「楽しいことは楽しい!好きなことは好き!」と言っていいのが日本だ、オリンピックだ「岡野陽一の人間みんな糞袋」#4

2021.7.30

「にわか」の心得

「うるせー!にわかが!こういう時だけ盛り上がりやがって!」

確かに僕は「にわか」以外の何者でもないが、皆様、ワールドカップの時期などに我々「にわか」と同時に必ず出てくる彼ら「精通」の声を恐れてはいけない。

楽しいことは楽しい!好きなことは好き!

と言っていいのが日本だ。
大きい声で叫ぶのだ。

「肉は美味しいから好き!うんこは臭いから嫌い!」

ほら。恥ずかしがらずに。
何を言おうが必ずやつらはやってくる。

「貴様は本当の肉の甘みをわかっていない。ほんとにいいうんこは臭くないのです。うんこに失礼じゃありませんか?」

どうでもいい。
何か言われたら、

「いやー、今日も精通してますねー」

とでも言っておけばいいのだ。

しかし、にわか仲間に注意点がひとつだけあって、「好き」と言うのは自由だが「詳しい」という言葉は言わない方がいい。
それは嘘だ。
昨日今日見始めた我々が詳しい訳がないし、その言葉で精通達が怒るのは理解出来る。
そこだけ気をつければ後は何だっていい。
にわかにはにわかの楽しみ方もある。

ルールの分かる野球やサッカーを見るのも勿論楽しいのだが、ルールが分からない競技を見るのも凄く楽しいのだ。

ふむふむ。どうやらこの種目は2、3回派手に跳んだ後に、体柔らかアピールタイムみたいなのをやるのがルールなんだな。
すげー!今のは100点だろ!
……ん?15点だと!?
でも選手が喜んでるから、これは15点取ったら凄い競技なんだな。

と、最初は訳がわからなくても、解説の方のお陰もあり、徐々に知識がついてきてより楽しめるようになる。
パチンコのリーチと同じだ。

そのままやってても充分楽しいが、勉強していくと2倍楽しめる。

8%でしか当たらないリーチで当たった!
8192分の1の凄いのひいた!私は神だ!
このリーチは72%で当たるリーチだ!
頼む!……げぼー!

こんな楽しいのがまだまだ続くのなんてありがたい限りだ。

イラスト/岡野陽一
新種目を考える1 イラスト/岡野陽一
イラスト/岡野陽一
新種目を考える2 イラスト/岡野陽一

誠にすみませんでした

しかし、気をつけなければならないのは、頑張ってる人を見て自分も頑張ったと錯覚することである。
クーラーの効いた部屋で、選手の方々に頂いたやる気や勇気や感動を、何にも変換することなく謎の達成感を胸に寝てしまうのだ。

現に僕も、この締め切りがあるのにもかかわらず、締め切りに向けて諦めない気持ちを学ぶという名目で1日中オリンピックを見続けるという奇行に及び、結局締め切りを守れなかった。

おい、3日くらい前の岡野。なめるな。
選手の方々は、4年間のとんでもない努力と才能の上、心技体を兼ね備えた状態であの舞台に立っておられるのだ。
何が諦めない心を学んだ!だ。
貴様みたいな肉骨糞しか兼ね備えてないやつは、39年間何も学べてないんだから、学ぶことを諦めろ!糞が!

クイック・ジャパン ウェブ様、編集のアライ様含め、読んで下さってる皆様、この度は遅延してしまい誠にすみませんでした
本人にはきつく言っておきましたので、どうか諦めない気持ちで今後とも『人間みんな糞袋』を応援して頂けると光栄でございます

イラスト/岡野陽一
新種目を考える3 イラスト/岡野陽一

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