DJ松永、バイトで100万貯めて自主制作。「1枚目にして傑作」と自分で帯に書いた過去(てれびのスキマ)


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『考えすぎちゃん』

オープニングで「熱量あり過ぎるものを観てるのもしんどい」という松永に、佐久間(宣行)は「本質をしゃべるトーク番組が増え過ぎて。きっかけのひとつを俺が作っちゃったのもあるけど」と返し、「この番組は中身のないトークをしよう」というコンセプトであることを改めて説明。

だが、佐久間が「映画」、松永「音楽」、岡部「食事」という縛りで悩み相談に答えるコーナーでもまたも名回答を生み出したり、オーディションの話題でウイカが中1のころからオーディションを受けまくった苦労話をすれば、松永もバイトで100万貯めて自主アルバムやMVを自腹で作り、ナタリーのプレスリリースや「1枚目にして傑作」などという帯も自分で書き、何も知らないからボラれまくり赤字を背負った、という熱い話に自然となっていく。『Musicman』という音楽業界の電話帳に載っているメールアドレスに、モデル事務所からLDHまで片っ端からデモを送りつけた結果、一件だけ返事が来てアルバムを作れたそう。松永「そのときはよいラッパーと組みました。カッコいい、かつ、連絡がちゃんと取れる、ボラない、法律を遵守する(笑)」。

中身のないトークだけでは終わらず、どうしても本質的な話になってしまう。ウイカと顔を見合わせ松永、しみじみと「お疲れ様だわ、お互いね」。

『あちこちオードリー』

ゲストは「ほぼピン芸人の3人」と紹介されたドランクドラゴンとヒコロヒー。たびたび話題に上がる『はねるのトびら』の高圧的なスタッフのエピソード。その中でも今回出た『裸の大将』主演が決まった際の、眉毛全剃らせ事件はヒドかった。眉毛を剃らすまではギリギリ許容できても、事前にケツを持つと言っていたにもかかわらず、塚地自身のせいにされたというのが本当ならば最悪。若林は『笑っていいとも!』時代、フジテレビ本社に呼ばれ「リアクションが薄い」「声が小さい」「暗い」と怒られたそう。翌週、「あー!」など大きな声を出すようにしたらタモリから「似合わない」とひと言。タモリらしい。

そういった怒るスタッフに対し、「あんなに芸人に説教したら萎縮するに決まってんじゃんね」という鈴木の言葉がすべてな気がする。番組をおもしろくしたいのか、自分の思いどおりに動かせたいのかの差。

鈴木は、春日が『水曜日のダウンタウン』でディレクター(おそらく春日の親友の水口D)に意見を言っているのを見て、「あのとき憧れちゃった。今まで下に見てたのにスゴかった」と笑う。ヒコロヒーもよっぽどのときは意見を言うそうで「ちょっと帰ります」と言ったこともあるという。そのときは、芸人や番組のことよりも自身の立場を考えているようなことばかり言われた挙げ句、すり合わせようとしたら「なんで?」「やれよ」などと横暴な態度を取られた。「この人に頭下げてまで仕事するつもりはないなって」と。たくましくてとてもいい。

そんなヒコロヒーが「MCには1回立ってから死にたい」と展望を語ると「女優さんにでも男には聞けないこともガンガン行けそう」という意見に「確かに隙間かも」とヒコロヒー。

終盤には塚地の恋愛エピソード。会社員時代、結婚も考えていた彼女がいたが、芸人をやるため上京すると連れていけないため別れた。数年後、事務所にその女性からファンレター。たぶん夢破れて戻ってきて「私と結婚すると思ってた」というが、『ダウンタウンDX』で憧れのダウンタウンから「塚地はどうやねん」と個人名を呼ばれているを観て「この人は戻ってこない」と確信したと綴られた上で、「来月結婚します」と添えられていたそう。その切なさに「短編小説で読みたかった!」と若林。が、事務所でその手紙を読んで号泣していた塚地を見て鈴木は「塚っちゃん、泣いてるぅ~!」と茶化したそう。なんとも鈴木らしい。


明日観たい番組:『マツコ会議』にBE:FIRST登場

『さんまのお笑い向上委員会』(フジ)ヒコロヒー。

『マツコ会議』(日テレ)BE:FIRST。

『千鳥かまいたちアワー』(日テレ)仲野太賀。

『ゴッドタン』(テレ東)「MCガヤ ムカつかせ選手権」。

『霜降りバラエティX』(テレ朝)「ビンゴ寿司 これイクラ?」中編。

『人生最高レストラン』(TBS)若村麻由美。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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