眉村ちあきvsでか美ちゃんがいとうせいこうも「保存版」と評す屈指の名勝負(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『フリースタイルティーチャー』

「女性芸能人No.1ラッパー決定トーナメント」の準決勝(シードされた「ミスX」を除けば、実質決勝戦)は眉村ちあきvsでか美ちゃん。トーナメント表が発表された時点で最後にこのふたりの対決が実現したらいいなと思っていたカード。眉村はでか美のことを「動員1くらいのときからお世話になって」いる「恩人」だと語り、でか美は眉村のことを「音楽が素晴らしいから好き」と語る、地下ライブ時代からの“戦友”同士。

1ラウンド目のラップででか美は「アンタと戦いたかった なんでかって? フィメールラッパー対決 女と女の対立構造 そんなのはもうちあきちゃん 飽き飽きなんだよ ここで本物のシスターフッドを見せてやろうや」と宣言。対する眉村は抜群の音楽センスのフロウやリズムを評価され5-0で勝利する。「さっきまでは絶対勝つみたいな気持ちだけだったけど、今は楽しんでやれてよかった」とこの対決をふたり共が楽しんでいるのがわかる。

ラウンド2では「私を倒すのは私しかいないのも私だって一緒 孤独だよね そうやってソロで立ちつづけるの 孤独で独特で心臓もドクドクするぐらい血液巡るけど 私がちあきちゃんを倒さなくて誰が倒すんだって話 だから絶対に負けられない 優勝して未来を見る」というでか美が1-4で取り返す。「もう1回戦えるのがうれしい」とでか美。

最終ラウンドでは「私は月みたいな存在 あなたがいるから輝けてたときがたくさんあった」というでか美に「でか美さんだって太陽だよ」「ウチらふたりで照らしてるよね この会場のフロア」とアンサーする眉村。甲乙つけがたい大接戦。「歌が立ち上がってくるような物語を見せてくれて、ふたりの関係とまさにシスターフッドのようないい場面がギュッと詰まってて保存版」と審査員のいとうせいこうが評すように、戦友ふたりの想いが詰まった名勝負だった。

『ぺこぱポジティブNEWS』

モグライダー芝、虹の黄昏、ゆーびーむ☆、ウエストランド井口を迎えて「戦友の地下芸人と本音で語り合うポジティブ会」前編。「地下芸人の帝王」虹の黄昏はぺこぱの兄貴分。この日は『ラヴィット!』にも出演し、朝とど深夜に登場、いよいよ虹の時代が来つつあるのか。

芝とは常に一緒にいたそうで「ライブ終わって朝まで飲んで、いったん帰って、また昼に再集合して飲み始める」ような生活をしていたそう。ゆーびーむ☆は松陰寺を「松井さん」と呼ぶ数少ない後輩(そう呼ぶのはトム・ブラウン布川やみやぞんなど松陰寺になる前に知り合った芸人のみ)だそう。

その松井はピン芸人時代、めちゃくちゃトガッてたと虹が証言。つまらない芸人を見ると「こういう奴らがいるからお笑い界はダメになる」などと悪態をついていたという。「そう言ってた男がいきなりぺこぱになってローラースケートで滑って出てくる。ウソだろっ!って」と、かまぼこ体育館。芝も「こんなに剥き出しでなんでもいいから売れたいっていうのはあんまりいなかった」と言えば、野沢ダイブ禁止が「意固地になってずっと同じことつづけるヤツが多い、俺たちもそうだったりするんだけど、カメレオンのようにいろいろ変わるから」と補足する。

これに松陰寺は「勝てないっていうのがまず第一にあったんで」「へし折られ方が尋常じゃなかった」と当時の心境を語り、「『また変えたの?』って言われたときに『そうなんですよー』って言いながら、(心の中で)『何も変えねえで売れないやつよりマシだろ』って思ってました」と明かすと、かまぼこ「俺らのこと言ってんのか!」野沢「バイーーン!」。

そんな虹の黄昏がバラエティ番組でどのように振る舞えばいいかわからないなどと言うと芝が「なんか振られて1発目で返したやつ(ボケ)でウケるなんてそんなにないから」「会話できないやつはムリ」「聞かれたことに答えないやつはムリ」と的確に答える。「上の人がどうにでもしてくれるから。会話してるなかで勝手にパン!って落としてくれるから、お前でどうにかしようとするなよって」。

モグライダーが急速にバラエティに受け入れられた理由がよくわかる答え。戦友同士だからこその腹を割った対話がとても深かった。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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