「ダウンタウンやウンナンとの情熱が全然違ってた」順風満帆だった清水ミチコを襲った絶望感(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。


『アンタウォッチマン!』

清水ミチコを特集。三谷幸喜は清水を「プロフェッショナルでありアーティストであって、だけどもそれだけじゃなくて普通の人の感覚も常に持っている」「ものすごく練習してらっしゃると思うけど、まったくその感じを見せない。たぶん楽しんでやってる。本当の天才って努力しないで高みにのぼれる人だと思うんですけど、努力を努力だと感じていない清水さんは天才」と評す。

そんな清水は、10代の終わりごろにタモリのコンサートを観て「これだ!」と思い、この道を志したそう。そこからデビュー前後の怒涛っぷりがやはりスゴい。

ラジオに投稿し、よく採用されていて「それがすごい幸せだった」ということをバイト先の店長に話すと親戚にラジオのディレクターがいるからと紹介され、クニ河内の相手役としていきなり構成作家兼出演というかたちで1983年にメディアデビューを果たす(RKB毎日放送『クニ河内のラジオギャグシャッフル』)。

その後、渋谷ジァン・ジァンなどでライブ活動をしていたことがきっかけとなり1987年に『冗談画報』でテレビデビュー。そして同じ年、なんと『笑っていいとも!』レギュラーに抜擢される。

デビュー前、憧れていたタモリと初レギュラーで共演するのだ。トントン拍子過ぎる。しかも「おタモしみラジオショー」というラジオブースでタモリとの1対1の即興トークコーナーまで持つという凄まじさ。タモリからは「ノンジャンルな人だね」と言われたそう。

順風満帆のなか、大きな挫折を味わったのが『夢で逢えたら』。「ダウンタウンやウンナンとの情熱が全然違ってた」「集団コントに向いていないと初めて知りショックだった」と絶望感にさいなまれたという。

だんだんスベらないように映らないように消極的になっていった清水は、あるとき、「ミッチャンは今日もやる気なし」という視聴者からのハガキを見てしまい「真実がバレているような気持ち」になったそう。

そんな状況を救ったのが、番組を代表する清水のキャラ「伊集院みどり」。このキャラで存在感を得たことで「なんとかギリギリ泳ぎ着いた」と述懐する。清水ミチコほどの才能が、たとえ向いていないこととはいえ、これだけ苦しんだのだから『夢で逢えたら』というのは本当にスゴい座組だったのだなと思うし、そこからみどりで活路を見出す清水もやはりスゴい。

『ここにタイトルを入力』

今回行われるのは「KING OF ILLUSION」。オープニングではMCのバカリズムの楽屋をスタッフが訪れ「やる予定だったマジックがほぼ全部コンプラに引っかかってしまいましてできなくなってしまった」と報告。「マジシャンがなんとかするって言ってたんで大丈夫」と言い放ち番組が始まる。

マジックを見るパネラーはシソンヌ長谷川、鈴木福、朝日奈央。マジシャンのHARAはまず好きなカードを選ばせる定番のカードマジックを披露。鈴木が選んだカードはハートの9。HARAはそこからシャッフルを繰り返し、一向に答えに辿り着かない。そして「CMのあともまだまだシャッフルがつづく!」とまさかのCMまたぎ。

そのあともバカバカしい展開がつづいていく。相変わらずツッコミ不在の挑発的な番組。マジシャンのHARAも最初は本物なのかわからなかったけど、『激レアさん』に「マジック大好きなのにとんでもない秘境で育ったがゆえ、ネタも道具もすべて独学で自作していったら最終的に世界一のマジシャンになっちゃった人」として出ていた人。最後までまじめな顔でふざけ倒していて素晴らしかった。

【関連】内村光良と松本人志、『いいとも!』以来の対面。視聴者にとって夢のような10分間

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    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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