来年の大ブレイクを予告するかのような、きしたかの高野への“松本人志対面ドッキリ”(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『お笑いアカデミー賞』

TBSで放送された番組で笑いを取った回数を集計しランキングする「最優秀回数賞」。芸人のネタやコメントに対し、共演者が笑ったら1カウントというもの(ものすごい労力!)。

10位に入ったのはTBSでレギュラーはないものの「最近TBSしか出てない(笑)」というおいでやす小田(974回)。9位はブラマヨ小杉(1216回)とつづき、8位に松本人志(1237回)が意外と低めにランクイン。

そして7位に、レギュラー番組が1本少ない松本を上回り浜田雅功(1398回)が。このあたりとても興味深い。

6位はニューヨーク屋敷(1516回)、5位は有吉弘行(1571回)で、4位にはなんとホンジャマカ恵(1864回)が入った。恵にフジモンが「ホントに?」とガヤ。「よくないなあ」と苦笑いする松本だが、『ひるおび』で共演する文化人から笑いを取っているVTRを観る松本の表情が味わい深かった。

3位はテレビ出演本数ランキング1位の設楽(2271回)、2位に日村(3264回)とバナナマンがつづく。テレビ出演本数ランキング1位の設楽が入ったことで、別会社の同ランキングで1位を取っている春日に、フジモンが「春日、1位あるよ!」と悪いフリ。

しかし、1位はやはり『ラヴィット!』MCの麒麟・川島。回数も7417回とずば抜けたトップ。本当に凄まじい。フジモン「春日は?(笑)」。

「最優秀一部で話題賞」には、妻が先輩芸人や番組に直接DMを送るみなみかわや『お笑いの日』でコラボをしたランジャタイ×ダイアン津田らがノミネート。彼らのコラボネタ、いわゆる『ゴイゴイスーミュージカル』が再びフル尺で放送される。やはり何度観てもおもしろい。年間ベスト級のネタだと改めて思う。

ネタをする直前までわけがわからずブチギレていたという津田だが、「動き出した瞬間、ダウンタウンさんが目に入ったときに、松っちゃん笑うてる、浜ちゃん笑うてる、これイケる!って思いました(笑)」と振り返る。

そして最後にノミネートされたのは、「高野さんを怒らせたい。」が話題のきしたかの。今回、松本信者でもある高野に松本人志との対面ドッキリを仕かけることに。目隠しの状態で最初はJPと話させ、途中から松本本人に入れ替わるというもの。

「JPだろ?」「うるせぇっ!」と悪態をつく目隠しをしたままの高野に「誰にキレてんねん?」と松本。高野は「おめぇだコノヤロー!」とさらに口調が悪くなっていく。そこで目隠しを取られ松本の姿を確認すると、立ち上がる高野。「松っちゃんじゃねえか、バカ野郎……」と感情がぐちゃぐちゃになったその表情が絶品だった。

ほぼ間違いなく来年はドッキリ系の企画を高野が席巻し、大ブレイクを果たすだろう。その最高の予告編のようなドッキリだった。

奇しくも今年一番多く笑わせた人、一番大きく笑わせた人を振り返った上で、来年大きく飛躍しそうな人を占うような構成になっていて充実の内容だった。

『ジロジロ有吉』

『有吉ジャポン』時代から追っているゲイバー「ひげガール」ドキュメント。美貌を武器に接客する「オネエZ世代」の台頭で「コミックオネエ」が絶滅の危機に瀕しているという。

「コミックオネエの聖地」ともいえる「ひげガール」でも25人中24人がキレイ系で、コミックオネエは越乃ごはん、ただひとりに。そこで「ひげガールラストコミックオネエ」と題したドキュメントに。有吉「『M-1』のアナザーストリーだねえ(笑)」。

クリスマスイベントの演目に、ごはんは『ひげもやん』をやりたいという。それは、ひげガールが22年前に創業した際、最初に行った伝説のコミックショー。トップコミックオネエしか演じることが許されておらず、10年近く封印されているそう。

それをやりたいと真剣に訴えるシーンに「始まった、演出入った」と笑う有吉。トップキャストのベルや創業当時から在籍するベテラン・ミカエルは猛反対。ごはんの覚悟を聞いて「バッキャロー! ならやってやろうぜ!」と叫ぶベル。有吉「誰が演出してんの?(笑)」。

演出が入った瞬間がとてもわかりやすいのがバカバカしくてとてもいい。最後、『ひげもやん』を見事に演じた的な編集がされていたが、有吉「『ひげもやん』の出来悪過ぎるだろ!(笑)」。


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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2021年のテレビ鑑賞記録。

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1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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