オーディション落選で終わりじゃない

一般的なオーディションであれば、次の審査へ進む参加者を選んだ時点で終わりだろう。しかし、『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』は違った。SKY-HIは落選者の一人ひとりに対しても、あふれる想いを伝えていったのだ。

そして、最後に特大のエールを彼らへ送る。
「30人全員が違う角度で才能を見せてくれたから、みんなで合宿をしたかったと心から思っています。俺が君を落としたこの決断は間違いだったかもしれない。願わくば“間違いだった”と思わせてほしいところもある。君のことをすごい才能があると思っている人がいることは忘れないでください。どうか自分をリスペクトしてあげてください」

“オーディションに落ちた”という事実は、ともすれば大きな心の傷になってしまう。そうなることがないよう、このオーディションでの経験が彼らを光ある未来へと導くよう、精一杯の敬意を送っていた。

また、審査を見守っていたDa-iCEの工藤大輝からもメッセージが寄せられる。
「オーディションというのは、作られるグループに対しての適正が重要視されることもあります。合格者に対して“俺のほうがうまいし”と心の中では思っていたと思う。というか、思っていてほしい。だけど、今回のオーディションにハマらなかった結果も受け止めてほしい」

主催ではない立場でオーディションに関わったからこそ伝えられることを、誠心誠意に伝え切った。

音楽ファーストなボーイズグループを目指して

3次審査通過者に向けてのフォローも怠らないSKY-HI。おそろいのTシャツを身につけた15人に、今の想いを届けた。
「順位が上がった人も、順位に納得がいってない人もいるかもしれないけど、みんな素晴らしいのは確か。クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファーストに偽りはないです」

そして、いよいよ始まる合宿審査に向けて、「バラエティ要素はないです。純粋に音楽に関する審査だけが始まります。今できる予習があるとしたら、音楽とどんどん仲よくなってください」とアドバイスした。

“バラエティ要素はない”と、わざわざ強調するあたりに彼の本気さを感じざるを得ない。一般的なオーディションであれば、キャラクター性などを見るために取り入れられがちなバラエティ要素。それを排除して、徹底的に音楽と向き合っていく。

そこには、「意思がある、主張がある、メッセージがある。だけどお互いを尊重できるグループを絶対に作りたい」というSKY-HIの想いが大きく反映されているのだろう。与えられた振りや歌を覚えて完璧にこなすグループはまったく作る気がない、と彼はこのオーディションを通して何度も公言していた。つまり、音楽と一緒に生きられる仲間を求めているのだ。

それはなぜか──「高い技術によって表現された音楽を愛する心は、人の心を打つ」とSKY-HI自身が信じているからだ。15年を超えるキャリアの中で、結果的にそれがステージでの華や表現力につながる、と確信しているのだろう。

また、3次審査について「やって正解だった」と言い、「若い才能がこんなにいた。このオーディションをやらなかったら、彼らは日の目を見なかった可能性がある」と振り返った。

そして、オーディション参加者の一人ひとりの姿を脳裏に描きながら、こうつづけた。
「落ちた子と受かった子の違いは、技術のために音楽があるのか、音楽のために技術を使えるのか。結局は音楽ファーストなんですよね」

アーティシズムファースト、クオリティファースト、クリエイティブファースト。そう語ると独創性があればいい、精度が高ければいい、創造性があればいい、なんて勘違いしてしまうかもしれない。しかし、そうではないはずだ。SKY-HIが見たいのは、その先の世界にある──。

高い技術で魅せるために音楽をするのではなく、素晴らしい表現のために高い技術を使う。そうして生まれたものが多くの人を感動させ、新たなシーンを作っていくと彼は信じてやまないのだ。

次回、1カ月にも及ぶ山中湖合宿がスタート

5月21日に放送される#8では、1カ月にも及ぶ山中湖合宿の模様が放送される。怖くても進み、心の炎を燃やし、走りつづける『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』から、今後も目が離せない。

【『THE FIRST -BMSG Audition 2021-』#8放送＆配信予定】
■2021年5月21日（金）朝8:00～『スッキリ』（毎週月～金曜朝8:00～10:25、日本テレビ系）
番組URL：https://www.ntv.co.jp/sukkiri/
※放送日時変更の可能性あり

■5月21日（金）20:00～『Hulu』
番組URL：https://www.hulu.jp/the-first-bmsg-audition-2021