馬鹿だと思われるから今まで言わなかったが、じゃんけんが大好きだ「岡野陽一の人間みんな糞袋」#3

2021.6.28

人類の最終兵器とは

こう言うと、だんだん選択するのが怖くなってくるが、怖がっちゃいけない。
どうせ我々はこれからも答えのない選択し続けないといけないのだから、選択を楽しんだ方がいい。

選択は楽しいもんだ。
そうじゃなければ、じゃんけんはあんなに流行ってない。
僕は馬鹿だと思われるから今まで言ってなかったが、じゃんけんが大好きだ。

あんなおもしろい遊びはない。

麻雀、将棋、トランプ……。
この世のほとんどのゲームは選択のおもしろさによって成り立っているが、じゃんけんはそのシンプルさと奥深さで頂点に君臨する選択界のレアル・マドリードだ。

人類が生まれて初めて覚える選択遊びでもあり、人類の最終兵器こそがじゃんけんなのである
勝敗を決められない時、選べない時、人間の力ではどうしようもない時に彼は現れ、そしてものの数秒で解決して去っていく。

さすがの神様なんていないと思ってる僕も、これを神と呼ばずしてなんと言おうか。
もしこの世に神様がおられるとしたら、それは「ぐー様」「ちょき様」「ぱー様」のお三方以外に他ならない。

分かっている。

皆様との温度差は感じている。
大人がじゃんけんにそんな熱がないのは知っている。

現に僕も、幼少期に友達や親と狂ったようにじゃんけんして以来、友人とジュースを奢ったりする時にやるくらいで暫くじゃんけんから遠ざかっていた。

14歳の岡野陽一少年
14歳の岡野陽一少年

何がきっかけかは忘れたが、30代になってまたじゃんけん熱が再燃したのだ。

大人になってのじゃんけんは本当におもしろい。
何でもそうだが、世の中大概の事が馬鹿らしくて真剣に打ち込めないだけであって、自分が真剣に打ち込める事さえ見つければ、それが何かは重要じゃなくて、何でも大概おもしろくなる。

たまたま僕にとってのそれがじゃんけんだっただけかもしれない。

子供のじゃんけん、大人のじゃんけん

子供のころのじゃんけんは3分の1だが、大人のじゃんけんは3分の1じゃないのだ。
試行回数を増やした結果、変なデータが取れた。

大人はあいこになると、次に同じのを出す確率が75%くらいある。
これは驚くべき数字だ。
一発目は運になるが、あいこにさえなれば通常3分の1しか勝てないじゃんけんが、75%勝てるのである。

嘘ではない。
これは髭借金大学による正式な研究結果だ。
上振れがあるにしろ、恐らく60%は超えているはずだ。
ここで発表してしまったら、この攻略法が使えなくなるんじゃないかと思ったが、僕は自分の影響力くらい理解している。

全然問題ない。

なんでこんな事になるのか?
確かに子供のころは、あいこになって次に同じのを出すなんて考えられなかった。

とにかく手を色んな形にしたい!
子供のじゃんけんなんてそんなもんだ。
初めて同じのを出して来た相手に負けた時は絶望した。

「う、う、う、嘘だろ……。ねぇ、けんちゃん……。それ、さっき出したよね……。き、きたないよ……」

もしかしたらその経験がトラウマになって、それを防ぐ為に大人は同じのを出すのかもしれない。
それとも子供の時に同じのを出して勝った時の、あの少し大人になったような感覚が忘れられずに出してる可能性もある。

はたまた無意識に、変えて負けるくらいだったら、変えずに負ける方を選んでるのだろうか。
確かに自分が選んで変えて負けるより、同じのを出した方が負けた時のダメージが小さいような気もする。

これは保守的な日本人特有のデータなのだろうか……。

オリンピックの正式種目にじゃんけんを

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