローストビーフを手頃に食べる」に無事帰着し、注文しました。
休憩時間のランチでこんなに思考を使ってしまう自分の貧しさに泣いた昼下がりでした。
価値を自分で見出せる人間になれますように……。
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
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