写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
金曜日はザ・マミィ林田洋平が担当する。『キングオブコント2021』では、準優勝に輝いたザ・マミィの頭脳、林田。そんな彼は、自身のインスタグラムで発信するエモーショナルな写真も話題となっている。林田が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
安堵と緊張
![](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2022/06/hayashida.jpeg)
ツバメの巣を見つけた。いつ誰に言われてそうなったのかわからないけど、僕は昔からずっとツバメの巣を見つけるとうれしい。
僕が育った田舎では、毎年変わらず街にツバメが巣を作ることをみんなが誇りに思っていたような気がする。そして今年もツバメが帰ってこれる場所であれたと安堵し、来年もそんな街でいようと決意する。
![](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2022/06/hayashida8.jpeg)
東京ではあまりツバメの巣を見ないなと、この日ツバメの巣を見て気がついた。
この日、ロケで行った千葉のキャンプ場でツバメの巣を見つけた。雛が顔を出していてかわいい。それにしてもパンパンに詰まっていてかわいい。
急いでロケバスにカメラを撮りに戻って写真を撮った。
![](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2022/06/hayashida9.jpeg)
撮っている間、親のツバメが僕のまわりを飛び回り、「キーキー」とこちらを威嚇してくる。明らかにデカい相手である僕にも臆することなく向かってくる親の姿に猛烈に感動し、親であり子であるということはなんて美しいことなんだとうれしくなった。
僕はできる限り敵意がないことを全身から醸し出し、柔和な笑顔で無心にシャッターを切りつづけた。最後まで親子の警戒を解くことはできなかったけど、すごくいい写真が撮れたと思う。
ちゃんとお互いに緊張していて、雛の口は堅く結ばれている。一切の心のゆるみも見せずガチガチに固まった4羽の子供たち。ある意味、僕にしか見せない抜群の表情を見せてくれた。
ありがとう。いい夏になりそうな。幸せを運んでくれた。またどこかでツバメの巣を見つけたときはちょっと近寄らせていただきますね。
![](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2022/06/hayashida10.jpeg)
![カメラ部サムネイル](https://qjweb.jp/wp-content/uploads/2022/04/qjw_j_photo_th_2.jpg)
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。