『ゴッドタン』で珠玉のコント脚本を披露し、『メガホン二郎』で映画のような三角関係を明かしたゾフィー上田(てれびのスキマ)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。


『ゴッドタン』

以前「ネタギリッシュNIGHT」で披露された、ゾフィーの熱い下ネタコント「無人島」に「こんなネタが見たかった! 俺も演じてみたくなった!」と興奮していた劇団ひとりの願いを叶える「ゾフィー上田脚本 熱い下ネタをやりたい選手権」を開催。演じるのは、『リチャードホール』以来のコント共演だというひとりと矢作に加え、普段、下ネタをやらない東京03の飯塚と角田。「角ちゃんは下ネタ言うとき、モジモジしちゃう」という致命的な欠点があり、飯塚「巻き込むなよ!(笑)」。

まずはひとり×矢作が「無人島」をカバー。ネタを披露したあと、「最高のネタだわ。楽しいねー!」と充実感いっぱいのひとりに対し、上田は「劇団ひとりさんの引きの演技。僕らは一点張りでアクセルふかしまくっちゃうけど、1回引いてからまた上げる」と絶賛。

東京03は上田が当て書きで書き下ろした「出張先」を演じる。東京03らしさを残した下ネタコントで、台本がよかった分、緊張したという飯塚は「『キングオブコント』の決勝以来、ふたりで本番前グータッチ」するほど気合が入ったと振り返る。さらに、もう1本書き下ろしの「スパイ」というコントを上田とひとりが演じる。「ホントにこれを役者にやってもらいたい」というひとりに飯塚「やらねえよ!(笑)」。

『アルコ&ピースのメガホン二郎』

『ゴッドタン』放送直後に始まった、『勇者ああああ』や『マヂカルクリエイターズ』の板川侑右による「アルピー×映画」と銘打たれた番組。この題材でこの座組なら、もちろん構成に『アルコ&ピースのオールナイトニッポン』などを担当した福田卓也も参加。

番組冒頭は、映画監督の松居大悟をゲストに迎え、まずまじめなトーンでインタビュー。そのブロックが終わり「OKなの?」と不安そうなアルピーに「編集方針はあとで決める」というスタッフの声。ここから「×映画」とは名ばかりのゴリゴリのお笑い番組が始まりそうな予感に。

「映画みたいなネタですね」と褒められるのはコント師あるあるだが、そういったネタを本当に映画原作にふさわしいのかをゲストの松居とともに見ていくという企画。これに『ゴッドタン』に続きゾフィーが登場し、恋愛ホラーのコント「ジコアイ」を披露。ひとりの女性をめぐる三角関係のサイコサスペンスで、本当に映画原作になりそうと松居も評価。

そんな中、上田と松居が大学のサークル(慶應義塾大学の演劇サークル「創像工房 in front of.」らしい)の先輩(上田)後輩(松居)で、松居の家に週6くらいで入り浸るほど仲がよかったという意外な関係性が明かされる。「いろいろコメディを教えてもらった」という松居に、平子は「え? お前コメディを教えてたの?」と「お笑い」ではなく「コメディ」だというところに引っかかって粒立てる。

大学時代はずっと一緒だったが、卒業してからは離れ離れになったという。それには理由があり、上田が、松居が付き合っていた彼女と芝居を一緒にやった末に、寝取ってしまったのだそう。これには「嫌いな劇団員みたいなことやってんな!」とサイトウも心底嫌な顔。「横濱珈琲店」という喫茶店に呼び出された上田が土下座したが、松居は泣きながら「許さない」と言って出ていき絶交。以降、10年くらい疎遠だったが、たまたま別の喫茶店「セガフレード・ザネッティ」で再会し、改めて謝罪して和解したという、これ自体が映画みたいな話。そこに添えられたテロップが「青春のセガフレード・ザネッティ」。

『ゴッドタン』と合わせ、上田脚本のコントが4本も見れる贅沢な1時間。あと最後のコーナー含め、意外と「映画」要素の濃度が高くて驚いた。


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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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