「友達でもいたいのよ!」東京03のリーダー飯塚が抱える微妙な感情(てれびのスキマ)

『クイック・ジャパン』vol.158表紙(東京03)

文=てれびのスキマ 編集=菅原史稀
トップ画像=『クイック・ジャパン』vol.158より


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『あちこちオードリー』

ゲストは東京03飯塚、ハナコ秋山、四千頭身・後藤の「トリオのリーダー」と括られた3人(ハナコの実際のリーダーは岡部とのこと)。いずれもネタを書いているツッコミ役という共通点。

ネタ合わせの日程、稽古場の予約や事務所への連絡といった雑用も自分がやるしかないからやっているなどと、メンバーへの不満を語る3人。プライドがあるから稽古場の電気は消さないと飯塚は言い「稽古場を押さえるとか、なんでそっちから言わないの?」と、豊本や角田の代わりに春日へ説教モードに。自分たちの評価が落ちたとしても、ほかのメンバーがするべき片付けなどをあえてやらないことがあるという話に春日が「評価が下がったら自分が損するのに」などと漏らすと、飯塚「蓄積があんだよ!」。

メンバーに対する不満を吐露する3人に共感する若林は「うれしいな、何回も観よう!」「孤独じゃないな、今日は!」とハイテンションに。ネタ合わせ中、春日がしゃべらないという話になると「あの時間、どうしてるの?」と飯塚に詰められる。オードリーはネタ合わせ中、作家を通してでないと会話をしない。それは「春日って返事しない」からと若林が暴露すると「え? ダメだよ!」と真正面から怒られる春日。トイレに行くと作家とはしゃべっていて「俺、嫌われてるのかな?」と思うという若林。春日は「考えてるんだろうな」と気を遣い、思い話しかけるタイミングがわからないという。きっと春日は春日で、途中で話しかけて若林が不機嫌になった経験の「蓄積」があったんだろうなと想像してしまう。

東京03では、気を遣わずに「普通にしゃべろう」という話し合いがあったと明かす飯塚「こっちはこっちで、友達でもいたいのよ!」と。その結果、角田が飯塚にネットニュースの話題を伝えてくるという感じになったそう。終始、飯塚がリードしつつ、春日がほかのメンバーになりかわって不満をぶつけられ説教されるという展開がおもしろかった。リーダーという立場ゆえ「友達」の関係から離れていく哀しさも感じられて、切なくもあった。『ヒルナンデス!』のCM中に、若林が春日に小ボケを言ったのに無視されたという話では「ホントにさ、どういう気持ちで若林くんがそれ言ってると思ってるの? 気持ちわかるわー」と激しく共感し、春日に「どういう気持ちなの?」とまたも問いただす飯塚。春日が「なんでそんなこと言ってくるんだろうな?って」と答えると、飯塚「仲よくしたいんだよ!(笑)」。

『しゃべくり007』

ゲストは、ニューヨークから一時帰国後1発目のバラエティ出演だという渡辺直美。ミュージカルのために戻ってきたそう。もはや「来日」という表現が正しい感じ。アメリカでは日本のようにたくさんの出演者が集まってワイワイやるようなバラエティはなく、MCがゲストと2ショットトークを行うような番組がほとんどだそう。ほかにも、お笑い芸人はスタンダップコメディからMCになるか、映画のコメディアンになるかという道がほとんどだとか、現地の事情が明かされる。

ビヨンセとは、彼女からの指名で14年ぶりに仕事したという。自分のことを覚えているのかもわからない直美は不安だったが、ビヨンセが廊下に出たら誰も出ちゃいけないルールのため楽屋挨拶もできない。が、ビヨンセから渡辺直美の部屋に来て「久しぶり」と言われ、感激して言葉が出てこなかったと。

全編英語の冠トーク番組も始まったそう。スタッフは全員アメリカ人。直美の英語力にみんなが不安がり、台本があったほうがいいと提案されるも拒否。いざ始まったらあたふたと拙い英語でなんとかしようとする姿が楽しい番組になり、収録後スタッフが拍手しながら入ってきたという。「知ってる人がオファーをして、現場行ったら半分以上の人が誰?って感じ。日本で有名な人なんでしょ?みたいな感じ。そういう空気を変えるために現場で実力を見せなきゃいけないんで、踊る」と直美。そしたら「フォーーー!」と歓声が上がり、一気に見る目が変わるのだと。カッコいい。映画館で隣の人と肘置きバトルをしたら、その相手がブラッドリー・クーパーで、その隣にもビンタ事件で日本でも有名になったクリス・ロックがいて知り合いになれたとか、いちいちスケールの大きな話連発。

【関連】東京03、最大の危機を超えて“このタイミングで”単独公演『拗らせてるね。』をやった理由


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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