東日本大震災から10年を目前に控えた3月8日最終回を迎えた『ハルカの光』(Eテレ)は、「名作照明」をモチーフにして、人々のこころを包み込む温かな光のようなドラマだった。ドラマを愛するライター・大山くまおが解説する。
ファーストシーンだけで心を鷲掴みに
真っ暗な海の中、煌々と漁火を放ちながらこちらへ進んでくる漁船。水面に映る光も美しい。BGMはドラムソロのみ。その光を岸から見つめる女性がひとり。こちらを振り向いて、タイトルコール。
「ハルカの光」
このファーストシーンだけで心を鷲掴みにされた。これは傑作なんじゃないか。その予感は見事に当たった。
2月8日からNHK Eテレで放送されていたドラマ『ハルカの光』が3月8日に最終回を迎えた。近年、特にプログレッシブなドラマ制作を進めてきているNHKだが、Eテレでこのような本格的なドラマが放送されるのは極めて珍しいので紹介したい。
『ハルカの光』は「名作照明」をモチーフにしたドラマ。名作照明をこよなく愛する主人公と彼女が働く照明の専門店を舞台に、さまざまな人間模様が繰り広げられる。1話25分、全5回というつつましいサイズのシリーズだ。
筆者は寡聞にして知らなかったのだが、文学や絵画と同じように照明にも名作があり、著名な建築家や彫刻家らが手がけた照明は「名作照明」として尊ばれている。生活における室内での「光」を重視する北欧などのヨーロッパで発展したもので、近年は日本でも注目されているという。確かにコロナ禍で「おうち時間」が増えている昨今、家の中の明かりを見直そうとする人が増えてもおかしくはなさそう。
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