「意識を失っている女性にキス」「7人の男性のために料理と掃除」童話をフェミニズムで見るとOUTだらけ?
「意識を失ってる女性にキスするなんて、ぞっとする」「お金持ちになる方法は、王子との結婚だけじゃない」──童話の名作をフェミニズムという観点から語り直した童話集『シンデレラとガラスの天井』(太田出版)が6月26日に発売される。
人魚姫、眠り姫、白雪姫、シンデレラ、美女と野獣、親指姫などが……
同書は、アメリカの女性コメディ作家、ローラ・レーンとエレン・ホーンが、世界中で親しまれているストーリーをフェミニズムという観点から捉え、“改変”を試みたものだ。取り上げたのは、『人魚姫』『眠り姫』『白雪姫』『シンデレラ』『赤ずきん』『ラプンツェル』『ピーターパン』『美女と野獣』『親指姫』など、誰もが知る物語ばかり。それらが、「眠り姫の本当の目覚め」「白雪姫と7つの無自覚な差別」「シンデレラとガラスの天井」「美女と野獣と語られなかった誘拐被害者」「親指姫の自立」といったタイトルで、新たなストーリーへと生まれ変わっている。
「はじめに」では、以下のように綴られている。
〈昔むかし……「おとぎ話」とは童話の皮をかぶった父権制社会のホラー・ストーリーでした。7人の男性ルームメイトのために料理と掃除をさせられる女性。少女をつけまわし、家宅侵入したあげく、2件の殺人を犯すオオカミ。毛むくじゃらの誘拐犯に恋をした美女。見知らぬ船乗りのために声も友人も家族も捨てた人魚。相手の同意も得ずに眠る女性にキスをする大勢の男たち〉(「はじめに」より一部抜粋)
著者のふたりは「まえがき」で「時代は変わりました。物語も変わるべきでしょう」と宣言し、
「なぜ長い間、男たちに女性の物語を書かせてきたのか? 彼らは私たちを塔に閉じ込めたり、家を掃除させたり、とても眠くさせたりしたのです。この本は遂にそれを正した!」(ローレン・アダムス。女優)
「ウィットに富んだ、今求められているおとぎ話のリブートだ。私たちがこれまで子供たちに何を教えてきたのか、考えさせられる」(ジョー・ファイアストン。コメディアン)
といったコメントが寄せられている。
ローラ・レーンは、コメディ・ライター、ポッドキャスター、パフォーマー、作家。前職はエンタテインメント雑誌の編集者で、共著書『This Is Why You’re Single』はテレビドラマ化され、『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』『ウォール・ストリート・ジャーナル』で取り上げられた。一方のエレン・ホーンは、ライター、俳優、コメディアン。WEBシリーズ『OMGHI』、短編映画『No Limes』を共同執筆し、主演も務めた。
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