千原兄弟が『あちこちオードリー』で語ったボキャブラ全盛期。ジュニアの態度に「アイツ、しばく」と言った芸人(てれびのスキマ)


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『あちこちオードリー』

ゲストは千原兄弟。千原ジュニアがバイク事故から復帰した、紀伊国屋ホールの『チハラトーク』をふたりで観に行ったというオードリー。ジュニア主演の『PORNOSTAR』もふたりで観に行き、駐輪場でジュニアが立っているポスターのまねをして写真を撮ったそう。仲いい。

自分は「0を1にできない」というせいじ。それでもジュニアを芸人の世界に誘った際は自分がネタを書こうとしていたそうで、表紙に「ネタ帳」と書かれたノートが出てきた。そこには「トゥルルル」しか書かれていなかったという。「電話の音が鳴ったところで筆が止まっていた(笑)」。

ジュニアは以前も言っていた「机上芸人(ジュニア、若林)」と「青空芸人(せいじ、春日)」の分類を持ち出しながら「ネタ作るほうとネタ作らへんほうがいて、結局ネタを作らへんほうが人間としてオモロかったりする」「俺らはおもしろいことを考えたり、おもしろいことを言おうとしてる人であって、あなたたちはおもしろいやん、生きてて。ただただそこにいるだけで。そこには勝たれへんもん、俺らは」と語る。「どんなネタを書こうが、20年後に見た『トゥルルル』のほうが絶対オモロい(笑)」。

ボケとツッコミがわからなくなっているんじゃないかという話題で「この呪縛から離れられるかどうかがひとつ目に大きくて、ダウンタウンさんの亡霊に全員が取り憑かれてるから」とジュニアが語っているのも興味深かった。

若手時代の東京芸人との話も。当時は『ボキャブラ天国』全盛期。せいじが大阪ミナミの6万3千円のマンションにバッファロー吾郎の竹若とふたりで住んでいた時代、フォークダンスDE成子坂が、7倍の給料をもらっていて愕然としたそう。先週の『お笑い実力刃』につづき、同じ時間帯に2週連続で彼らの話を聞けるとは。上京当初、ジュニアの態度に「アイツ、しばく」と言っていたのが古坂大魔王。「りんごよりパイナップルより俺を先に『うーん!』やる予定やった」と笑うジュニア。「誤解もある?」と春日に聞かれ「まぁまぁ、トガッてたやろうね」という答えで当時のバチバチの雰囲気がよくわかる。

ジュニアがバイク事故で入院中、お見舞いに行かなかった理由を「気になるというのは俺の気持ちで、ジュニアにはまったく関係がないから。自分のエゴやから。大丈夫かなあ?って思ったって、コイツのケガが治るわけでもない。無意味。ドアが一回開いて菌かなんかが入るリスクのほうがデカい」と言うせいじ。ジュニアも「来てほしくない。来られても困るし、せいじもそれはわかってくれる」と同調し「兄弟やのにとか言われるけど、俺らの関係はこれが一番ベスト」と語る。兄弟コンビならではの距離感がとてもおもしろい。

『キョコロヒー』

VTRゲストは春日。以前『激レアさん』でヒコロヒーは「足を開いて座る」「靴下を履くのが嫌いで冬でもビーサンを履いている」などの春日との共通点を若林に指摘された「女春日」。そんなヒコロヒーを「足開き歴15年以上」の春日が「ヒコロくん」と呼ぶのが無性に可笑しい。「ホントに自信あるときも足開くし、お笑いの素晴らしいところで、堂々としていても何もないとき、それがまた笑いになる」と足を開くのはメリットだらけであることを語る。デメリットは、キャラが浸透していないときに和田アキ子に怒られたように、大御所に初めて会うときに気をつけなければならないことだけだと。そして春日はヒコロヒーに「春日がね、長年待ち焦がれた“足開きを継ぐ者”としてね、期待してますから!」とメッセージ。このVTRを観たヒコロヒーは自身も泉ピン子に怒られたことに触れ「漢字+カタカナ+子」は要注意と結論。


『まんが未知』

春日の原作をマンガ化するのは『武士スタント逢坂くん!』のヨコヤマノブオ。「春日さんの夢を叶えるつもりで描いてる」と完成したマンガは『Tの丁冒険』。タイトルから春日テイストが入っていて最高。『逢坂くん!』を描いているだけにカッコいい筋肉を描くのはお手のもの。春日の愛犬・チャチャ、むつみ荘、カスカスダンス、若林、クミさん、トゥース!など春日要素満載。下ろした髪の春日がまたカッコいい。読み終えた春日も「そのころのジャンプの世界に春日が入り込めた」と満足げ。花澤香菜は「一番心に何も残ってない。でもコミケで売ってたら絶対買います」と語り岩井も「こんな原作にこれだけの画力を注ぎ込んだっていうおもしろさ」を絶賛。バカバカしくてある意味で最高傑作だった。

明日観たい番組:『ねほりんぱほりん』で「香港のデモに参加した人」の話を聞く

『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレ朝)2時間SP。加賀まりこ&アルピー平子「変わり種炊き込みご飯5選」、チョコプラ松尾、U字工事「へぇ探し」。

『人志松本の酒のツマミになる話』(フジ)千鳥、相川七瀬、田中卓志、中村静香、龍玄とし。

『全力!脱力タイムズ』(フジ)山里亮太&HKT48矢吹奈子。

『タモリ倶楽部』(テレ朝)「コンドームだけだと思うなよ!?オカモトの逆襲」。

『ジロジロ有吉』(TBS)「幻の野湯を探せ!ヒコロヒーリベンジ登山」。

『ねほりんぱほりん』(Eテレ)「香港のデモに参加した人」。

『ドキュメント72時間』(NHK)「秋葉原 イヤホン専門店で耳をすませば」。

『あさイチ』(NHK)「プレミアムトーク」に加賀まりこ。

『A-Studio+』(TBS)に増田貴久。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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