写真を撮ることにこだわりを持つアーティストやお笑い芸人による連載「QJWebカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森⽥美勇⼈が担当。2021年11⽉に⾃⾝の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND』をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が、日常の中でついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
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雨の東京
初めまして。
森田美勇人(もりたみゅうと)です。
あ、本名です。
両親だけでなく祖母までもが一丸となり悩み抜いた名前な上に今まで一度も被ることのない珍しさもあって物心ついたころからやけにプレッシャーを感じて生きています。
昨年に“FLATLAND”というプロジェクトを立ち上げたころから日々の些細な出来事や自分の心が揺れ動く瞬間をカタチに残せたらと思い写真を撮り始めました。
第1回に上げさせていただく写真は「雨の東京」です。
僕は東京で生まれ育ち、当たり前に自然よりコンクリートに囲まれる環境で育ったなかでこの東京の忙しくも寂しく、でもどこか心躍る雨の帰り道が好きです。
普段は地面の熱で焼けるタイヤたちが水遊びする様にはしゃいで走り回り、ヘッドライトが乱反射を繰り返しながら夜を照らし、水が張ったコンクリートはスクリーンへと形を変え、水鏡に映るビルの行列が未開の地下都市を出現させる。
そんな光景に目を奪われながら片側車線に連なる提灯のようなテールランプを頼りに信号待ちをしていると、向かいから光の粒を集めた傘をそっとかしげて伏し目がちにすれ違う人様の冷たさに美しさを感じたりして。
そんな騒がしい光や音があふれたなかに静寂を感じた日は大抵どこかで一杯飲んで帰ります。
雑踏のなかでひとりを感じる程度が僕にはとても心地よくて。
自分時間が好きなのに寂しがり屋でもあるこの煩わしい性格は確実に東京で養われたのだなと思います。
東京、好きです。
加賀翔(かが屋)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ(BiSH)、長野凌大(原因は自分にある。)、林田洋平(ザ・マミィ)、森田美勇人が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。
【関連】7ORDER森田美勇人の「忘れられないライブパフォーマンス」思わず涙を流した楽曲とは
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