「我々はファンだから」有吉、土田らが考えるダチョウ倶楽部の未来(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アメトーーク!』

「竜兵会」をフィーチャーし長年にわたりダチョウ倶楽部を重用してきた『アメトーーク!』が、「ダチョウ倶楽部を考えよう」と題してゴールデン2時間SP。

「やー!」と登場した肥後と寺門に「あんまり声出てないですねえ」と蛍原。まだふたりでどうするか何も決まっておらず、立ち位置だけは「寺門の左が肥後」と決まったという。それを説明する間も緊張で噛みまくりの寺門に土田「蛍原さん、俺、コイツらが心配だよ!(笑)」。

彼らのために集まったのは、有吉、土田、出川、カンニング竹山、デンジャラス安田という深い盟友ばかり。MC横には事務所の後輩である指原莉乃。番組の軸は、やはりダチョウ倶楽部の名場面。1986年に『ザ・テレビ演芸』でテレ朝初出演。まだ南部虎弾が在籍した4人組時代(結成2年目)に出演し、10週勝ち抜きした貴重な映像も。しかもその最後の対戦相手が東京丸・京平というから驚き。

翌年トリオとなり、あの何度となく観た「ゲームセンターみたいな靴屋」を披露している。『ナイナイナ』での「どうぞ、どうぞ」誕生の瞬間や、伝説となった「徹子の部屋』や、忘れてはならないモノマネ芸などたっぷり。個人的に大好きだった『ダチョ・リブレ』の対決映像もあってうれしい。それを観て有吉が「我々はファンだから1時間観てられる」とつぶやいたのもグッとくる。

『アメトーーク!』名場面集では「竜兵会」企画や「上島竜兵vs出川哲朗」など名企画に加え、「トップレス芸人」という今思えば謎企画も。

「ケンカしてキス」のくだりは、元々は竹山が上島との絡みで発案したものだが、土下座して「ください」と言われ許可したそう。その最後に生キスをしたのがなんと五木ひろしだったという。しかもNHKの番組。NHKでもできるほど認知されていたのだ。

「反省会」での上島の「やってくれたな!」のひと言に対しては「みんな期待してる中でそれを超えてきますからね」と有吉が手放しで絶賛する。

また名場面集では上島を中心とした名場面だけではなく「肥後という男」や「ジモンという男」もしっかり流していたところに、ダチョウ倶楽部への番組からのエールを感じた。やっぱり、とうもろこしを3人で食べるシーンを筆頭に何度観てもおもしろい。

そんなVTRを観て肥後がしみじみ「上島はバカだね」と言うと「お前もだよ!」と寺門が間髪入れずツッコミ。いいコンビ。土田「一番バカなのは肥後さんだから(笑)」。

上島の愛すべきダメエピソードがとめどなくメンバーから出てきて笑い合っているのが本当に素敵な追悼だった。

「新生ダチョウ倶楽部を考える」コーナーでは「くるりんぱ」を肥後が継承するもうまくいかず「急には上手にできない」と笑う肥後。土田は「不安しかねぇッス!」と嘆く。しかし、ふたりバージョンの「熱々おでん芸」はさすがの伝統芸。大いに笑わせ、「熱湯風呂」でも上島の写真パネルを熱湯に沈めるアイデアも。そんなことをしてもお客さんが引かないというのが、死してなお唯一無二の存在だということを証明している。「緊張して拍手聞こえなかった」という肥後の言葉が重い。

「反省会」のふたりバージョンも見事にやりきり、最後に「ありがとう」と後輩たちに頭を下げると、全員がふたりを称える拍手。その光景にとてもグッと来た。もっともやるべき番組が、深い愛情を込めてもっとも素晴らしい形でやってくれた。単に上島の追悼企画にとどまらず、ダチョウ倶楽部の未来に向けた番組になっていたのがとてもよかった。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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