ノブコブ吉村の悩みに徳井が助言「『平場スゴい』って言われてるのは内心怒らなきゃいけない」(てれびのスキマ)


テレビっ子のライター“てれびのスキマ”が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。2020年から毎日欠かさず更新中。

【関連】ノブコブ吉村、将来が不安でバイト始める。マツコ「そういうヤツだと思わなかった」と叱咤


『しくじり先生』

9年目突入を目前に控え枠移動1回目の転換期ということで若林を先生役に「特別授業」。授業を受けるのは吉村、澤部、アルコ&ピースという「お笑い研究部」のレギュラーメンバーに加え「校長」春日というスゴい布陣。若林はこの番組を「同世代の関東芸人でお笑いができる『最後の城』」と表現。

スタッフが各々に面談すると「現状に満足していないわけではないがけっしてこのままでいいとは思っていない」という共通点があったと。

これは芸人だけでなく、30代後半から50代手前の人に起こりがちなことで心理学では「中年の危機」と呼ばれるもの。というわけで「脱・中年の危機」を目指すのが今回の企画。

まず吉村が「自分には20代のころのような勢いがない」と語るスタッフとの面談の様子が放送される。

「お笑いが狭くなってる気がして、漫才とかトークとか大喜利っていうふうに芸人がそれに神秘性みたいなものを持っちゃったから、俺しかり尾形しかり、そういう人が格下になってる」「『M-1箸にも棒にも引っかからないで』って言われたんだけど、こっちからしたら『箸に引っかかっただけじゃん』って。なんか頭でやっちゃってるよ、全部お笑いも番組も」とネタ至上主義になっている昨今のお笑い界に一石を投じる発言。

「ここ10年ぐらいずっと自分より年上にだけ仕事してきてる気がする。演者も視聴者も」と語り「時短とか格安とかこれで味を再現できるっていう番組がもう苦痛っていうかさ……」と自身の現状に対する悩みを告白。

一方で、同じく面談の中で吉村に対し澤部は「尊敬してる」、酒井は「爆発力、突破力」、平子は「平場の天才」、春日は「フットワークの軽さ」などと絶賛され、本来吉村は「ワクワクする」存在だと言われると、いつからか「現場にいると安定する」という評価を受け入れていたが「確かにワクワクだったな、俺」と噛み締める吉村。

さらにモニタリングルームから相方の徳井が「分析のプロ」として登場。いきなり第一声から「吉村さんは死ぬ覚悟っておありですか?」とかまし、「延命はいいやって思ってます」という吉村の答えに肯きながら、加藤浩次、日村勇紀、上田晋也のような人たちは「平場スゴい」とは褒められない。それは前に出てくるのなんて当たり前だから。シュート打つの当たり前で、シュート打った上で超カッコいいゴールを決めてくる人たちだと。

「吉村もそこを目指すべき。今日みんなに『平場スゴい』って言われてるのは内心怒らなきゃいけない」と吉村はセンターフォワードでいるべきと主張する。「読み過ぎたか、空気……」と天を仰ぐ吉村。

本当に一段上の苦悩をえぐっていて、ひと昔前なら、それこそ「それもう楽屋でやってもらえます?」と遮られてしまいかねないほど濃い話だった。

『ゴッドタン』

さらば森田、蛙亭をゲストに迎え新企画「MCガヤ ムカつかせ選手権」。レギュラー陣からは森田に対し「根っからのガヤ」「声がガヤ」「ガヤガヤ声」というガヤが飛ぶ。

まずはMCがムカつくガヤを話し合うと、劇団ひとりに火がつき「もうちょっと泳がせてからツッコみたいときに早めに処理されると、うわあ、なんかもったいないなって」「なんでもない場で言うんだったらいいんだけど、そこそこおいしそうな匂いがしてるときに『それもう楽屋でやってもらえます?』みたいな定型文の安いので終わらせるやつ、本当消えてほしい」とガヤに対する思いがあふれ出す。

いよいよ実践すると、どんどん悪ふざけが強くなっていき、「なんなんですか、これ?」「本当何やってんの、俺ら?」と口々に言い合う状態に。『ゴッドタン』でたまにあるとりあえずやってみたけど全然違う方向に行って企画が成立してない、けど無性におもしろいという回に。


明日観たい番組:『有吉クイズ』で「蛙亭イワクラの自宅Q」「変装芸能人は誰Q」 など

『激レアさん』(テレ朝)「北九州にある田舎の寿司店の大将だったのに、うっかり客にキレたらSNSで世界中に広まり結果的にグラミー賞のレッドカーペットを歩いた人」「野菜の代わりにそのへんの草で無理やり料理している人」。

『有吉クイズ』(テレ朝)「蛙亭イワクラの自宅Q」「変装芸能人は誰Q」「㊙クイズ」。

『ソウドリ』(TBS)エイトブリッジvsスタンダップコーギーvsピンタンパンvsモグライダー。

『イグナッツ!!』(テレ朝)「ちやほや倶楽部」ゲストに、むらたたむ。

『トゲアリトゲナシトゲトゲ』(テレ朝)「主演映画を宣伝する夜」。

『もう中学生のおグッズ!』(テレ朝)に、シソンヌ長谷川。

『あの日、偶然そこにいて』(NHK)「夢と魔法の国」オープンの日やマイケルの単独初来日。

『徹子の部屋』(テレ朝)に、和田アキ子。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)開始。


この記事の画像(全1枚)



  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

    #【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ) の記事一覧


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

てれびのスキマ

Written by

てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

関連記事

酒井健太

アルコ&ピース酒井が紐解く、平子祐希の「憑依力」に隠れる真の姿【魅惑の相方 ANSWER vol.1】

魅惑の相方

アルコ&ピース平子が語る。酒井健太の魅力は「おもしろがられ力」「許され力」そして「酒井力」【魅惑の相方 vol.1】

ノブコブ吉村が力説「間違えないのがプロではない」。アイデンティティ見浦との攻防(てれびのスキマ)

クイック・ジャパン/QJWeb/QJサポーターズ

クイック・ジャパンを一緒に盛り上げるメンバーを募集しています!

【板橋ハウスが旅して案内する北九州市①】

【板橋ハウスが旅して案内する北九州市①】自然と都会、古くて新しい!?キーワードは“アーバンアウトドア”と“レトロモダン”

【板橋ハウスが旅して案内する北九州市2】

【板橋ハウスが旅して案内する北九州市②】魅力あふれる歴史、自然、グルメに、夜景スポットも!「北九州市は“ちょうどいい都会”」

遅れてきた23年目のブレイク芸人、タイムマシーン3号の活動を支える“チル”の時間とは?

遅れてきた23年目のブレイク芸人、タイムマシーン3号の活動を支える“チル”の時間とは?

資本金は“アタッシュケースの500万円”、コロナ損失は1000万円。「YouTubeは生業」と語るロックバンド・ノンラビの生存哲学

未来の『M-1』王者もレジェンドも、本気ネタを披露する“笑いの祭典”。『春のラフフェス』全7公演を事前解説

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。