写真を撮ることにこだわりを持つアーティストや俳優・声優による連載「QJカメラ部」。
土曜日はアーティスト、モデルとして活動する森田美勇人が担当。2021年11月に自身の思想をカタチにするプロジェクト「FLATLAND」をスタート、さらに2022年3月には自らのフィルムカメラで撮り下ろした写真をヨウジヤマモト社のフィルターを通してグラフィックアートで表現したコレクション「Ground Y x Myuto Morita Collection」を発表するなどアートにも造詣が深い彼が日常の中で、ついシャッターを切りたくなるのはどんな瞬間なのか。
好奇心の赴くままに
第87回。
1月も後半に差しかかるのに、いまだ芯が凍る寒さが訪れない東京。
暖かいに越したことはないのだが、地球環境の変化が不安で恐ろしい。
泥棒姿の全身ヒートテックの出番はなく、新調したばかりなのに拍子抜けな日々。
平年より10日遅れた初雪も朝にはコンクリートに消えていた。
写真はとある日の上野公園。
老若男女が交差している。
美術館を目指す老婆、動物園へ向かうファミリー、カフェでくつろぐカップル、グラウンドで白熱する少年、大行列のフードフェス。
それぞれがさまざまな趣味嗜好を楽しんでいる。
好奇心の赴くままに行動し、集まった上野公園のそれぞれは、好きを中心にフラットな営みを繰り広げている。
平たさが心地いい。
できる和が感じいい。
空が広くて見通しいい。
このくらいがちょうどいい。
平穏。
NAOYA(ONE N’ ONLY)、中山莉子(私立恵比寿中学)、セントチヒロ・チッチ、工藤遥、RUI・TAIKI・KANON(BMSG TRAINEE)、森田美勇人、南條愛乃が日替わりで担当し、それぞれが日常生活で見つけた「感情が動いた瞬間」を撮影する。