佐久間Pとアルピー平子、地元いわきで抱く野望とその課題(てれびのスキマ)

平子祐希

文=てれびのスキマ 編集=菅原史稀
トップ画像=平子祐希【魅惑の相方 vol.1】より


テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『サクマ&ピース』

シーズン2もついに最終回。1日ですべて撮影しているため「疲労はMAX」と平子。「照明さんも限界」「さっき腰押さえてましたから」と、高齢の技術スタッフイジリももはや定番に。

最初に訪れたのは「じゃんがら」で有名な菓子店「みよし」。この番組で有名スポットに行くのは珍しい。その新商品の改善案を、『美味しんぼ』を例に出し提示する平子に佐久間「よく70年つづいてるお菓子屋さんに『美味しんぼ』の知識で……(笑)」。

ロケバスで移動中には、シーズン1に登場したカラーコーンをあごに乗せる横田さんの話。番組では「もう辞めたい」と言っていたが、その後テレビに出まくっていると。確かに、自分が観ただけでも『激レアさん』や『ラヴィット!』などでその姿を確認できた。彼を「最低コーンおじさん」呼ばわりする佐久間らは、電話をかけることに。ディレクターのスマホの登録名が「カラーコーン」というのも、おかしい。その結果、「番組で新記録に挑戦したい」という言質を取ることに。平子「この番組がつづいてるか、わからないけどね(笑)」。

最後の企画は、世界的な活躍をするいわき市民の芸を見ることに。彼らを見た佐久間は、「(もし番組がつづいたら)できるぜ、『サクピーサミット』」と、イベント実現への野望を冗談交じりで語って、平子と具体案を出し合う。実際このふたりの座組なら、シーズン3の前後にはイベント開催の発表をしていてもおかしくない。佐久間「問題は技術チームが健康でいること(笑)」。

『霜降り&錦鯉の親孝行イズビューティフル』

霜降り・せいやと錦鯉・長谷川が親孝行ロケをするという番組。せいや以外は、芸人として売れる前に父か母どちらかを亡くしているから、変に茶化すことなく素直に親孝行を見守っている感じが印象的だった。唯一両親が健在のせいやだが、「おとんと人生でふたりでしゃべったことない」という。確かに母親や妹とのエピソードはよく聞くが父親のエピソードを話しているのは記憶にない。途中、父がせいやに「右利きか?」と聞くシーンがあり、利き手すら把握してないほどの距離感。石やタイルを貼る外装業をしている父は現在、沖縄に単身赴任中で、いつ以来に会ったという話に「1年ぶり?」とあやふやなせいや。実際には正月に会っているようだが、せいやは「正月に帰ってきてた?」とそのときも父と話していないよう。

今回は「親子でタイル貼りチャレンジ」というロケ。子供のころ「おとんの仕事好きじゃない」「そんな夢ない人生嫌や」など父親の仕事を否定するようなことを言っていたというせいや。現場を見に来ないかと言われても拒否していたという。「彼は僕にそんな想いはないと思う」と、父が打ち合わせで語っていたことをスタジオで初めて知ったせいやは「今の打ち合わせ、ヤバいな……」と呟く。

通っていた幼稚園に着くと、いつもながら異常な記憶力で思い出を語るせいや。そこでタイル貼りの練習をすると、父の手際のよさに驚く。「不器用だけど逃げんとやってきただけ」という父親がカッコいい。兄妹が母親ばかりと話していたことに対しては「寂しかったよ」と正直に吐露する姿もいい。

休憩では、人生初となるふたりっきりの食事。無言になりがちなせいやに、話を振り場を回すのは父親というのがとても新鮮。ラジオは欠かさず聴いているという父に「霜降りおとんラジオ」のプレゼント。それを聴いて笑う父を見て「初めて見た、おとんが笑ってるの」とうれしそうなせいや。今回のロケを振り返りながら、最後に感極まって「育てていただいてありがとうございました」と声を震わせながら感謝の言葉を述べるせいやに、粗品も涙ぐむ。さらに長谷川は号泣で顔がぐちゃぐちゃに。せいや「俺の想い超えないで!(笑)」。

【関連】アルコ&ピースは「ゴールデン番組」で何をやりたい?『クイック・ジャパン』vol.161より先行公開


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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