Zoom、トランポリン売り切れ……予想外のユーモアが噴出!リモートワーク珍事件簿

2021.1.21


おじさんの自意識が爆発

テレビ会議で毎日自分の顔を見るようになった。ボソボソの肌にむくんだ顔、加齢のリアリティを突きつけてくる。

そこで私をはじめ、おじさんたちが照明やカメラに凝り始めた。デジタル一眼レフをWEBカメラにして背景をボケボケにして登場したり、メガネにリングライトを反射させて登場したり。

私も手持ちのデジタルカメラをWEBカメラにしてみたが、超望遠の特殊なカメラだったため、鼻の頭の毛穴しか映らなかった。

逆に超広角のGoProを使ったら監視カメラのようになった。車が突っ込んでくる直前のコンビニのようだった。

WEBカメラを斜めに置いて横顔で登場した人もいたが、正岡子規の肖像写真のようだった。

正岡子規の肖像写真
『正岡子規 新潮日本文学アルバム〈21〉』(新潮社)

まさか会議で「正岡子規みたいになってますよ!」とツッコむことになるとは思わなかった。それが2020年だ。

思うにたぶん女性も照明やカメラを工夫しているのだが、男性ほどあからさまではない。メイクでのナチュラルに見せる経験が生きているのだろう。
おじさんが色気づいた中学生のように生き生きとした年だった。

取材で笑っている人の映像が録れていた

リモートの取材は記録という点ではとても便利である。会話をそのまま録画できる。ICレコーダーの録音ボタンの押し忘れというライターにとって最悪の悪夢が起こらなくなった。

だが、一度取材を終えて録画データを見たところ、笑っている人が延々映っている動画だったことがあった。

それはなぜか。

「スピーカービュー+ローカル録画+ミュートにせずによく笑う人」の組み合わせでこの不条理映像が現れる。

スピーカービューとは発言している人を自動的に大きく表示するモードである。だが、マイクをオンにしてでかい声で笑っている人がいると、Zoomはその笑い声をしゃべっていると判断してその人を大きくしてしまうのだ。

その結果、大事な話をしている人は見えずに、ゲラゲラ笑っている人が延々映っている録画データが残される。

そんな不条理映像をもとにテープ起こしをするのは2020年の最新型の悪夢である。


テレビ会議難民がテラス席に集結

たまに気分を変えて自宅ではなくシェアオフィスで働いている。だが困るのがテレビ会議だ。

堂々と大きな声を出せる場所はなかなかない。
その点、カフェのテラス席は理想的である。

丸の内のとあるビルのスタバに行ったところ、テラス席はテレビ会議をしている人だらけだった。

セキュリティはどうなっているのかと思ってしまったが、あれは互いを信じ、さらけ出すことで均衡を作り出す一種のヌーディストビーチだったのかもしれない。

会社大好きになった

たまにリアル出社をすると、会社の設備に驚く。

ペットボトルのラベルも剥がさずに捨てていいゴミ箱、無料で使い放題のコピー機(カラーA3まで!)、広いデスク、備品の引き出しを見ればクリアファイルや付箋が持っていき放題。

まるでオフィスワーカーのためのラウンドワンである。

そう思っているのは私だけではないようで「明日会社に行くんだ!」とリモートのミーティングで報告してくる人もいる。

会社員が「この会議が終わったら……会社に行こうと思ってるんだ」と当たり前のことを言ってるだけなのに死亡フラグのように聞こえる。

まとめ

リモートワーク元年は見たことない景色の連続だった。

Zoomの時間制限で話がぶった切られる役員、ミュートになっている上長に身振り手振りで伝える部下たち、壁の模様で同棲がばれる同僚(聞いた話です)。
家から出ないのにずいぶん珍しいものを見た。

来年はどんな珍しい景色が見られるのだろう。

でも早いところ、2020年のリモートワーク失敗談を語るリアルトークイベントとかやりたいですね。

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林雄司

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林雄司

(はやし・ゆうじ)1971年生まれ、東京都出身。テレワークの達人(自称)、『デイリーポータルZ』編集長(こちらは自称ではなくオフィシャル)。編著書は『死ぬかと思った』シリーズ(アスペクト)、『テレワークの達人がやっているゆかいな働き方』(青春出版社)など。アスパラガスを主食にしたいぐらい好き。

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